なぜその知識が創られたのかを考える【基礎学習のコツ】
基礎の学習はつまらないだろうか?
特に基礎知識。
数学の方程式の基礎的な知識、英語の文法、化学のモル計算、心理学の基礎研究、(専門の人ごめんなさい、ディスってるわけじゃないです)…………。
新しい分野を学ぶ時、基礎から学ぶと挫折しやすい。
プログラミングなどでも基礎的な計算やデータ構造、アルゴリズムをきっちりやるより、一つのアプリケーションを作ってしまう方がモチベーションも上がるし、実力もつく。
だけど、基礎知識は大事なのだ。体系的な知識を得るためには必ず勉強することになるだろう。
今回、『楽典』(音楽の基礎的な理論、楽譜の読み書きとか)を初めて学んでみて感じたことに触れながら、この基礎知識学習の楽しみ方について書いてみる。
基礎知識学習を楽しむ方法は?
先に方法の話をしておく。
基礎知識学習を楽しむ方法は、「その知識体系がなぜ存在するのかについて想いを馳せる」こと。
基礎知識は大事なもの。でもそれはルール的なものが多く、率直に言ってつまらない。
――しかし、なぜそのようなルールが創られた、もしくは発見されたのか。
この視点を持つことで基礎知識学習は面白くなる。
例えば楽譜について。
僕はクラシックについて学ぼうと思い、流れで『よくわかる楽典の教科書』を手に取った。
客観的に言って、楽譜の読み書きなんて何も面白くない。
でも僕は知識体系を愛する者だ。
だから「なぜ、誰がこの知識体系を考え、創り、伝えてきたのだろう」と考える。
音の連続を、音ではない手段によって時と場所を超えて他者に伝えるのが楽譜だ。その目的を達成するために人々が何を考え、作り出してきたのか。
知っている人、知らない人がいると思うが、僕は「体系」が好きだ。一個のシステムとなった知識や技能に興奮する。
楽典について、まだまだ理解できていないことの方が多い。
でも、楽譜のすごさを、学んでみて実感した。
その基礎知識体系をつくれと言われたら
――「つまらない」
そう思ってしまいがちな知識体系の裏に隠れた多くの人の物語。
もしその基礎をつくってみろと言われたらどうであろうか?
そもそも一人の人間が作り上げてきたものではないので、ぶっちゃけ無理だと思う。
――「つまらない」でも「すごい」
すごいと思えたら、楽しくなるまでもう少しだ。
何が、なぜ、どのようにすごいのかを分析していく。
そのために必要なのは「問い」だ。リスペクトと知的好奇心に支えられた「問い」を放つことができれば、ほぼ勝利は決まり。
ちなみに僕は学習のコツを3秒で答えろと言われたら「問いを持てばいい」と答える。
逆に教える側は「問い」をデザインすることが大事だ。
そして「良い問い」はつまらないテキストも楽しい玩具に変えてくれる。
存在意義と問いを持つこと
結局、基礎知識の学習が面白くないのは、楽しもうとしていないからだ。漫然と頭に入れようとしている。それでは楽しいはずがない。
楽しむ方法をまとめると、
① その知識の存在意義を考える(学ぶ)
② 問いをもつ
このやり方で学習すれば、人に教えるときにも良い感じのはず。
学習のアーティストを目指してます。学習ノウハウの体系化・学習体験のコンテンツ化を通して、学習者のレベルアップを手伝います。現状、お金よりも応援がほしい。