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BBCの番組「All Together Now」が面白いから見て

BBCでやってる歌番組「All Together Now」がすごい面白い。日本でもYouTubeでたくさん見れるので音楽好きは是非見てほしい。

「All Together Now」とは、応募者の歌をずらりと並ぶ100人の音楽業界のプロフェッショナルたちから構成される審査員が審査する番組。審査員は、その歌に「ノれる」と思ったらボタンを押して立ちあがる。

応募者は様々だ。北アイルランドで、うつ病を患いながらバイトで暮らす若者。お金が無くて恋人と結婚できないシングルマザー。マクドナルドでバイトしながらストリートで歌っている男の子。オランダから歌手になるためにロンドンに来た移民。これまでに音楽トレーニングを受けたことがない人も多い。でもひとたびマイクを握ると、大スターにも負けない輝きを放つアーティストになる瞬間がたまらない。

応募者は古今東西様々なヒットナンバーをカバーする。ここですごく素敵なのが、審査員が音楽業界のプロとして、というか

単なる音楽バカ

として参加していることだ。お気に入りの曲だったら「この曲大好き!」と言って、立ち上がって一緒に歌う。もちろんパフォーマーの力量がプロをノセるくらいあれば、だけど。そしてイギリスの人たちが、イギリスだけでなくアメリカのシンガーの曲にもすごく精通していることに驚く。彼らは良質な音楽を小さい頃から浴びるほど聴いてきて、身体に染み付いている。音楽偏差値が根本から違う。

とくにお気に入りはこのパフォーマンス。Michael Riceはイングランド北部のちっちゃい町出身で、フィッシュ&チップス屋でバイトをしながらストリートで歌っていた。その後2014年にイギリス版スター誕生番組「The X Factor」に出演してものすごい美声でお茶の間を驚かせ、今年ヨーロッパの国別対抗歌合戦「Eurovision」に英国代表として参加するまでに上り詰めた。

そんな彼が去年「All Together Now」で披露したのがこれ。曲はアメリカのシンガー、ティナ・ターナーが労働者の悲哀を歌う「Proud Mary」だ。得点は100点、なんと審査員全員が立ち上がって歌って踊った。全員この曲知ってるんだ..。日本だと「審査員」は黙って座ってなきゃってイメージがあるけど、イギリスでは審査員が一番エキサイトして、心の底から音楽を楽しんでいる。

ちなみに「Eurovision 2019」ではイギリスがヨーロッパ中最下位となりましたがそれはまた別の話。

こちらはウェールズのスウォンジーという小さい町でティーチング・私スタントをしているShellyannさん。今までに音楽の教育は受けたことがないという。賞金5万ポンドを受け取ったら家の支払いと再婚ができると語る。

こちらは普段はイギリス南部のボーンマスというところの劇場で裏方をしているBernadetteさん。ジョセリン・ブラウンの「Somebody Else’s Guy」を歌う。最初に発声したときの衝撃がすごい。あとはビヨンセかな?という歌唱力とボディパワーでライバルを押しのける。

Xavier(X-MENから取ったのかな?)という男声グループ。既存の曲をアレンジして彼ら流にする。こちらではブルーノ・マーズの「Locked Out of Heaven」を披露。

南アフリカからの移民が二人メンバーにいる「Southern Flavor」。ジャクソンズの「Blame it on the boogie」がほんとにブギーしててカッコイイ!!

ブリストルから来たルーシーさん。普段は「閑散とした酒場で誰もこっちを見てない」ショーをしているそうだ。レッド・ツェッペリンの「Whole Lotta Love」を歌い上げる。完全に選曲の勝利。審査員も完全に曲が好きなだけである。だがそこがいい。

ロンドンの医学生のアーロンさん。音楽好きの家庭で生まれ育った。スティービーワンダーの「As」をスムースな歌声で♡音楽教育全く受けてなくてこれなんだろうか、、それともボーカルスクールとかに行ってるんだろうか、、

ロンドンの3人組「サンデーズ」。チョコレートサンデー、ストロベリーサンデー、バニラサンデーで構成される。そのボディを活かしてドナ・サマーの名曲を迫力たっぷりに歌い上げる。

などなど参加者も審査員も個性的で見てて飽きない、BBCの「All Together Now」。受信料払ってないのにこんなに楽しんでごめんなさい。YouTubeで「All Together Now」と検索するとたくさん出てきます。


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