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何かを本当に好きな人を見ていると幸せになる

ロンドン生まれ、御年70歳の化学者、Andrew Szydloさんがイギリス・ニューキャッスルで行われた「TEDx」にて披露した講演が話題になっている。講演といっても、制限時間たった15分間という短時間のあいだに、水の色を変えたり、バルーンに液体窒素をぶっかけたり、それはまあ賑やかな化学の実験を、なんと25連発もしちゃうのだ。

あちらの実験からこちらの実験に走り回るアンドリューさんの様子を見ていると、ああこの人は本当に化学を愛しているんだなと思って、画面はユーモラスなのになんだか涙が出てくる。わたしは化学が大嫌いだった。アンドリュー先生は言う。

「いままでたくさんの人が、化学の実験にガッカリしてきました。昔中国の皇帝が、私は金を作れますといった化学者に金を作らせてみたところ、何時間もかけた実験の末に出来上がったのは妙な匂いのシロモノだけ、なんてことがありました。皇帝はそいつを処刑したそうです。いまでも化学のことは、みんなそんな感じに思っていますよね。化学とはなにか?それは、なにかの状態からほかの状態に変わること。実は、化学のおかげで、わたしたちは毎日恩恵を受けています。プラスチックも、香水も、石油も、冷蔵庫もあるのは化学の実験のおかげなんですよ。化学の実験よ、本当にありがとう

誰かが何かを本当に好きな様子って、見ているだけで幸せになる。こんな先生がいたら、きっと化学のことが好きになっていただろうな。アンドリューさんは、いまはロンドンの小中高一貫の学校(大学ではない)で教師をしているそうです。「怪しい伝説」みたいな感じで、Netflixで番組持ってくれないかなあ。


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