トルリシティ導入のタイミング

トルリシティ導入のタイミングの考察

GLP-1作動薬って実際はどんなタイミングで処方を検討するのかな?ってよく分からなかったのですが、トルリシティの製品パンフレットに気になる内容が掲載されていたので、簡単にまとめと考察をしてみました。

パンフレットの内容は概ね以下のとおりです。

糖尿病診療の第一線で活躍する3名の医師に
「罹患期間は比較的短いが、HbA1c8%台が続いている患者」
「しばらくHbA1cが安定していたのに悪化の兆しがみられる患者」
「罹患期間が長く、インスリン導入も検討され始めている患者」
という3つの仮想症例についてトルリシティの導入のタイミングについて討論

罹患期間は比較的短いが、HbA1c8%台が続いている患者

この症例ではすでに2剤の経口血糖降下薬を服用していましたのでコントロール不良の場合は3剤目を追加しつつトルリシティを提案します。3ヶ月くらい経過をみてHbA1cの改善がみられなければ、トルリシティを導入するのが望ましいということでした。

しばらくHbA1cが安定していたのに悪化の兆しがみられる患者

3名の医師の意見が少し分かれた症例でした。まとめると、生活習慣を変えにくく高いHbA1cがだらだら続いてしまいそうな症例では、メトホルミンを2000mg/日まで増量します。HbA1cを7%にする意義を改めて説明し、HbA1C7-7.5%が1-3ヶ月続いたらトルリシティを導入するという順序です。

罹患期間が長く、インスリン導入も検討され始めている患者

この症例の場合は直ちに導入を検討するという意見が一致しました。インスリンの使用は抵抗感が強い患者さんに、低血糖のリスクが低く、週1回で済むというトルリシティの最大の利点をもって推奨するということです。

考察

今回の記事をみて3ヶ月間HbA1Cが改善しない患者さんには以下の3点の行動をおこそうと思いました。

1.HbA1Cの目標数値を把握する
2.コンプライアンスや生活習慣を認識を確認する
3.配合剤を活用して剤数を減らしたり、メトホルミン増量やGLP-1作動薬の処方提案を行う。



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