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メインビジュアルができるまで

今年のテーマ『ここにいる、ここがある』からこのビジュアルになるまでの試行錯誤をメインビジュアル担当の3人にお聞きしました!

━━━テーマ決めで苦労されたことを教えてください。

高橋「テーマ決めは一筋縄ではいきませんでした。会議では秋田という場所性に注目し たり、8期性の8からとった惑星などのキャッチーなフレーズが飛び交いました。 近づけば近づくほど、見ているものがわからなくなっていきました。」

牧田「コロナなどで会えない時間があったから、心理的な距離を感じていました。ここにいるようでいて、個人の距離が現れる接し方で。だけどそれで居心地が悪いわけじゃない。ここにいていい。それくらいの感じ。
それぞれが個々の色に従って生きていて、ここには誰一人として同じ人はいない。いろんな人たちがリスペクトし合いながら過ごしてる。そんなところに友達より仲間のような、俯瞰的で言語化できない温かみがありました。」

高橋「こういった背景から「全員で集まるのは、この卒展が最初で最後なので はないか?」と、新たな発見がありました。私たち8期性が初めて一丸となる卒展、外に呼 びかけるテーマではなく私たちのための卒展にしたい。そう思い立ったのがこのテーマにつながるはじめの第一歩です。」

三塚「ここからはメインビジュアルのラフコンペを経て、牧田さんが唐突に発した 『ここにいる、ここがある』が満場一致で決定しました。」

牧田「このテーマをもとに三塚さんと完成させたデザインは、『ここにいる、ここがある。』がこれ以上なく現れてるビジュアルです。ポスターを見た時の人々の感じ方の違いすらテーマを表していて、解釈の広さをビジュアルに落とし込んでいるところがすごい!」

━━━お話を聞いてみて、皆さん全員が牧田さんの語る『ここにいる、ここがある。』に共通の感覚を共有しているのを感じました。

高橋「言語化できない曖昧な感じですが、牧田さんと三塚さんの持つ言語化できない思いが一致しているからこそできたメインビジュアルになっています!」

三塚「牧田さんとの間で一致していたのは“漂っている”感じでした。 そしてだんだん近づき、流動的にゆっくりまとまる距離感の変動。そのあったかさ。それがモチーフとして最初のラフで挙がりました。」

牧田「二回目のラフでは一点に視点を集めるアプローチに変更しました。一部分を見て欲し いという意味で『ここ』というテーマが決まったとしても、ビジュアルに落とし込むにはまだまだ無限の選択肢がありました。」

━━━三塚さんと牧田さんの想像力にも脱帽です!

牧田「でも、しっくりくるデザインにはまだ達していないと感じました。」

三塚「『ここにいる、ここがある』というテーマが決まってからは、『ここ』を主張し たい!という思いがありました。そこで、先に挙げた共通の感覚を『ここ』からモチーフを作って表現できないかアプローチを試みました。」

高橋「複雑に、巧みにテーマを表現した三塚さんの『ここ』には、本当にたくさんの想い が込められています。例えば 5 つの専攻が集まってここを作っているという意味だったり、みんなが持つ個々の集まりだったり、三塚さんの込めた想いだけではなく、見る人に解釈を委ねる個々を尊重したデザインにも拘ったのがこだわりのポイントです!

━━━牧田さんと三塚さんのデザインで決定的に違う部分はなんでしょうか?

牧田「色使いが最終的に決定的に違う部分になりました。僕は卒業のおめでたさなどから紅白や一色の色使いのデザインを最終的に出しました。と言っても二人のデザインがどちらも良くて決められなく、意図的に差を作った感じです。笑」

三塚「私はカラフルな配色にしていて、はじめはグラデーションやたくさんの色を使った配色を試していました。でも先生からいただいたアドバイスでは卒業のイメージを取り込むことが重要で、私のデザインは一度、卒展には可愛すぎると言われました。その後デザインと色を試行錯誤し、目立つ色選びにしたところ今の配色となりました。」

高橋「先生から指摘を受けても、どこまでもテーマと思いにこだわり続けた三塚さんはそれでも秋田の『ここ』が伝わることや、暖かさを大事にすることに努めていました!」


秋美のことを最後まで考え抜いてくれた2人のデザイン。この記事を読ん だ後はグッと心の距離感が近づいて見えるのではないでしょうか?
それもあなたの感じ方次第!

メインビジュアル担当のお三方、ありがとうございました!

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