秋房

食べることで紡ぎだす、出会いと別れの物語。

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最近の記事

極私的、文化の日

今週火曜日にときわ台の「本屋イトマイ」で購入した木下龍也・鈴木晴香の相聞歌『荻窪メリーゴーランド』があまりにもすばらしく、金曜日の本日、珍しく1800に終業になった勢いを駆って荻窪「本屋Title」で特装版を買う。 もうね、この表紙の写真だけでね、荻窪関係者は涙しますよね。この写真のね、左手のすずらん通りにはね、町中華の最高峰「中華徳大」があるんですよ!写真右手にあったバッティングセンターは、惜しまれながらも今春閉業しました! 『荻窪メリーゴーランド』、「イトマイ」でペラ

    • 劇場と文脈 台形@国立

      国立・富士見通り「台形」ついに訪問。営業日が非常に少なく、1日に入れる客も数人×2回転。季節の初めに3ヶ月分の予約をメールで受け付ける。予約は第5希望日まで書けるが、私は初めて予約しようとした「秋の台形」には第5希望日まで書いて落選。今回「冬の台形」の第3希望日で予約を取ることがかなった。 コース制でワインも予めペアリングしてくれる。日本酒もそうだが、私は店に選んでもらう方が断然良い。 メニューには食材のみが書いてあり、何が出るかはお楽しみという趣向である。 まず大根の

      • 古代の名族・阿波忌部氏の足跡を訪ねる 山崎忌部神社@徳島・山瀬

        新宿ニコンサロンに写真展「やっぱ月帰るわ、私。」を訪れてから9年。インベカヲリ★さんの写真をついにようやく購入しました。 21世紀日本の「うき世」を活写した、インベさんの作品の中では最も写真らしい写真の1つなのではなかろうか。菱川師宣にも見せてあげたい。 このことを記念し、今年6月に徳島・山瀬に山崎忌部神社を訪ねた際のことをあらためて記事化します。6月の四国一周旅行のことは、まだ全然記事化していないので、これを機に重い腰をあげねば。 旅行で初めて徳島に来ている。中・長期

        • 過不足なしの極致 ながみ@平和台

          #駅そば 好きには、ぜひ東京メトロ平和台駅の「ながみ」を訪れてほしい。駅そば、と言っても、構内にはなく、1番出口から横断歩道を渡ったところにある、いわゆる「広義の」駅そばだ。平和台に用事はなかなかないとは思うが、わざわざ訪れる価値は……ある。わざわざ訪れる価値はある! 私が訪れるのは2回目。今回はアジ天うどんと小カレーを頼んだ。私は駅そばはうどん派である。 やはりここのカレーは良い。駅そばカレーとして過剰も不足も何一つない。これほどまでに過不足ないカレーを作れるというのは

        極私的、文化の日

          ごはんの盛りオレ仕様 さがみ@大久保

          新宿・百人町には2006年に4カ月間だけ住んでいた。 我がギョーカイの聖地「第一教科書」もあり、昨秋の引っ越し候補地にも当然入っていたが、良い物件がなくて見送った。 「日本料理 さがみ」は5年ぶりである。大久保駅北口から北にちょっと歩いた住宅街の中にある。 いかにも俺が行きそうな店でしょ?私に対する傾向と対策は明確で、店なんてなさそうなところで店をやったらいい。そうしたら、たとえ全国どこであろうと、私が見つけ出していつか必ず訪れますよ。 5年前に訪れたときにはご主人は

          ごはんの盛りオレ仕様 さがみ@大久保

          往くぜ極楽、何度でも! 空也上人と六波羅蜜寺展@東京国立博物館

          偶像……崇拝!!!!! 東京国立博物館で空也上人と六波羅蜜寺展鑑賞。 私は比喩ではなくガチの空也上人信者である。どれほどのガチ信者かというと、六波羅蜜寺から「御篤信之証」というプラスチックカードを交付されるほどのガチぶりである(今回の展覧会の関連グッズではございません)。そのためか、『朝日新聞』の懸賞で無料招待券が当たるという僥倖に恵まれた。 故に、今回の展示は楽しみにしていた。が、一方で、空也上人立像は上洛する度に訪ねている。だから、正直に言えば、今回は挨拶程度のつも

          往くぜ極楽、何度でも! 空也上人と六波羅蜜寺展@東京国立博物館

          幻影のマトン タリカロ@西荻窪

          私が奈良に行くたびに訪れていた南インド系辛口料理の名店「タリカロ」、西荻窪に移転したのはもちろん知っていたが、今日が移転して1周年とは知りませんでしたね。私も昨年3月に職場が荻窪に移ったので、必ずや訪れねばと思っていた。が、臨休などと重なり、今日偶然ようやく移転後初訪問となった。 目当ては、超希少という「石田めん羊牧場」のマトンを使った「幻マトンのカリープレート」。奈良時代は住宅地の中の古民家で営業していたが、ここ西荻窪ではurbanな感じである。 ここのカリーはけっこう

          幻影のマトン タリカロ@西荻窪

          選ぶ/選ばれる 本屋イトマイ@ときわ台

          昨秋まで15年間に渡って住んでいた府中市では、在住末期に「マルジナリア書店」というたいへんすばらしい書店が近所にできたのだが、残念ながら開店から1年も経ずに私が引っ越すことになってしまった。新たな住所の近くで、住む前から私が目をつけていたのは、このときわ台の「本屋イトマイ」である。 実は昨年末に1度訪れているのだが、その時は姪甥に集英社版『学習まんが 日本の歴史』を送るための書類を出しただけだったので、自分のためにゆっくり訪れるのはこれが初めてである。1630頃という中途半

          選ぶ/選ばれる 本屋イトマイ@ときわ台

          旅心地琥珀色 コーヒー13@上板橋

          東武練馬と並ぶ我が家の最寄駅・上板橋。先日付近を歩いていて偶然見つけた「コーヒー13」は見るからに良店である。 現在は、営業日・時間ともに公式twitterで不定期に知らされる。 「コーヒー・グロッグ」をたのむ。ご主人は剃髪した外見はやや厳ついが、人当たりの丁寧な人である。席数は4席のみで、現在は2名までに入店を制限している。 コーヒーを淹れる音を心地よく聞きながら、目の前にある店の蔵書に手を伸ばす。戦後日本が生んだ最大の旅行者・兼高かおる大先生の『わたくしが旅から学ん

          旅心地琥珀色 コーヒー13@上板橋

          刺さずに撫でる 芝蘭@神楽坂

          いやあ、都心部のさ、こういう坂って良いよね。 この近く、新宿区払方町は引越し先の最終候補3つのうちの1つだったんだよなあ。場所は文句なしだったが、建物が散文的だった。私は現在の住居であるpoeticな建物を選んだ。都心でpoeticな建物だと、私には家賃が払えない。しかしあらためてこの界隈を歩いていると、ちょっともったいなかったかなとも思う。払方町の方が、実は家賃が4000円ほど安かった。 しかし神楽坂とは見事なところだ。起伏も隘路の入り組み具合も絶妙だな。そしてどの

          刺さずに撫でる 芝蘭@神楽坂

          路線バス周遊パスでゆく 綱渡り沖縄 目次

          2021年10月30日〜11月2日、沖縄本島を旅しました。前回訪沖から2年開いたのは、もともとそのつもりだったからです。私にとって初めての訪沖は2017年春。次が2019年夏でしたから、今度は2021年秋だなと前々から決めておりました。6月末に航空チケットを予約した際は、この禍中、本当に行けるのかどうかわからない状態でしたが、運良く行ける状態に。 PCR検査も陰性ということで、無事出発できました。 滞在4日中3日間は「沖縄路線バス周遊パス 3日乗車券」を使い、南は摩文仁・

          路線バス周遊パスでゆく 綱渡り沖縄 目次

          路線バス周遊パスでゆく 綱渡り沖縄 最終日 勝連城跡→辺野古

          ここまで、「綱渡り」というほどには切迫感のない旅が続いていましたが、最終日が一番大変でした。 まず朝起きて散歩。 宿の目の前のビーチは残念ながら工事中。それは予約時には知っていたことでしたが。 誰もいない朝のアメリカンビレッジもなかなか趣深いのですよ。 宿に戻って朝食。 この後、フルーツとデザートも美味しくいただきました。 バスのルートマップでこの日のルートを検討し、9時頃に宿を出る。 さらば北谷美浜アメリカンビレッジ!本当にすばらしい街だ。必ずまた! 目的地

          路線バス周遊パスでゆく 綱渡り沖縄 最終日 勝連城跡→辺野古

          路線バス周遊パスでゆく 綱渡り沖縄 3日目 奥武島→摩文仁→北谷美浜アメリカンビレッジ

          玉城の宿「海坐」を0900頃に出発。まずは泊まった部屋から見えた奥武島へ。 沖縄はこういうところがあちこちにあって、歩いていて全く飽きない。 「玉城食堂」。「海坐」からすぐ近く。 とかなんとか、いろいろ寄り道しながら、「海坐」から2km弱の道のりを徒歩で奥武島まで。 奥武島への入口には有名なもずくそばの店「くんなとぅ」。 江ノ島みたいな感じの島ですね。 天ぷらで有名なのだそうですが、私が島を訪れたのは10時台なので、まだお店は開いておらず。 奥武観音堂。

          路線バス周遊パスでゆく 綱渡り沖縄 3日目 奥武島→摩文仁→北谷美浜アメリカンビレッジ

          路線バス周遊パスでゆく 綱渡り沖縄 2日目 玉陵→斎場御嶽→玉城

          10月31日朝は予定よりやや寝坊。分刻みのスケジュールを組みがちな私としては、場合によっては致命傷になりかねない失態でしたが、今回はリカバーできる範囲。 朝食を急いでとって出発。 普通の街並みに味わいを感じてしまうのは、ここが沖縄だからですね。 国際通りにある「てんぷす那覇」内の那覇市観光案内所で「沖縄路線バス周遊パス」(3日間5,000円)を購入し、いよいよ綱渡り沖縄紀行の始まり。 沖縄のバス旅行は、系統番号が決定的な意味を持ちます。同じバス停から違う行先にバスが出

          路線バス周遊パスでゆく 綱渡り沖縄 2日目 玉陵→斎場御嶽→玉城

          路線バス周遊パスでゆく 綱渡り沖縄 1日目 那覇・安里界隈

          羽田空港は2年ぶり。 1610羽田発のANAを選んだのは単に安かったからです。6月末の予約時点で9,210円。ちなみに復路は9,610円。 私は旅行には数冊の本を連れて行く習慣があります。といっても、旅行中は分刻みのスケジュールを立てることを常としているし、移動中は景色を楽しんだりするので、結局読めないことが多いのですが。今回もインベカヲリ★さんの『家族不適応殺』を読むにとどまりました。写真に載っているものの他に山川出版社『沖縄県の歴史散歩』なども持っていきました。このシ

          路線バス周遊パスでゆく 綱渡り沖縄 1日目 那覇・安里界隈

          海と山のベストミックス 海坐@沖縄・玉城

          今回の沖縄滞在では、2泊目に「海坐」という宿を利用しました。 1泊目と3泊目は利用したことのある宿でしたから、今回の旅の宿ではここだけが初訪問。 沖縄本島はかなり起伏のあるところなのですよ。私は自動車の運転免許を持っていないので、旅先ではレンタサイクルをわりと使うのですが、沖縄ではそれは困難なので、端から諦めています。 ここも以前から目をつけていたのですが、ようやく訪れることがかないました。特に貸切露天風呂が良かったですね。私は普段は長風呂というものはしないのですが、久

          海と山のベストミックス 海坐@沖縄・玉城