幼児教育無償化ツイート

「そ、そこですか!?」の幼児教育無償化、いよいよ本決まり…

この件については、保育園を考える親の会は意見書を出したり、自治体アンケートをとったりしてきて、私も記事をいろいろ書きましたが、いよいよ今日にも、衆院内閣委員会で決定されるとかで、昨日、最後のツイートをしました。

せっかくなので、このツイートについて解説しておきます。

患者「お腹が痛くて…昨日から何も食べてません」
医師「それはいけませんね。では千円あげますから、何か買って食べてください」
患者「そ、そこ?」
そこへ看護師「お給料安くてやってられないからやめます!」
医師「困ったな。もうお金ないし」
患者「なんでやねん…」

【登場人物】
患者:保育園に入れない人々。
医師:政府。(Twitterでは、2番目が「先生」になってしまった)
看護師:保育士の皆さん。

【意味】
保育園に入れない人々「保育園に入れません。仕事をやめたら生活していけません」
政府「それはいけませんね。幼児教育無償化しますから、生活ラクになりますよ」
保育園に入れない人々「そ、そこ?」
そこへ保育士の皆さん「お給料よくならないし、人手が足りなくてたいへんだし、もう保育士やめます!」
政府「困ったな。もう財源ないし」
保育園に入れない人々「なんでやねん…」

幼児教育無償化よりも優先してほしいこと

幼児教育無償化は、質の高い幼児教育・保育をすべての子どもに行き渡らせるために行われるものです。保育が足りないのに、その対策よりも無償化が優先されるのは、誰がみても矛盾しています。
上のツイートで言えば、「患者は治療を受けたいのにお金を渡されてしまう」という奇妙な話です。

しかも、いよいよ保育士不足の悪影響が顕在化しているのに、処遇改善や負担軽減(人員増)は十分ではありません。
保育士が採用できず保育園新設が進められなかったり、保育士の退職を理由に閉園する園も現れています。退職者を補充する採用ができないのです。

今年に入ってから、認可保育園で虐待まがいの不適切保育が2件も明らかになりました。自治体の指導を受けていたのに改善できていなかったのです。保育士が不足しているために、園が強く指導できなかったり、不適格者に退職を促すこともままならなくなっているのではないかと心配します。どこの業界でもそうですが、よい人材を集めるためには、よい待遇が必要です。保育士不足は、保育の質にも悪影響が及ぼしています。
保育の質が低下すれば、子どもの育ちにネガティブな影響を与えてしまいます。

お隣の韓国では、2013年から全年齢の無償化が実施されています。
待機児童はいないそうです。素晴らしいです。
その韓国でも、実は財源の不足と保育の質に悩みをかかえています。
国と地方自治体が無償化の費用負担でもめる「保育大乱」が起こり、当面は国がもつことで決着したものの、再燃は必至といいます。
また、公立保育所で虐待保育が問題になり、保育士の処遇改善が必要だと言われているのですが、財源不足がネックになっています。
無償化の見直しを求める声も上がっているそうです。

国と自治体でもめる、虐待まがいの保育が問題になる、まるで同じことが数年遅れで起こっているように見えます。日本、大丈夫でしょうか。




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