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ロック音楽を形作った4大ジャンル ゴスペル編

ロックの原型とも言えるジャンルは二十世紀初頭までに4つ生まれた

と私は考えています。

所謂ロック音楽といえばハード・ロックのイメージを真っ先に浮かぶ人もいるかもしれませんが、今回取り上げるのはハード・ロック全盛の時代から60年ほど前の話です。

ロック音楽は他に類を見ないほど進化と退化を繰り返し日々発展している貴重な音楽ジャンルの一つです。

大まかな流れでは
ブギウギ、カントリー・ブルース

スウィング・ジャズ、ビッグ・バンド

ジャンプ・ブルース

リズム・アンド・ブルース(黒人)、ロックンロール(白人)

インスト・ロック、ガレージ・ロック、サーフ・ロック

ビート、ブルース・ロック、フォーク・ロック

サイケデリック・ロック

ハード・ロック、プログレッシブ・ロック

グラム・ロック、パンク・ロック、ニューウェーブ、ヘヴィ・メタル

オルタナティブ・ロック、インディー・ロック

といった具合に成長してきたと理解されている方は多いかと思います。

ロックンロールは黒人音楽と白人音楽のハーフであるという考えもよく知られていますがそれぞれどういう音楽の事を指しているのかご存じでしょうか。

ロックンロールは1940年代に
黒人音楽のジャンプ・ブルース白人音楽のヒルビリー・ブギが融合して生まれたものだというのが私の意見です。

チャック・ベリーとビル・ヘイリーが50年代に融合を完成させました。

私の考えではロックの出発点には
・黒人霊歌
・ブルース
・フォーク
・ジャズ
の4つのジャンルが

あれ?リズム・アンド・ブルースは?
と疑問に思う方もいるでしょう。

リズム・アンド・ブルースはジャンプ・ブルースにゴスペル由来の歌唱を取り入れたものだと私は考えています。

マヘリア・ジャクソンシスター・ロゼッタ・サープです。どちらもゴスペルシンガーとして有名で力強い歌唱が持ち味でした。

ゴスペルは正確にはソウル・ミュージックに接続されるのですが、初期のR&Bの歌唱面での影響は無視出来ないでしょう。

ソウルと称されずリズム・アンドブルースと称されていた頃の初期のレイ・チャールズやジェームス・ブラウンが良い例です。

アフリカ系アメリカのゴスペルミュージックに顕著なコール・アンド・レスポンスの技法は、こうした黒人音楽の一つの特徴となり、後年ソウル、ロックなど他のジャンルでも使用されるようになっている。
ゴスペル Wikipediaより

ゴスペルは黒人霊歌 (Black Spiritual)の影響下に1930年代に誕生したとWikipediaにありますが、Vaudeville Bluesの一部の曲に現代のゴスペルのような曲は存在します。

ゴスペルは黒人霊歌にピアノやギターの伴奏で強力なリズムを付与したものであり、初期はブルースと接続したGospel Bluesが存在しました。

ブラインド・ウィリー・ジョンソンとジョッシュ・ホワイトです。

先に挙げたシスター・ロゼッタ・サープもゴスペル・ブルースの筆頭に挙げられる一人です。

このように初期のゴスペルはギターの弾き語りが多く、歌詞を聞き取れなければクラシックなブルースにしか聴こえないでしょう。しかし、その歌唱は他のブルースに比べて力強く聴こえます。

所謂"がなり声"という表現が近いかも知れません。
現代のゴスペルのイメージは複数での"技巧的なヴォーカルのアンサンブル"を思い浮かべる事でしょう。それは映画「天使にラブ・ソングを...」などの影響でしょうか。いいえ、そもそも大多数の人はゴスペルとは何ぞやという事に無関心です。

ロックの歴史から見たゴスペルの重要な影響は"コール・アンド・レスポンス"にあります。

簡単に説明すればメインの歌手がAと呼び掛けた時に聴衆がBと応えるような物を言います。

呼び掛け方や応え方に必ずしも人間の声である必要は無く、演奏でもOKなので、マディ・ウォーターズの"Hoochie Coochie Man"や"Manish Boy"はゴスペル由来のコール・アンド・レスポンスを取り入れた楽曲となります。

このようにゴスペルはブルースへ多大な影響を与え、白人のカントリーやロックンロールミュージシャンを経て英国の若者達へ波及し、ビートルズやローリング・ストーンズといった"音楽が死んだ日"以降の世代のミュージシャンへも影響を与えました。

もちろんその狭間の世代であるモータウンやフィリー・サウンドの"Pop Soul"への影響も避けて通る事は出来ません。

もしかすると貴方の好きなミュージシャンも元を辿ればゴスペルに行き着くような歌唱や技法を取り入れているかも知れません。注意深く観察して"気付き"に快感を得る事が出来れば、貴方はロック中毒者の一人です。

それでは今回はここまでとさせて頂きます。次回の更新の予告は出来かねますが、古い話から詰めて参りますのでよろしくお願いします。

Rock and Roll Will Never Die
座右の銘として心に刻み、明日もお元気で。
AKIちゃんの記事でした!

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