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【京都観光】大徳寺

2024年2月14日大徳寺へ行ってきました。
大徳寺には以前にも何度か行ったことがあり、今回は特別公開中の法堂・仏殿と龍源院の開祖堂を見学させてもらいました。


市バス204・205・206「大徳寺前」が最寄バス停です。
私は地下鉄烏丸線北大路駅から北大路通をのんびり歩いて向かいました。

大徳寺の公式Webサイトはないのですが、塔頭の大慈院のサイトに大徳寺のことも書いてあります。

大徳寺は京都市北区紫野にある臨済宗大徳寺派の大本山。
広大な寺地に20を超える別院・塔頭があります。

1315年に宗峰妙超しゅうほうみょうちょうが紫野に小堂を建てたことが起源とされています。
最初は小さなお寺だったのですが、徐々に大寺院となっていきます。

花園上皇が宗峰妙超に帰依し、後醍醐天皇が大徳寺を五山の別格上位とした頃が創建隆盛時と思います。
その後、夢窓疎石に帰依した足利尊氏の室町時代になると、後醍醐天皇と深い関係がある大徳寺は衰退、五山からも自ら離脱しました。

一時は荒廃した大徳寺を、一休さんこと一休宗純が堺の豪商・尾和宗臨の援助を受けて再興。
このころに大徳寺の中で四派ができます。

真珠派:一休宗純いっきゅうそうじゅん、真珠庵
龍泉派:陽峰宗韶ようほうそうじょう、龍泉庵
南派:東渓宗牧とうけいそうぼく、龍源院
北派:古嶽宗亘こがくそうこう、大仙院

豊臣秀吉が織田信長の葬儀を大徳寺で行い、菩提寺として総見院を建立しました。
以後、武将による塔頭建立が相次ぎました。

総見院

この頃、村田珠光や千利休が帰依し茶道との関りも深くなりました。
茶道の三千家(表千家、裏千家、武者小路千家)の菩提寺・聚光院も大徳寺の塔頭です。

天皇家、武将、茶道と関わりの深い大徳寺には国宝・重要文化財がたくさんあります。公開されている国宝・重要文化財は少ないのですが、いくつかは特別公開時に拝観・見学することが可能です。


高桐院

通常非公開
利休七哲の一人、細川三斎が創建
茶室 松向軒
歌舞伎の祖とされる出雲の阿国の墓所
国宝 李唐「山水図」

高桐院

真珠庵

通常非公開
一休さんの塔所
七五三の庭
長谷川等伯の襖絵など数えきれないほど多数の重要文化財を保有しています。

「真珠庵 襖絵プロジェクト」で検索してみてください。
禅寺とは思えない襖絵もあります。
以前勤めていた会社の元同僚Kさんが描いた襖絵をいつか自分の目で見たいです。

真珠庵

黄梅院

通常非公開、年に2~3回ほど特別公開があります
茶室 昨夢軒
雲谷等顔「竹林七賢図」

黄梅院


大仙院 

通年拝観可能
国宝方丈、名勝庭園など見どころがたくさんあります。
特に高密集の枯山水のお庭が有名です。(写真撮影不可)
是非一度足を運んで見てください。

大仙院

芳春院

通常非公開
前田利家の松子夫人が創建。
京の四閣の一つ吞湖閣どんこかくがあり、特別公開時に拝観できます。
(四閣:金閣、銀閣、飛雲閣(西本願寺))
とってもきれいな盆栽庭園は通年入園可能です。いつ行っても庭師さんをおみかけします。

芳春院
左が芳春院、右が大仙院と真珠庵
ただの道ですが、何とも言えない静寂な雰囲気があり、この空間が大好きです

聚光院

通常非公開
茶道三千家の菩提寺
狩野松栄・永徳が描いた国宝の襖絵があります。

聚光院

龍光院

拝観謝絶寺院
黒田長政が父の黒田如水の菩提所として建立
国宝の茶室 密庵
国宝の茶碗 燿変天目茶碗 など国宝を多数有しています。

龍光院

龍源院

「京の冬の旅」の特別公開に参加されていたので、見学してきました。
常時拝観可能なお寺で、今回の特別公開では普段非公開の開祖堂の内部に入って見学することができました。
開祖堂を守るために床にカーペットが敷いてあったのですが、カーペットの色が反射して、天井画が赤く見えました。
特別公開で見学できる場所はほとんどが写真撮影不可なのですが、龍源院はめずらしく撮影OKでした。

開祖堂の天井画

龍源院は方丈を取り囲むように複数のお庭があり、それぞれ違う趣きでした。
禅寺ならではですが「お庭の見方は人それぞれですよ」との説明。
私は方丈の南側にある前庭の景色が素敵だなと思いました。お隣の黄梅院の屋根も見えてとってもきれいでした。
周囲に電線もないので、数百年前の人も同じ景色を見たのだろうなと想像できます。

龍源院 方丈前庭 一枝坦(いっしだん)


大徳寺 法堂

通常非公開で特別公開で見学しました。
法堂は高僧が講義するための場所で、天井に狩野探幽の「雲龍図」が描かれています。
龍は仏法を護ると考えられています。

法堂はとっても天井が高く、堂内で手を打つと音が反響します。
特定の場所ではなく、堂内どこでも反響するのが不思議でした。

法堂内は撮影ができません。

同じ臨済宗の妙心寺にも狩野探幽の雲龍図があります。
大徳寺は35歳、妙心寺は55歳の時の作品です。

泉涌寺の仏殿にも狩野探幽の雲龍図があります。

大徳寺 仏殿側から見た法堂
廊下でつながっています


大徳寺 仏殿

通常非公開で特別公開で見学しました。
たまたま涅槃図の公開日(2/14~15)に行くことができて、涅槃図を見て感動しました。

涅槃図が有名な京都のお寺は泉涌寺、東福寺、本法寺、真如堂。
3月に涅槃会ねはんえがあるお寺が多いです。
(涅槃会ではハナクソというお菓子が買えるのですが、そのことはまた別のnoteに)

大徳寺 仏殿

大徳寺の涅槃図は狩野松栄作
室町時代に描かれた涅槃図ですが、とっても色鮮やかでした。

大徳寺の涅槃図には摩耶夫人が描かれていません。
江戸時代以降の涅槃図には摩耶夫人が描かれることが多いとガイドの方が教えてくれました。
涅槃図に猫がいるかどうかが有名な比較ポイントですが、これからは摩耶夫人が描かれているかどうか気になってしまいそうです。

大徳寺の涅槃図

仏殿の天井画は狩野元信「天人散華図」
およそ500年前に描かれていて、残念ながら色あせてしまっていますが、天女が舞っている姿が見て取れました。
同じタイミングで見学していた人の中にはどこに天女が描かれているのか分からない方もいたので、動画ではガイドを追加してみました。

仏殿は焼失したり、経年劣化で取り壊されたりしています。
現在私たちが見ている仏殿は四代目の建物で、約360年前に建替えられています。その際に建替え前の三代目の仏殿にあった天井画を引き継いだそうです。

天井画 「天人散華図」

狩野派の絵師の名前が頻繁に出てくるので、略系図
正信:真珠庵
元信:大仙院、大徳寺仏殿天井画
松栄:聚光院、大徳寺涅槃図
永徳:聚光院
山楽(永徳の長男) 孝信(次男) 光信(三男)
探幽(孝信の長男):大徳寺法堂天井画


大徳寺の道
今宮神社方向へ続いています

大徳寺、妙心寺、相国寺と京都にある大きな臨済宗のお寺は、寺地内を近隣の人が生活圏として行きかっている様子が見れるのも、とっても好きなポイントです。
京都の人にとっては、当たり前のことかもしれないですが、数百年前からあるお寺の敷地内をご近所さんが自転車でさっそうと通り抜けていく様子は、とっても京都らしく、平和で、微笑ましい景色です。



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