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他人の日常を観察する【人生経験を増やす方法】

5月2日。
ゴールデンウィークの中、僕の大学は授業だった。
僕が通っているキャンパスは地域との結びつきが強く、休日になるとファミリー層が出没する。おしゃれなマダムがランチを取っていることもある。

大学生は授業。ファミリー達は遊び、家族の賑わい。
全く同じ空間で、全く異なる日常を送っている両者を見て、改めて僕らがそれぞれ異なる日常を生きていることを意識した。

家族や友人、恋人であれば、比較的近い日常を送っているだろう。しかしそれでも、やはり違うのだ。それぞれに違う日常を持っている。

今回は「他人の日常」について考えてみた。

人生経験の重要性

いま僕は、初めて小説を書いている。
その中で思うのが、人生経験が 重要だということだ。

特にキャラクターを作る時に思う。
詳しい話を飛ばせば、それは元型を使うことによって、自分の知らない世界の人物を構築することはできる。ただしそこからオリジナリティや リアリティを出すためにはやはり人生経験が必要なのだ。

人生経験は年を取った方が多く積めるものだろうか。
自分、の中ではそうかもしれない。
しかし他人と比較した時、必ずしも高齢の方が人生経験を積んでいるとは限らないものである。

同じ時間でえられる人生経験は人によって異なる。
例えば、ルーティーンのような日々を過ごす人と、毎日毎日新しいことを繰り返す人。
どちらの方がより人生経験を増やせるだろうか。

つまり、人生経験の蓄積は時間の過ごし方の「質」に左右される。

観察・思考・行動と人生経験

僕はよく「観察→思考→行動」のフレームワークを用いる。
究極、僕らと世界との関わり方はこの三つに集約されると考えているからだ。

このフレームワークに照らして、人生経験について考える。

一般に人生経験のキーとなっているのは「行動」だ。

それゆえ、いろいろと行動し、実践している人の方が人生経験が多くなる。
まあそれはわかる。「観察→思考→行動」はサイクルとなっているので、行動が多い方が観察も多くなり、思考も多くなるわけだ。

だがここでは、行動以外をキーとした場合を考えてみる。

と言いつつ、「思考」は一旦脇に置いておく。
思考の話をすると、複雑で長くなってしまいそうだからだ。
僕は早く小説の執筆に戻りたい。

というわけで、「観察」をキーとする人生経験の蓄積についてだ。

ここで冒頭、他人の日常の話につながる。

他人の日常を観察する方法

大体分かると思うが、他人の日常を観察することによって、擬似的に私たちは「観察→思考→行動」のサイクルを回すことができる。
人生経験を蓄積できるのだ。
当然それは自ら体験したものに劣るだろうが、コスパはいい。

単純な話である。自分で失敗する前に、他人の失敗を学べた方がいい。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ
(ドイツ帝国初代宰相、オットー・フォン・ビスマルク)

自分で失敗して学ぶよりも他人の失敗から学んだほうがいいよね、みたいな意味だ。

他人の日常を観察することは、失敗の経験に限らない。自分とは異なる人が、どのように観察し思考し行動しているのかを知ることが人生経験の蓄積に繋がる。

というわけでその方法をいくつか考えてみた。

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① 対話による観察
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まず第一に、直接の対話による観察が考えられる。その人がどのように観察し思考し行動して日々を生きているのか。それを確かめるには対話が一番だ。

質問と傾聴のスキル次第でその質は爆発的に高まる。

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② 本(コンテンツ)による観察
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次に本や動画などのコンテンツも使える。
「本を読むことは、他人の人生を追体験することだ」みたいなこともよく言われるだろう。

ただし、対話に比べるとその自由度が低い。だが、相手を必要としないばかりか、異なる時代・空間を生きている他人の日常を経験することができる。これは圧倒的な利点だ。

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③ シミュレーションによる観察
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三つ目は、シミュレーションによる観察だ。
例を出してみよう。

電車に乗っている時、前に座っている人。
その人を観察してどんな人なのか考えてみよう。

今何を観察していて思考していて行動しているのか、それらを推測するのだ。

電車以外にも色々あるだろう。
例えばどこかの道に座って、そこを通る人たちを観察してみるといい。
彼らには何らかの目的があって、その目的の達成のためにその道を通ったはずだ。それを勝手に推測してみよう。

答えを確認する必要はない。少なくとも僕にそんな度胸はない。

言ってしまえば、この方法は妄想とほぼ変わらない。
それでもいいのだ。他人の観察思考行動を推測する事が人生経験の蓄積につながるのだと思う。

実際、小説家たち(その他ストーリー創造の職についている人々)は、このような訓練を行ったりもするらしい。
僕は妄想癖があるので自然にこの訓練を行うことがある。あと、ホームズに憧れていることもあるだろう。

僕らは常に自分の日常を生きている。
でも時たま、他人の日常も生きてみたいと思わないだろうか。

僕は思う。

学習のアーティストを目指してます。学習ノウハウの体系化・学習体験のコンテンツ化を通して、学習者のレベルアップを手伝います。現状、お金よりも応援がほしい。