彼ピッピに求める1000の条件

彼氏いない女子と話すと「理想の彼氏」像で盛り上がることがある。スピった恋愛指南本に書かれている「お前の理想とする彼氏の条件をとにかく書き出せ」というやつだ。書いてみるとあら不思議、「その理想通りの人が現れます」と言う。

「あ〜彼氏欲しいな〜」と言うのは容易い。しかしその次にはお決まりで「でもいい人がいない」と続く。地球には60億もの人間がいるのに、愛する人は現れない...。

リスト化するのは脳内にあるぼんやりとした条件を書き出してみることで自分が求める理想を自覚化し、アンテナをより先鋭化させて、検索条件にひっかかる精度を高めることなんだろうと思う。100の条件があった場合、今までは90個合致しないとアンテナが動かなかった。しかし書き出すして自覚化することで、20個程度の一致でも引っかかるようになる。

先日バリキャリ女子と話した時(小籔さんとは違う女子)、理想の彼ピッピ像の話になった。彼女は業界の有名人で、頭の回転が早く、ユーモアがあって人脈も豊富。アテンドも完璧で美味しいお店も楽しい場所もたくさん知っている。彼女と一回ご飯に行けばその完璧さにどんな男でも惚れてしまいそうだが、未だに理想の人が現れないという。そこでリストを作ってみようということになった。彼女のリストの第一位は、

・自分より年収が高い、もしくは同等の人

であった。生活レベルが違うと、最初のうちは楽しくても、段々溝が生まれて来てしまうそうだ。しかし彼女の年収と同レベルというだけでもう狭き門がますます狭くなってしまう。出来る女子も大変なんだなあ...とうなずいた。その他、

・SNS(特にFacebook)に稚拙な政治的コメントを投稿しない
・お笑い番組を見て専門家気取りのコメントをしない
・遠出を面倒がらない
・魚類がダメ、など、大規模な偏食でない

などの条件が付け加えられていき、その条件の細かさに2人でゲラゲラ笑った。そして冒頭のうっちーさんのリストを見て、我々もまだまだだと兜の緒を締めた。

しかし彼ピッピリストを作る女子よ、よく覚えておくがいい。君が何千項目、何万項目の条件リストを作ったとして、いつの日かできる彼ピッピは斜め上からやってきて、その条件を悠々と超えてくるのである。猫が欲しいと書けば虎が来る。虎が欲しいと書けば龍が来る。「戦闘力5万の人」と書けば戦闘力が500万あってしかも回復魔法まで使える彼ピッピが来る。彼と晩御飯に行ったお店がすごく美味しくて、雰囲気も良くて楽しかったな〜と思っていたら、「もう一軒行く?」と連れてってくれたお店もまさに「今日いまこの気分の瞬間にぴったりのお店」で、一晩中ご機嫌になってしまうだろう。君が卑劣な痴漢の指を切れば「切るのは指ではない、首だ!」と痴漢の首を跳ねてくれるだろう(それはバーフバリ)。

出会った彼ピッピに君は「えっそんなことまで...?!」と驚くばかりだ。あれだけ高いハードルを用意したのに、ハードルを全部なぎ倒してさらに新しい高みへと君を連れて行ってくれる。これ以上書き足せないと思った項目たちにも、まるで魔法のように新しいページが付け足され、真新しい項目が付け加えられる。世界はそんな奇跡を君に用意している。

リスト女子よ、それが愛というものだ。愛は書き出しても書き出しても無限の泉のように湧いてくる。どれだけ知恵を絞って先手を打っても愛には敵わない。その泉がいつか世界の果てで見つかるまで、ボロボロになったリストを胸にしっかりと抱いておいてください。




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