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地獄の三丁目

皆さんお元気ですか。この10日ばかり地獄の三丁目で過ごしています。ここは昼も夜もないので今が何時かもわからない。いまは少しだけ息継ぎのために地上に出てきたのでこうして日記を書いています。

地獄へはランタンだけを頼りに入りました。ここはとても暗くて灼熱のように熱い。倒れそうなくらい重い荷物を背負って、かぼそい道を通らなくてはなりません。そして決められた日までにたどり着かないと罰が待っている。

久しぶりに出た外界はポケモンGOをする人たちでいっぱい。今日は休日です。プロントに行ったら向かいのテーブルにいるカップルが腕相撲をしていて、まぶしくて倒れそうになりました。世界には美しく豪華なものがあるらしい。地獄にいるとそれを忘れてしまいます。空に輝く一番星とか、ホテルのラウンジで夜景を見下ろしながら飲むおいしいカクテルとか。そういうものが見たいのだったら、自分の足で地獄から出て、歩いていかなければならないんです。

もう時間が迫っているので、また地獄に戻ります。地獄には光がなく、喜びも、楽しいことも、何もない。もう笑い方も忘れてしまいました。でもどちらの世界にいたって、どっちにしろ楽しいことなんかないのかもしれません。それではまた、いつの日か。

“When you're going through hell, keep going.” Winston Churchill

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