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電柱の陰から、が裏の戸口まで近づいた日

昨日まではCOVIDって騒いでも、どこか他人事だった。12月に入ってからロサンゼルス郡のCOVID感染者数がうなぎ上りで、現在に至っては5人に1人はCOVIDに感染した、あるいは今現在かかっている、というぐらいの広がりようだとニュースに出ている。

先週の金曜日には、オレンジ郡に住んでいる知り合いと電話口で、彼女の弟さんご夫婦がCOVIDに感染してしまった、という話を聞いて、自分たちがまだ感染していないのはラッキーなのかもしれないね。気を付けていても、思いもよらないところで影が忍び寄ってきたりするんだもん。それでもって、感染しても、症状の程度って人それぞれだし、弟さんご夫婦もあんまり難儀しないといいね、なんて言っていた。

月曜日の今朝は、夫が「今僕のお母さんからテクストがあって。。。」という報告に始まり(義父が仕事場で感染して、うちに帰ってきて義母もやられた、という状態)、仕事で参加したミーティングでは、進行役の人が実は元旦に体調を崩して検査したら陽性だった、と言い、午後に向かえに住んでるご近所さんと話をしていた夫。しばらく顔見ないね、彼、と言っていたら、ご近所さんはCOVIDで2週間ほど寝込んでいたらしい。さらにその後、別の仕事のミーティングで、今度はいつも一緒に仕事をしている同僚のご主人が数日前から体調を崩していて、検査の結果陽性だったのよ、という話になった。

昨日までは、なんだかんだ言って、私らまだ直接知り合いにCOVIDにかかったって人いないよね、なんてのんきなセリフを吐いてたところだった。

それがいきなり今日になって、0から5に増えた。

目に見えないCOVIDは影に潜みながら、いつ取り付いてやろうか、とスキを狙っている悪い霊みたいだ。なんというか、薄黒いモヤモヤした塊が、先週までは電柱の陰から私らの様子をうかがっていたんだけど、今日になって裏の戸を開けたらそこに立っていた、という感じ。いきなり身近に迫ってきたよ。

週末連日で「夏目友人帳」という妖怪がらみの漫画を電子コミックで読みふけったので、余計COVIDが人間を恨む妖怪に思える。アニメになるらしいね。できることなら古本屋でどっさり買い込んで、引きこもりながら続きを読みたい。。。

ただでさえ毎日息苦しく暮らしているのに、そんなニュースを聞いて夫はさらに、これからは本格的なロックダウン(閉じこもって外に出ないぞ)だ!なんて言っている。私に対しては、君は何かと食料品を買いに行きすぎじゃない、これからはもっと減らしてよ。とまで言ってきた。他に出歩くところないから食料品買いにいってるんじゃ!という気持ちをぐっとこらえる。ここで言い争っても何にもならんからね。それに今の状態も十分私にしてみれば監獄のようなロックダウンなんだよぉぉぉ。買い物に出かけるのは、家から離れるための手段でもあるのだ、一時だけど。それを私から取り上げるというのか!?!?! そんなことしたら私が妖怪になるっちゅうの。

昨日はとてもお天気の良い日だったのだ。お昼から、天気がいいから日向ぼっこしよう、と前庭に毛布を引いて息子ちゃんとゴロゴロしていた。雲一つない青い空で、冬だから芝生は緑で、あぁ、美しい日だね、生きてるって素晴らしいね、ビールがおいしいねぇ、なんて思っていた。

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世界は美しいよ、なんて心から思ったのは妊娠中以来ぐらいかもしれない。妊娠中はなんだかハイだったので、すべてが素晴らしくって、早く生まれておいで、それでこの美しい世界を一緒に体験しようねぇ、なんて話しかけていた。そしたら真に受けて早く生まれ過ぎた。

青い空に向かって、足の指で イイね する。昨日の話。。。

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今日は親指を下にして、がっかり!ってやってやりたいが、そんな器用なことを足の指ではできないのだ。


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