ボクは対人恐怖症。

はじめまして、Akiと申します! ある一人の女性のために、ボクはこのブログを始めることにしました。彼女の魂が少しでも安らかにいられるように、ボクが伝えられることを綴っていこうと思います。

それでは、スタート。

ボクは対人恐怖症

ボクは対人恐怖症です。その中でも、「強迫性自己臭恐怖症」というモノです。名前長いですね〜。「なにそれ?」って感じなので……

強迫性自己臭恐怖症とは、自分の匂いを過度に気にし、周りから臭いと思われていると思い込み、他人の何気ない行動や仕草を自分の臭いから起こるものと関連づけ、結果として日常生活が困難となってしまう病気である!(参考:wikipedia)

はい、説明も長い。簡単にいうと、「ボクが臭すぎて周りに迷惑かけてますよね、ゴメンナサイ、もう家に引きこもってます。」という病気です。わかりやすい説明ですね〜。

それではここで問題です! 教室で誰かが窓を開けました。その理由は次のうちどれでしょう? ①暑かったから。②風に当たりたかったから。③自分の匂いが教室に充満していてそれが臭くて換気したかったから。

簡単すぎましたか? 他人の行動の全ては自分の匂いに起因するわけですから、答えは③となります。

第2問! 飲み屋で友達と話をしていたら、その友達が鼻の下をこすりました。なぜでしょう? ①痒かったから。②癖だから。③自分の匂いが相手まで届いていてその臭さを少しでも緩和したかったから。

難易度が低すぎてスミマセン。答えは③です。①も②も選択肢としては考えられますが、あまりにも可能性が低すぎます。

……。

とまあ、こんな風に思考がバグってる状態がKJKです。「全ての道は匂いに通ず」みたいな感じです。一般的な感覚からはかけ離れています。あ、ちなみにKJKとは「K:強迫性J:自己臭K:恐怖症」のことです。

匂いの囚人

これにより生じる日常生活での弊害は、数え始めればキリがありません。試しに羅列してみましょう。

・他人の仕草が過度に気になる
・同じ空間に他人がいると、集中できない
・他人との距離が近いと、緊張して汗が噴き出す
・1時間に1回、デオドラントを使い直さずにはいられない
・長時間拘束されるストレスから、授業や試験などに集中できない
・汗をかいて臭ってしまうのではないか、という予期不安からの精神性発汗
・その予期不安が起きてしまうのではないか、という予期不安(以下ループ)
・友人との食事や飲み会が怖い
・食事で代謝が上がるのを恐れ、外食ができない
・インナーは綿100%の製品でないと匂うと思い込んでいるため、服装が偏る
・シャワーを浴びてからでないと外出できない
・バス・電車などの公共交通機関に乗れない
・外出それ自体が怖い
・………………
・…………
・……
・自殺をしてしまう

本当にキリがなかったので、途中でやめました。下に行くほど重度です。ボクの実体験が元なので、サンプル数は1ですが。

「これ本気で言ってるの?」って感じですよね。わかります。ボクも皆さんと大差ない感覚を持っていました。だから、自分がどれくらい狂ってしまったのか、ハッキリと自覚できます。

でも、どうすることもできないのです。さすがは病気、手強いです。ボクの思考は匂いに囚われ、ロックされます。匂いが気になって仕方がなくて、上記のパターンが日常になり、終いには夢の中でまで匂いを気にする始末です。

もう笑うしかないですが、笑う気力もありませんでした。

不公平・理不尽・運命に絶望

そんな生活が続くと、やがてこうした思考が生まれます。「なんで自分はこうなってしまったんだろう」「なぜ自分だけが、こんなにも不幸なんだろう」。

ボクの友達にほとんど風呂に入らない人がいましたが、彼は臭くありませんでした。対してボクは朝シャワーを浴びて毎時間デオドラントをして午前と午後でインナーシャツを着替えて服の生地にまで気を使っているのに、臭かったです。不公平ですよね。

高校時代、ボクよりもずっと成績の悪かった同級生が、ボクよりも偏差値の高い大学に行きました。ボクだって塾の勉強や学校の授業にもっと集中することができたら、彼と同じか、それ以上の大学に行けたはずなのに。なんでボクにだけこんな理不尽が訪れるのでしょう?

「匂いさえなければ」。朝シャワーを浴びなくてもいいし、デオドラントに余計なお金をかけなくてもいいし、洗濯物も減るし、生地にこだわらずにお洒落ができるし、友達との食事や飲み会も楽しめて、もっといい大学にも行けた。もっといい人生が待っていた。そのはずなのに……!

そんな怒りと悲しみの思考が、何度も何度も繰り返され、ボクの心はどんどん沈んでいって、そしてこんな破滅的思考に行き着きました。

死にたかったのに、生きたいと思った

ボクが自殺未遂をしたのは、3年前のことになります。迷いも未練もありませんでした。このまま生きていても苦しいだけ。ならば、一瞬の苦しみで全てを終わらせたい。死ぬのには十分な理由です。

でも、死ねませんでした。首を吊って本当の死に直面した時、こう思ったからです。「まだ生きていたい」。自分でもワケのわからない感情でした。だって、ボクは死にたかったから。でも、ボクは本能的に、首を絞めつけるベルトを全力で外しました。これが本当の死に物狂いだな、なんて考える余裕はありませんでしたが、外れた時の猛烈な安心感は今でも鮮明に覚えています。

後には、一つの疑問が残りました。「死にたかったのに、生きたいって、なんだ?」

「死は怖いけど、生きているより怖くはないです」

彼女を知ったのは、その後のことです。さきほどの疑問を解消すべく、自分の悩みについてインターネットで調べていたら辿り着いた、一つの記事に彼女はいました。

自殺した女子高生は、当時16歳の高校二年生。体臭が原因でイジメを受けていたようです。学校側のイジメ隠蔽問題が取り沙汰されていた社会の流れを受けて、自殺した女子高生の両親が彼女の遺書を公開していました。

「これで満足? もう、ワキガ臭くも、オナラ臭くもないもんね。皆が言った暴言、痛かった。いつも泣きたかった」「今回のイジメでやっと理解した。うぅん理解させられた。私はみんなに不快な思いしか与えられないんだってこと」

読みながら涙が流れていることに気付かなかったくらい、衝撃を受けました。彼女はボクでした。違うバージョンのボクでした。自分は運よくイジメられなかっただけで、何かが違っていたら、ボクは彼女になっていました。また、彼女はこんな一文を遺しています。

「死は怖いけど、生きているより怖くはないです」

わかる、心の底からわかるから、思わず「わかる」と呟いてしまいました。彼女の苦しみ、怒り、悲しみ、絶望、その全てを知ることは出来ないけれど、それでもボクには殆どわかる。どんな風に悩んで、どんな風にもがいて、どんな気持ちで死ぬことを選んだのか。ボクも同じだから、わかる。

その時思いました。

ボクは、探さなければいけないのではないだろうか。同じボクが、わかるボクが、探すべきではないだろうか。彼女が楽しめる生き方・救われる方法を見つけて、伝えるべきだ。この世界の何処かで今も苦しんでいる彼女たちが、自ら命を絶ってしまう前に、ボクが少しでも楽になれる道を見つけて、伝えたい。

森田療法との出会い

ボクは、色々な治療を試すことにしました。友人へのカミングアウト(暴露療法)、精神科への通院(投薬療法)、カウンセリングの受診(心理療法)。

そして最終的に見つけたのが、森田療法です。カウンセリングの効果は絶大でした。朝にシャワーを浴びなくても平気になったし、着替えもいらないし、デオドラントも1日に一度使うだけになりました。今は外に働きに出て、社会復帰を目指せるところまできました。

過度な期待をさせたくないので、一応言っておきますが、たまたま森田療法がボクに合っていただけという可能性もあります。ボクは医学的な知識は全くない素人なので、保証はできません。

でも、紹介しなくてはならないと思いました。この療法で彼女を救えたかもしれないからです。けれど、彼女は自分一人で苦しみぬいて、自ら命を絶ってしまった。

知らないから死んでしまう、をなくしたい

ボクは憤りを感じます。誰かの命を救えるような治療法が、世界にはたくさんあります。一人ひとりにピッタリの治療法が、この世界には必ずあるんです。それなのに、知らないというだけで死んでしまう人がいます

探してください。あなたやあなたの周りで苦しんでいる方にピッタリの治療法は、必ずあります。そして、気になったものがあったら全て試してください。お願いします。ボクも最初は「森田療法なんて」と思いました。投薬療法で痛い目にあって、精神科に対する不信感があったからです。でも、試しました。試してみないと自分に合っているかどうかがわからないんです。

最近ではアドラー心理学が有名になりました。そのおかげで楽になった人がたくさんいるはずです。知らなければ自殺をしていたかもしれない人が、助かったりしているんです。

ただ知っているかどうかで、生きるか死ぬかが決まります。知らないから死んでしまったなんて、無念すぎます。

おわり

だから、ボクはできるだけ、色々な考えをこのブログに書いていきます。良さそうな治療法があったら、全て紹介します。ボクに出来ることなんてたかが知れていますが、出来ることは全てやります。

ボクがたくさんの人を救えるとは思いません。もしかしたら、誰のためにもならないかもしれません。けれども、とても低い可能性だとは思うけども、一人くらいは救われてくれるかもしれません。

その一人を救うことが出来れば、ボクは本当に嬉しいです。

それでは、Akiでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?