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All is well(なんでもあり/すべてよし)

先日、20歳歳下の女の子の人生相談にのることがあった。
仕事の後輩で、いわゆるADさん。ロケ終わりで一息ついたときにふと、彼女は話し始めた。
(世代間の垣根がないのは、テレビ業界のいいところの一つだ)


結婚したい
子どももほしい
でも制作の仕事は続けたい

どうしたらできますか?


私は彼女の願うライフスタイルを「叶えている」存在なのだそうだ。

(こういう女性がテレビ業界にもようやく?増えてきた)


6年前、息子が0歳11ヶ月のときに職場復帰をした。このとき担当していた番組で、ディレクターとして現場に出る人は、私が唯一人だった。

多くはデスクとして現場にでないポジションを選択したり、業界を辞めてしまったりしていた。


私の場合、幸運にも理解ある夫と上司、職場に恵まれ、いい条件で働ける環境があった。

それでも生放送の情報番組なので、OAに向けてはイレギュラーなことがたびたび起こり、また締切がある以上、間に合わせるためには、自分でコントロールできる部分として睡眠を削ってやるしかなかった。幼い息子が寝た夜中に、せこせこ編集作業に勤しんだことは数しれずだ。


育休から復帰してから、息子がかわいい盛りの3歳まで、すごく気負いながら必死に働いていたなと、今になって思う。


寝不足や余裕のなさから、幼い息子に当たってしまった。夫にイライラして、離婚の危機が訪れたことも何度かあった。自分の不甲斐なさに幾度も涙した。


そんなこんながありながら、少しずつ大切にしたいものが何かに気づき、「無理しない」ことを覚え、いまようやく、本当にようやく、公私とも穏やかに過ごせている。


その「今の私」を見ているからだろう。ADちゃんには私がすごく余裕があるように見えていたらしく、自分のこれまでを少しだけ話したら、「〇〇さん(=私)にもそういうことがあったんですねぇ…」としみじみ言われた。


どこまで参考になるかは分からない。けれど、もしかしたらADちゃんの背中を少し押すことができるかもしれない。そう今回のことで思えて、自分のこれまでの人生が愛おしくなった。


とても好きな言葉がある。

「All is well」(なんでもあり/すべてよし)


辛かったことも、悩んだことも、涙したことも、すべての経験が今につながっている。糧になっている。今、こうして穏やかに後輩に伝えられる。


起こることすべてに意味があると思えるから、なんかもう何でもどんとこい!という心境だ。


All is well!

すべてよし!

どんなときも楽しんだもの勝ちだ。

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