高橋空乃さん作品コンセプト

🕊出展作品🕊

『揺蕩う旅人たちの詩』/高橋空乃
水槽、インクジェットプリント、水、布

生きやすくなるには、自分を、他者を、心に蟠るものを許すことが肝心なのだと誰かが言った。許す感覚は言い換えると、手放すこととも、諦めることだとも言える気がした。 生きるために、進むために、わたしは自身の体を少しずつ削り取り、この身を軽くしなくてはならない。そうしなければ沈んでしまうから。 ふと、遠くの海から運ばれて角を丸くしたシーグラスを思い出す。 もし、これからの時間がわたしを研磨して形を整えていく過程なのだとしたら。沈んだら、緩やかに海に身を任せると自然に浮くことができるからきっと大丈夫。 これからを生きるわたしたちへの祈りを込め、人生を歩むわたしたちを旅人になぞらえた、海を揺蕩う旅人たちの詩を書きました。

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