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コメント欄で

yasuさまから、こんな言葉をいただいたので。

>引いて勢いの方向を変えさせ~
そのための稽古法(だけではないけど)に「カキエ」というのがあります。


私が知ってるのは、だけど…(ここ大事w)

お互い対面で手の甲側を触れあい、

◦ 押された時は手首の外側に引っ掛けて「引き込む」。
掛け手でもあって、防御崩したり攻撃を受け流したりと多用する動き。
引っ張るのではなくて、力の方向を逸らしていく。
腕の力よりは、脇を締めて体軸や体重を使っていく。

◦ 引かれた場合は手首の内側で触れておいて、引かれる方向をコントロールする。
抵抗して引っ張り合うのではなく、相手の引く力を利用して自分の届かせたい急所に導いてもらう。
離れない状態というのは、相手も手を塞がれている状態。
確実に当たる所まで持っていってもらえば、後は一振りで自分のターンです。

◦ 稽古の時は油圧シリンダーのように負荷をかけ合って、延々と粘るように押し引きをやっていきます。
やってるうちに段々体軸や姿勢が崩れてくるので、そこを攻めて崩し合うのもありです。


慣れてきたら、移動しつつカキエをやっていきます。

動かないようにしてた時は三戦立ちなどで体を締めて固定でいいのですが、
動く時は猫足立ちがやりやすいです。
何のための立ち方かが分かるので、その為でもあります。

前足側の手で手刀受けの姿勢で相手に触れて。
相手の背中側に前足を進めます。
この時、体重は移動しません。
上体はあくまでそのままで、挙動を悟られないようにします。

次は移動ですが、手刀で触れた手首の所を円の中心とします
そこを中心に、90度旋回し相手の背中側に入り込みます。

お互いにやるとクルクル巴に回ります。
手を替えて反対に回りもします。


最後はこれに押し引きを加えて、自由に場所の奪い合いです。
こうなってくると、組手でも案外自在に動けるようになるのではないかと。

私ら年寄りにはとても便利で省エネな闘い方ですが…
伝統派の試合だと、そもそもの間合いが広過ぎて不利なんで使われませんね。
那覇手の方でさえステップ使って跳び込んでますし。
それが悪いわけではなく、本来の流派の術理と乖離してるんでないの?という疑問ですが。

キックでもフルコンでもボクシングでも、こういう闘い方をする人は居ます。
キックだと弧を描く攻撃が多いので、円の内側に潜り込むのが多いです。
フルコンは流水とか言うのかな。
ボクシングだと下から蹴り上げられる心配が無いので、思い切ってダッキングしてくるなど立体的なテクニックまで入ってきますし。

触った所から移動してポジショニング、というのは組技の人がとてもうまいです。
体全体でやってるというべきか。
私ら打撃の人は、その闘い方に付き合わない事ですねえ…
やるならレフェリーもいないだろうから、そういう時に使うのが貫手だったりするけど。
組技の人らの方が一枚も二枚も上手なので、不利なのには変わりません。


閑話休題。
最初は聞きなれない言葉だったので、「カキエって何?もしかして掛け手が訛ったの??」と尋ねた事があります。
「ちがうよー、かきーだよー」と返されたのでますます解らん…w
漢字で「化勁」と書かれて魂消た記憶が。

どこで何がどう繋がってるのか、複雑なんだなーと思いましたね。

ちなみに化勁ってのは、太極拳など中国武術に代表される概念で、文字通り力を変化させる動き方、というくらいの意味ですかね。
高等な術理を公開されてもいますが、あれも後付けなんだろうなーとも。
本来は理屈で説明されたものでなく、もっと実践的な妙味…ってやつなんだろうなと。


そんなこんなで、気になった事を書いてみました。
yasuさま、参考になれば幸いです。