NHK「オミクロン株に専門家が感染 初期症状から重症化 どう感じた?」記事への批判と要望を書いてみた

↓の記事を読み、あまりの内容に憤りを抑えられなかったので、NHKにメールしてみました。

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「オミクロン株に専門家が感染 初期症状から重症化 どう感じた?」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220314/k10013530561000.html

こちらの記事を拝見しました。
舘田教授へのインタビューそのものは良かったのですが、結論があまりにも不十分かつ不適切です。
以下、検証します。

まず大前提として、東邦大学の舘田一博教授は「新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバー」です。
つまり、日本のコロナ対策の方針を決める立場にあるということです。
さらに「日本感染症学会理事長」でもあります。

「新型コロナ重症者を救命する医療体制を死守せよ 日本感染症学会理事長の舘田一博氏に聞く」
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/t344/202004/565031.html

2020年のこの記事において、舘田教授はこう述べています。
「PCR検査については、原則「入院治療の必要な肺炎患者で、ウイルス性肺炎を強く疑う症例」に対して行うべきとしており、軽症例への検査は推奨していません。「心配だから検査してほしい」と言われて軽症例を全て検査していては、それこそ医療崩壊につながりかねません。」

その結果、今回彼はどうなりましたか?
「2/4当初はのどがむずむずするくらいで高熱もなく、抗原検査を2日連続で受けてもいずれも陰性」
「2/9ごろから強く乾いたせきが続き、38度以上の発熱も」
「2/10、強く乾いたせきが止まらなくなる。血液中の酸素の値が83%、病院でPCR検査を受けたところ、新型コロナへの感染が判明」
「今、冷静に考えると、なぜもっと早め早めに、PCR検査をやらなかったのかと思う」

つまり、
「初期にPCR検査ではなく抗原検査を受けて陰性、治療も投薬もしなかったために重症化した」
裏を返せば、
「初期にPCR検査を受けていれば、早期発見し治療や投薬で重症化せずに済み、医療資源を費やさずに済んだかもしれない」
「一般人なら抗原検査で陰性だったために油断し、他人に移してしまう可能性もある」

ということです。

なぜこれだけの経験をしながら、最後の「感染対策を呼びかける立場からの感想」が、
「重症化を予防するワクチンと感染対策をとることの重要性」
と、
「コロナはいったん回復したら終わりの病気ではない」
だけなんですか?
そしてインタビューした記者もそれをただそのまま真に受けて、
「油断することなく、対策を続けることが改めて重要」
と、個人に責任を押し付けて終わるんですか?

舘田氏はただの一般人ではなく、責任ある専門家です。
「軽症例に検査しないという方針は間違っていたということですよね?」
「少しでも風邪症状があれば、無料ですみやかにPCR検査を受けられる体制の構築が必要ということですよね?」
と詰めるのが正しい記者の在り方だと思います。
他人事みたいな感想を垂れ流して終わりにしないでください。

このままでは日本のコロナ禍は終わりません。
すみやかに感染者を見つけられなければ感染は止められず、死者も、重症者も、後遺症患者も増えていきます。
おそらくその過程で医療も限界を迎え、コロナ患者だけではなくその他の病人の命も失われるでしょう。
日本が内側から崩壊していくのを放置するんですか?
日本は島国です。まず空港検疫をPCR検査に戻すこと、市中の無料PCR検査を増やすこと、米軍が入国する際のPCR検査を義務付けること、民間が率先して抗原検査ではなくPCR検査を増やすような施策を政府がとること。NHKが率先して動いてください。

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