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「infogami」"wikiプラットフォーム、そして、天才創業者アローン・スワーツ" (2005夏YC卒)

1.【1分解説動画】

「infogami(2005夏YC卒)」を1分間で解説しています。詳しい情報は下記のまとめ文章へどうぞ。閲覧が多いようなら1社一律100円ほどの有料noteにしようか検討中です…。当面の間は全て無料にします。

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2.【infogami概要】

infogamiはYC2005年夏学期に参加し、Web上から簡単に内容を書き換えることができるWebサイト管理システムである"wikiプラットフォーム"を開発し、提供していた。後にinfogamiのwikiプラットフォームはデジタル図書館と呼ばれる"Open Library(https://openlibrary.org/)"などのWEBサイトに採用される。infogamiはYCプログラム卒業後、同期のYC卒企業であるソシャールニュースサイトを提供していた"Reddit"と合併する。また、infogami創業者のアーロン・スワーツ氏はinfogami創業以外にも数々の偉業の功績を持つ。


3.【創業者】

Aaron Swartz(アーロン・スワーツ)

1986年生まれ。スタンフォード大学を1年で中退し、infogamiを創業。また、infogami創業以前にもMarkdown記法の開発や、RSSの開発にも携わり、RSSの普及の基盤技術を作った人物とされる。また、政治活動や市民活動団体の設立などにも積極的であった。2011年に論文データベースのJSTORから学術雑誌の記事を不正にダウンロードしたとし、罪に問われ、その事件がきっかけとなり26歳の若さで自ら命を絶った。


4.【infogami沿革】

~2005年~

YCのプログラムへ参加、ingogamiが創設される。infogamiはWeb上から簡単に内容を書き換えることができるWebサイト管理システムである"wikiプラットフォーム"を開発、提供する。infogamiのwikiプラットフォームはデジタル図書館と呼ばれる"Open Library"やPython言語を使ってウェブサイトを作れるフレームワークの"web.py"などのサイトへ使用されることとなる。

YCを卒業し、同年、YC主催者たちの勧めにより、infogamiはYC同学期卒である"Reddit"へ合併することとなる。

~2006年~

infogamiが合併したRedditがWiredなどのテクノロジー関連誌を出版するConde Nast社に買収される。この買収後すぐに、infogami創業者であるアーロン・スワーツ氏はReddit社を解雇された。


4.【infogamiと創業者"アーロン・スワーツ"詳細】

infogamiの創業者のアーロン・スワーツ氏はinfogami創業以外にも、数々の功績を残している。ここではinfogamiとその創業者アーロン・スワーツ氏について記載する。

アローン・スワーツ氏は26歳という若さでこの世を去ったが、その人生で残した功績は多岐に渡る。スワーツ氏は3歳からコンピューターを扱い始め、13歳の時にwikiアプリケーションの「get.info」を製作し、ArsDigita賞を受賞する。更に、14歳の時、RSSの基盤技術を開発し、天才児として世間に認知され始める。更にインターネット内での著作権にも興味を持ち、著作物の適正な再利用の促進を目的とした非営利組織である「クリエイティブ・コモンズ」の立ち上げにも参画、また、現在でも幅広く使用されている軽量マークアップ言語の1つであるMarkdownの開発へもスワーツ氏は協力している。

その後、19歳の時にYコンビネータの夏季プログラムへ参加。wikiプラトフォームを提供するinfogamiを創業。infogami経営中に、共同創業者が必要との結論に至り、YC運営メンバーの勧めにより海外版2ちゃんねるとも呼ばれる、Redditへ合併。しかし、お金に対する執着が薄くRedditからも解雇され、徐々に、起業家の道から遠のいていくこととなる。

その後、スワーツ氏は、ネットを通じて、すべての人に情報が開かれていくことを目指し活動をするようになり、数多くの政治活動や市民活動団体の設立に携わる。それらの活動の代表的な例として、公文書公開、アメリカ議会図書館の無料アクセス解放、ネット検閲に反対するオンライン活動団体「Demand Progress」の設立等がある。

そして、更に、2008年、スワーツ氏は課金制の連邦裁判所の訴訟情報公開システム「PACER」のデータの20%をダウンロードして、公開する。同様に課金制であった科学学術論文ライブラリー「JSTOR」からもMIT内のPCより不正にアクセスし、約400万件の学術論文をダウンロードする。このJSTORの不正ダウンロードにより、スワーツ氏は起訴され、35年間の懲役と100万ドルの罰金が課せられることとなる。この事件を機にスワーツ氏は26歳の若さで自ら命を絶つこととなる。

スワーツ氏はインターネットを通じて、すべての人に情報が開かれていくことを目指し、そして多くの功績を残した人物として、アメリカで幅広く認知されている。スワーツ氏の死には多くの人が追悼し、スワーツ氏へ課された判決に対する審議はアメリカ国内でも大きな議論を呼んだ。匿名ハッカー集団"アノニマス"などはスワーツ氏を自殺に追い込んだことへの報復として「司法省量刑委員会」のサイトやMITのサイトにサイバー攻撃を仕掛けるなどの事件も起こしている。

また、2014年の夏にラスベガスで開催されたハッカーの祭典「DEFCON」では、スワーツ氏のドキュメンタリー映像である『The Internet’s Own Boy: The Story of Aaron Swartz』が上映された。

実際に上映されたスワーツ氏のドキュメンタリー『The Internet’s Own Boy: The Story of Aaron Swartz』


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【参照URL】

アーロン・スワーツ - Wikipedia

Infogami | CrunchBase

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