引っ越しもいよいよ近付いてきて、ダンボールに詰め込みはじめた。夫の方が進捗がよくて、焦る。(私のが時間あるはずなのだが…)

クローゼットの中には、「ああ、こんなところにあったのか！」というものがある。ずっと探していた帽子たちが、長期旅行用のバックパックの中に詰め込まれていてすっかり気が付かないままになっていた。そりゃみつからないなぁ…。私と夫と一緒にインドに行ったりヨーロッパ一周に行ったりしたバックパック。(社会人になってからはあまり活躍してないけれど)中から異国のお金が出てくる。

思えば長い付き合いで、もうまもなく付き合ってから8年になる。いろんなところに2人で行ったなあなんて懐かしく思い返す。

そもそも付き合って2年目、はじめて2人で行った海外旅行が「インド」というチョイスなあたりが、我々らしい。2週間強、わりとひどい環境でも、(みんな嘘つきだし、猿に囲まれるし、トイレは汚い、タクシーの運転手と喧嘩するし、道端でいろんなものを踏む、ネズミが駆け抜ける駅で50円のカレーを食べ、チャイ用の砂糖のツボに蟻の巣を発見したりもする)その状況を楽しめる相手でいいなあと思ったのを覚えてる。

ラクダに乗せられ連れていかれた砂漠のど真ん中で、ポツンとテントの中で眠った日の夜空の星がすごく綺麗だった。

嘘つきインド人たちを逆に騙すべく、クルタパジャマ(インドの民族衣装のパジャマ)を顔の濃い夫が来て街を歩き、ヒンドゥー語で話しかけられてガッツポーズしたりとか。

この人となら、たぶんどこでも楽しいんだろうなあと思った。それは当たっていた。

たぶんどこでも、どんな状況でも、楽しめるだろう。割と無計画でも何とかなってきた、これからもきっと何とかなるだろう。なんてインドのことを思い出して楽観的になる。

楽観的になってダンボールに詰める作業はまだ始まったばかりなのに想い出に浸ってしまう。ゆるく頑張ろう。

お腹の中でしゃっくりする娘。
そろそろおやすみなさい。

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