前編はこちら。

　そして私はYouTube公式チャンネルが上げているMVにたどり着いた。
　音ゲーのカードの絵柄になっていた人達は、動くとより格好よくて、当初はずっと悲鳴を上げていた。ええ声だなと思っていた人はこの人か、全然レアカード来なくて困っているシューヤさんね。ひっ表情良。

　これ以上近づくとただでさえ終わってる財布とスケジュールが本当に死んでしまう、と危機を感じて、一旦YouTubeを閉じた。

　そしてTikTokを開く。動画中毒である。

　TikTokはいつも通りLAPONEや吉本所属の日プ出身アイドルの面白い動画をおすすめしてくれた。だが、帰るべき場所を確認し、安心しきった私は運命のスクロールをしてしまう。

　そこに流れてきたのはアニメだった。
　なんかの番組の切り抜きか、よくはないね。と理解しつつ再スクロールする気力もほどよく失われていたので、そのまま画面を見つめていた。

　超特急の新メンバー加入物語か。そういえば最近？増えたのだっけ。

　くらいの認識で眺めていたら、突如割と知っている声がした。
　めちゃくちゃ動揺して画面を集中して見れば、その声とよく結びつく赤い髪をしたキャラクターがアニメに登場していた。

　私が知っている、OWVの本田康祐くんだった。

　そして私はYouTubeへ横飛びし、新メンバー加入にあたり作成されたドキュメンタリーを観ることになる。

　しばらく様々な資料を見漁っているうちに理解が進んできた。ええ声のシューヤさんは加入メンバーであること。シューヤさんと本田くんはかつて同じグループで活動していたこと。加入に至る経緯などなど把握するうちに確信してしまった。

　もうこの人のこと、戻れないくらい好きだ。

　そんなタイミングでXを眺めていたらフリーライブのお知らせが流れてきた。フリーライブとはいえ会場が秩父宮ラグビー場と大きすぎて、変な声が出た。が、そこまで大きい会場なら、私のような、にわかが迷い込んでもどうにかなるのでは？と謎の自信が湧いてしまい、優先エリアの整理券に応募してしまった。

　そして公演前日もとい当落日、ビギナーズラックで当選してしまった。焦ってレギュレーション(注意事項)を読み、独自のルールやマナーがないかSNSで調べ、公式のものを持っていないためペンライトは持たないことにした。身一つである。

　実は身一つでライブに行くのはアイドルオタクにしては抵抗が少ない方である。というのも、今でも好きだが、かつてライブにかなり通っていた某50周年を迎えたバンドは基本的に拳と手拍子のスタイルだったので。そう言い聞かせているうちに、7年くらい前のそのバンドともう1組との対バンで7人の超特急を見たことあるぞ？！と思い出す。記憶喪失だったようだ。

　そして厳密には初乗車じゃないかもしれないが、初乗車。生で見る9人は素敵すぎた。自分のいたブロックの周囲の通路にシューヤさんが来て、か細い悲鳴が漏れた。えぐ顔きれい。

　もう私は8号車なのだなあ、と帰路にKアリーナ追加公演のスケジュールを確認しながら思った。

　財布とスケジュールの生存戦略を考えつつ、これからも楽しく乗車したい。

#沼落ちnote
#超特急