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the band apart DVD『510×238』special talk

バンアパの新しいDVD『510×283』が5月21日にリリーース! というわけで、今作のトータル・ディレクションをつとめたギター川崎氏と映像監督の後藤氏のクロストークを敢行。そのテキストをこちらで販売してみることにしました。とはいえ前半部分は無料公開しましたので、お気に召していただけましたらご購入いただけると幸いです。ここでしか読めない貴重なテキスト、じっくりとどうぞ!

取材/撮影:奥村明裕

――ふたりは古い仲なんですか?

川崎 後藤くんはひとつ下の後輩なんだけど。10年以上昔……俺が20才くらいのときから知ってるから。彼は映像がやりたい、俺はバンドでがんばるって言ってて、お互いがんばろうよって励まし合いながらやってたわけですよ。で、まぁ、この歳になってね……いろいろあるじゃない?

――急に投げやりになったけど、面倒くさくなっちゃった?

川崎 いや(笑)、先輩としてさ、いろいろ相談受けたりもして。専門学校に行くときとか。

後藤 ずっと映像作りたいっていって、フリーターしながらやってたんですよ。で、ひとつ作ったときに自分のスキルのなさを痛感して。それで専門学校行こうと思ってるんですけどって相談したり。

川崎 専門行ってプロになれるかっていったら、わかんないじゃん? だったらその金でいいカメラ買いなよって言って。

後藤 それで結構いいカメラを買いまして。

――そうこうしてるうちに、バンアパはどんどんビッグになっていって。

後藤 そうですね。カメラ買ったのは2008年とかだったから、すでにすごい有名で。最初にライヴを観たのは10年以上前で、僕が19とか20才くらいの時だったんですけど。川崎さんと知り合って、元々SCAFULL KINGとかショルダー・ホッパーとかが好きだったから、そういうのが好きなんですって話ししてたら、今度俺のバンドがライヴやるから観に来なよって。

――直々にお誘いいただいて。

後藤 はい。その前に電話がかかってきて、「頼むからTシャツを買ってくれ」と。

川崎 あぁ、アレか(笑)。

後藤 バンアパが初めて作ったTシャツがあって、それを買ってくれと。

崎 その、ファンド的にやってたわけですよ。Tシャツを先に作って、その売上でレコーディングするっていう。

後藤 そのTシャツを持って、川崎さんと荒井さんと木暮さんが軽自動車で僕ん家の近くのセブン-イレブンまで売りに来てくれて。

――ドロ臭い営業してたんだなあ(笑)。

川崎 はっははははは。その頃ホント金なかったから、やってたね、そういうこと。

後藤 Tシャツを買ってくれたから、今度ライヴ来てよってなって。で、ライヴ観たらスゴいかっこよくて。曲とか知らなかったから、どうせダセェんだろうなと思って観に行ったから(笑)、余計にビックリして。そこで普通にファンになりましたね。自主で作ってた音源とかもいただいて、それを聴き倒して。

――ちなみにそのデモには、どんな曲が入ってて?

川崎 「fool proof」入ってたんじゃない?

後藤 いや、入ってなかったですね。「siete」とか。

川崎 いちばん最初に作ったやつかな。当時CD-Rが流行ってて、なんちゃってCDみたいな感じで作ったのよ。まだメロコア調の曲とかやってた頃で。

後藤 ライヴも十条の「自由像」(現「十条ばりすた」)っていう、30〜40人くらいのところで演ってて。その頃から見てるので、どんどん大きくなっていって、「おぉ、スゴいなあ」って。ただ憧れてた感じですね、ずっと。

川崎 映像でやっていきたいって言ってたから、俺からなんか仕事振れればいいなと思って、2〜3年前くらいからウチらの映像撮ってもらったりして。それが今回のDVDに繋がった感じだね。

――後藤監督が最初にバンアパ関連作品を作ったのは、「銀猫街一丁目」のPVでしたっけ?

後藤 はい。「2012 e.p.」の時に木暮さんからお話をいただいて。一緒に作って、そこから「仇になっても」のPVがあって。その前に、「KESEN ROCK FES.」に記録映像的な感じで連れて行ってもらって、ずっとカメラ回してたんですけど。

川崎 それまで作ってもらってたのって、おまけというか。俺が名古屋でやった糞みたいなイベントの(笑)、来てくれた人に渡すものだったり。ちゃんとお金をいただいて世に出す映像作品っていうのが今回初めてだったから、今までとは違った感じでがんばらなきゃなと思ってましたけど。

――今回のDVDの監督オファーがあった時は、やはり驚きました?

後藤 いや、ちゃんと「お願いします」って感じじゃなくて、自然な流れで言われて。車のなかでぽろっと言われたことだったので、ホントなのかな?って(笑)。

――川崎としては、ちゃんとDVD作品としてまとめるという意図があって話しをして?

川崎 うん。今までのDVDって、ライヴの映像と、あと俺らが地方に行ったときのくだらない映像と(笑)、その2枚組っていうパターンだったから、ちょっとワンパターンかなっていう。だから、もうちょっと身近というか、違った路線の映像も面白いんじゃないかと思って。あと、ぶっちゃけこれまでメンバーの意見が反映されてない部分もあったから。

――どちらかと言えばスタッフ発案のアイテムというか。

川崎 そう、結構ビジネス的な部分もあったり。映像に関しては俺もよくわからないから任せてたんだけどね。アジアンゴシックが新しい体制になったし、DVDもこれまでと違う感じにしたいなと思ったときに、後藤くんは俺らのことよく知ってるし。メンバーみんなが10年くらい昔から知ってて、すごくいいポジションにいるなと思ったから。オフショットもリアルなところというか、踏み込んだところ撮ってもらえるだろうし。普通ちょっと構えちゃうじゃない?

――知らない人にカメラ向けられると、なおさら。

川崎 そうそう。そういった意味でも後藤くんがいいかなと思って。俺も一緒にやりたいなと思った部分もあって、自分の中でモチベーションがあがったから、メンバーに「こういうふうにやりたいんだけど」って提案して。みんな後藤くんのこと知ってるから「全然いいよ」って感じで。

――へ〜ぇ。前の「TOKUMARU e.p.」の制作も川崎主導だったそうだし、ここ最近なかなかアグレッシヴな川様ですが。

川崎 はっはははは。いや、みんなモチベーション高いと思うけど、俺は、たしかに昔よりモチベーション高いかも。

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