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恋愛はログインボーナスか

恋愛はログインボーナスだろうか?って、山本悠と永田康祐さんが言ってた。

「ログインボーナス」というのは課金制のソシャゲ(スマホゲーム)における特典のこと。ソシャゲはソフト自体は無料で、ゲームの中のコンテンツを販売することがビジネスにつながるのでとにかくログインしてほしい。さらにソシャゲの世界はレッドオーシャン極まるというかとにかく競合が多いので、他タイトルとの差別化を図ること、またログイン数を増やすことを目的に、ログインしてくれた分だけユーザーにボーナスを与える「ログインボーナス」を設けている。毎日連続でログインしてくれたら石10個、イベント時にログインしてくれたら石5個、みたいな感じで。

恋愛もログインボーナスに近いところがある。「人間は一番頻繁に会う人を好きになる」とかいうけれど、心理学の「単純接触効果」は、繰り返し接すると好感が高まるという効果だ。あとこういうのもあった。

恋愛においては、月に一回しかメールが来ない人より、一言二言でも毎日言葉を交わす人のほうが強い。これはあくまで同等の魅力を感じる人同士を比べた場合で、毎日食べられる安いパンより1ヶ月に1回しか食べられない超高級ケーキに魅力を感じるということもある。毎日会うクラスの同級生よりも陸上部のエースの先輩の方がカッコイイとかそういうこと。それにもう20年会ってない人に片思いしてますという例外もあるけど、恋愛に落ちうる程度のしきい値を超えている場合で比べると、コミュニケーションの回数が多い、つまりコミュニケーションが他の人よりも成立しやすい人に好感を持つのが自然なことだと思う。

それはまるでログインボーナスのようで、連日のログインによってボーナスが発生し、お互いに思い入れが強くなる。イベント時にミッションを上手にこなすとまたボーナスが発生して、また絆が強くなる。そういうボーナスの応酬によってステージが上がっていって、付き合うとか結婚するとか子どもができるとかいう風に進んでいくような。

でもログインが途切れてしまうこともある。毎日ログインするというのは大変なことだ。”興味”を持ち続けなければいけない。この興味を持ち続けるというのがそもそも大変だ。ADHD的に一つのことに興味を持ち続けるのが苦手な人もいる。そうでなくても、メンテばっかりしてて全然アクセスできない(音信不通)とか、ゲームバランスが凶悪とか、攻略方法がわからなくて積んで投げ出すとか、新しく発売されたゲームに心移りするとか、好きなジャンルが変わるとか、仕事が忙しくなるとか、理由はいろいろあるだろう。普通の人は自分を取り巻く状況やコミュニティが変わると同時にプレイするゲームも変えていく。

しかしそれを変えない人がいる。「高校時代の先輩に20年間片思いしてます」とか「戦死したおじいちゃんをずっと思ってます」というような。そういう人にはログインボーナスのビジネスモデルは通用しない。どんな石をあげても心は動かない。そういう人はまるで26年間毎日ボンバーマンだけをやり続ける99歳のおばあちゃんのように、一つのゲームにログインし続けているために他のゲームにログインしている暇がない。

これはもちろん個人によっても違うし男性と女性でも違うので一概には言えないものの、考えれば考えるほど考えがいがある「愛はログインボーナスか?」という問い。皆さんもお暇があったらいかがでしょうか、、



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