見出し画像

KPOPの10年間を振り返るVol.2 〜表現者としてのアイドルたち

YouTubeのダンス動画を中心にK-POPを振り返る企画Vol.2。前回は、ちょいダサのイメージを払拭して時代の最先端へ駆け上がっていったグループ(個人の感想です)を紹介しました。

韓国のアイドルグループが売れるための条件として、音楽、ダンス、ビジュアル、衣装(コンセプト)が挙げられます。グループが長く活躍するためには、その全てが完璧に揃っている必要があります。
今回は、そこに加えてアイドル自身の表現力に焦点を当てて振り返ってみました。

|Red Velvet -Happiness(2014)

レーベル:SM Entertainment
作曲:Will Simms,Chad Hugo,Anne Judith Wik,Chris Holsten
振付:竹内亜矢子、Shim Jaewon

これ、初めてMVを見た時はK-POPでこんなにおしゃれなグループがいるんだと衝撃を受けました。サビの振付がすごく健康的(?)で、真似したくなる可愛さです。
作曲はソングキャンプを通じて行われたのですが、参加していたAnne Judith Wikへのインタビュー記事がこちら

―“ソング・キャンプ”の強みは?
アンネ:それぞれの趣向と背景が異なる作曲家が一緒に作業することだ。同じスタジオで作業していると、魔法のように斬新な曲が生まれる。まったく異なるアイデアを持つ人たちが集まり、まったく考えたことがない方向で作業が行われることもある。とても創造的な作業だ。韓国の作曲家たちともソング・キャンプで一緒に作業した。

北欧のミュージシャンたちが参加していることに驚きました。音楽も、プロデューサーによって要望がアーティストに伝えられてから制作が始まるようです。
曲ごとに大きくイメージを変えるRed Velvetの戦略は、曲の世界観を巧みに表現できるメンバーの力があってこそ。MVの演技もデビュー作品とは思えないくらい独特の世界に馴染んでいます。

そういえば、メンバーのジョイが西野カナに似ていることを誰かに伝えたいと思っていたら、先に西野カナが引退してました。

|AOA -Like a Cat(2014)

レーベル:FNC Entertainment
作曲:Brave Brothers, Chakun, JS
振付:?

AOAは日本のテレビでも何度か見たことがある気がします。統率された動きと、セクシーな振付が可愛くてよく見てました。振付師を調べたのですが名前が出てこず•••

他の曲ですが、振付が扇情的すぎると批判を受けて変更されるなど、振付のインパクトを重視する制作者側の姿勢が問題視されました。
そこに本人の意思がどれほど反映されているのか想像させないほどに、メンバーたちは与えられたものを完璧に表現していました。

曲は明るくてキャッチーですが、良くも悪くも似たような感じで、割とすぐに聞き飽きてしまいました。

|EXID -UP & DOWN(2014)

レーベル:BANANA Culture Entertainment
作曲:Shin Sadong Tiger, Beom & Nang & LE
振付:ぺ・ユンジュン

こちらの曲は、最初は人気が出なかったもののハニのファンカムが話題になってチャートから復活したという下克上的な展開が話題になりました。私もハニが可愛くて好きでしたが、他の曲のMVなんて女性を侮辱しているようで酷すぎて見てられません。明らかにプロデュースする側に問題があります。
振付はペ・ユンジュンで、振付に関するインタビュー記事がこちら

―プロのダンサーとして芸術的なダンスを踊りたいとは思わないのか?
ペ・ユンジョン団長:それでスランプが来た。とてもかっこいい曲なのに、セクシーな振り付けを要請する場合がある。私たちの考え通りに作ればかっこいい絵が出てくるのに、無条件にセクシーな振り付けを要求されたら振り付けが変な方向に行く。代表が望む通りに作るのが仕事的には合っているのかもしれないが、戸惑うことが多い。そんなことが大変だ。

ぺ・ユンジュン自身も、この振付で批判を受けたようです。ただ、ハニがそれを自分のものにして堂々と踊ってみせたからこそ、ファンが撮影したステージが人気になったんだと思います。
アイドルの能力に制作陣が救われた例でしょう。もう最近ではこういうことは無くなったと思いたいです。
またこの頃にはYouTubeをスマホで見るようになっていて、ここから画面が縦向きのファンカムリレーダンスなどをよく見るようになりました。

|PSY ft.CL -DADDY(2015)
May J Lee choreography ver.

レーベル:YG Entertainment
作曲:Park Jae-sang(PSY),Teddy,Dominique Regiacorte,Jean-Luc Jacques Michel Drion,William Adams

これはかの有名なPSYの曲ですが、特に興味がなく見ていませんでした。曲をちゃんと知ったのは、このMay J Lee師匠のかっこいい振付動画から。
念のため本家の方も見てみたのですが、下品というかなんというか。振付がかっこいいと、曲を聴いたときに頭の中でイメージが再生されるので、また何度も聴きたくなることがあります。
振付次第で曲を好きになることもあるということですね。

|MOMOLAND -Bboom Bboom(2018)

レーベル:Kakao Entertainment
作曲:Shin Sadong Tiger,Bumi
振付:?

キャッチーな曲と振付が可愛いMOMOLAND。特にナンシーはステージでカリスマ的な存在感があります。
ナンシーとは対照的に、親しみやすいジュイの明るいキャラクターがバラエティ番組で人気が出て、グループの飛躍につながったようです。
今ほとんどの日本のアイドルが取っている手法と同じですよね。
元気で明るい曲が多いグループを体現したようなジュイの個性が生かされています。

今回は、表現者としてのアイドルに焦点を当てて紹介しました。カリスマ性があって能力が優れていても、作品に恵まれなければ人々の記憶から消えていきます。
本来は売れないような微妙な音楽であっても、ヒットチャートに食い込ませる実力を持ったアイドルたち。
話題性だけにとらわれず優れた作品を作り続けることが、グループの生命線だという当たり前のことを忘れないようにしたいものです。

次回は、同時期に登場して不動の人気を手にしたグループを一気にご紹介。


この記事が参加している募集

私の勝負曲

振り返りnote

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?