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東北とポリパン®︎①

ポリパンは東北で育てていただいた。と思っている。
ポリ袋でパンを仕込むポリパンを思いついたのは震災よりだいぶ前だけれど、ポリパンの凄さと効果を、実践で教えてもらったのは、東北で出会った方々だ。
ポリパンでパンでシャカシャカすると、みんながウキウキと上機嫌になり、焼いたパンを食べたら、とろけそうな笑顔になる。そしたその場にいた人みんなが仲良くなる。ポリパンにはすごい力がある。。。。それを教えてもらったのは、東北の方々です。それを折々に少しずつお伝えしていけたらと思います。

震災直後から、東北に何か役に立てないか?と考えていたけれど、パン屋を運営している以上、なかなか行くことはできない。焼いたパンを送りたくても無添加のパンはダメだと言われてしまった。

 そうこうしているうちに『ポリ袋で作る天然酵母パン』が出版され、ポリパンなら、設備のない被災地でもパンが作れるのではないか?と被災地に行くチャンスを求めていた。パン屋を休業し、初めて、ポリパンで東北におもむいたのは、2012年の春休み。宮古短大の田中教授の担当しているボランティアサークルのお茶っこに参加させていただいた。フライパンとカセットコンロを東京から持参して、深夜バスに乗って、宮古まで行った。深夜バスに到達するまでが大変だったなぁ。

宮古は一年経ってもまだ瓦礫が残りる場所も多く、壊れたままの家もたくさん残っていた。

宮古の仮設住宅では、まだ寒い中、仮設住宅のお茶っこルームに数人のお母さんたちが集まり、一緒にパンを焼いた。同じ仮設住宅にいても様々な地域から来ているので、お茶っこで顔は知っていても深く話したことはないようなお母さんたち。一年経って、聞いても大丈夫かな?と思いながら恐る恐る震災時の状態を伺うと、一緒にお茶っこしていても、お互いの震災時の話をするのは初めて。という人たちもいた。。聞いてよかったのかな?と思いながら、フリフリシャカシャカで体を動かすと、笑顔が溢れる。そして焼きあがったパンを食べたら、最高に嬉しそうな笑顔が!!
翌日は集会所で、30名以上の方々、お子さんから年配の方までまぜこぜでやったら、お母さんたちの陽気なこと、お子さんたちがはしゃぐ様子も、その場に活気を与えていたようだ。

こんなに笑ったのは久しぶり。美味しいパンを食べたのも久しぶり。という感想をたくさんいただいて、その場を後にしたのだった。一年経ってもまだこんなに瓦礫がのこり、壊れた家が残っているんだ。とびっくりしたと同時に、心の傷が癒えるどころか、まだまだ痛みや怒りを胸の奥に押し込んでいるんだろう。また、来なくては。。。そう思って宮古を後にした。

帰りの新幹線でも、パンをシャカシャカすると笑顔になり、焼きあがったパンを取っても嬉しそうに食べる時のお母さんたちの笑顔が忘れられなかった。

東北に通ってい頃の記録 ちゃんとつけてなくて切れ切れですが。

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