麻生太郎　【J-NSC】　【日本の借金についてわかりやすく説明】(11:43)
https://nico.ms/sm12222034
こちらの動画の書き起こしです。質問者と麻生大臣の発言部分のみ。
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質問者：どうもすいません。私も一年前まであんまり政治に興味はなく、ぼんやり産経新聞を読んでる程度の人間だったんですけども。今回、とうとう京都からこんなところまできてしまいました。（拍手）それで普段から、一応周りの人間を色々説得しようと努力をしているんですけども、国の話っていうと、国が危ないとか言って、すぐにわからない人やだいぶ説得しても分からないで「もういいや」って思う人が多くて、普段から麻生さんとかすごくお話が上手だなと思っていまして。なんか分からせるの良いようなお話のコツみたいなアドバイスとかあったらよろしくお願いしたいです。

麻生：皆んなそれぞれ職業も違うし、あれも違うんだろうと思いますが、是非、今の京都の方の話ですけど、世の中で間違ってマスコミが流し、多くの人が信じている話が一つあると思います。それは日本という国が破産するという話。

よーくね、自分で会社を経営している、お店をやっている、自分で帳簿を付けている、いわゆる簿記というものの基本が分かってない人が喋って、分かってない人が書いて、分かってない人が読んでるから、いよいよ話がわかんなくなってるんだと思います。今から分かりやすく例を説明するから。

帳簿っていうのを見れば、まず貸方と借方とふたつあるでしょうが。まぁ、簡単なことを言えば。今お金を借りているのは、皆さんじゃありませんからね。お金を借りているのは政府です。

お金を100借りていれば、これは必ず100貸している人がいなきゃおかしい。帳簿ってのは左と右が必ず揃うことになってますから。100借りてる政府いるんであれば、100貸してる誰かがいる。誰が貸してんです？そうです。国民が貸してんだね。

ところが、新聞を見てごらん。子供や孫に至るまで一人700万円の借金がって。違うでしょうが。700万円の貸付金が起きてるんですよありゃ。貸してるのは皆さん。「いや俺は国債なんて買ってないぞ」と言われるかもしれませんが、皆さんはお金を銀行に預けておられる。銀行は、預金は、そりゃ銀行にとっては借金ですから。帳簿の上で銀行の預金は借金ですからね、銀行にとっちゃ。だから、その借金を誰かに貸して、そのさやを稼がないと金貸しという商売は成り立ちません。銀行ってのは聞こえ良いけど、あれは金貸しをやっているわけですから。金を借りる人が居てくれない限りは、あの銀行という職業は成り立たないんだから。

ところが、今皆んな借りない。誰もお金を借りようとしない。少なくとも預金する人は多いけども、借りる人が居なけりゃ銀行は全部潰れちゃうんですよ。その借りてくれる人を探している金が年間約30兆円ぐらい借りてくれる人が足りない。約30兆。年によって違うけど、ね？誰かそれをくれない限りは30兆円分だけデフレになりますから。それを借りてくれてるのが政府。政府が借りて、皆さんが貸してるの。

てことは、皆さんが貸してるってことは円で貸してんだからね。円で貸してんのよ。日本の国債の94％は日本人が買ってます。残り6％は外国人が買ってるけれども、その人も円建てで買ってるから。だから、100％円で賄われていると思って下さい。

「ギリシャと同じみたいになって大変なことになる」と叫んでた、まだ叫んでるけど。元財務大臣経験者という方がいらっしゃいました、ましたって、ますが、ね？言葉を正確に使わないといかんから。いらっしゃいますが、ギリシャはギリシャ発行の国債のうち、ギリシャ人が買ってんのは3割です。残り7割はギリシャ人は買ってくれないから、しょうがないから、ギリシャ政府は国債相場に出す。国債市場に出す。国債市場は皆んなお金持ちは（聞き取り不明）、ギリシャ人の政府なんて信用できねぇなと眉に唾つけて皆んな見てるもんだから、誰も買わないから、ギリシャはその金利を上げにゃいかん。今、13％。ちなみに日本の国債は0コンマ9とか1コンマ0ですよ。13倍から15倍違うんだよ、金利が。

従って、日本という国は間違っても、日本の政府が借金して皆さんが借金してるのではない。いち。

円で当然賄われているから、いざ満期になったときはどうすればいいか。そりゃ日本政府がやってんだから、日本政府は印刷して返すだけですがな。あなた。だって、日本円なんだから。簡単なことだろうが。外国に返すとなったら、そらドルに換えにゃいかんよ。ユーロの換えにゃいかん。ギリシャなんか皆んなそうです。全然違います。だから返さなくていい。

「いやしかしそんなこと言って財政が破綻します、と大蔵省が言ってます」と言うけど、15年前、武村正義という人がいて、いやまだ死んでおられませんから生きておられますが、武村正義さんという、時の大蔵大臣。細川内閣だったか羽田内閣だったかにおられて、財政破綻宣言というのを言ったんですよ。その時、日本のGDPは500兆です。今とほとんど変わりません、500兆。いいですか500兆ですよ。その時の国債発行（残）高は450兆だった。今、900兆ですからね。あの頃は今の半分よ。稼ぎは500兆変わらず。破綻してないじゃない。倍になったんだよ。しかも金利はどうだ。あの頃は金利は3コンマ2ですよ、たしか。今1％。おかしいじゃない。どうして会社の内容が悪くなったら金利は上がるのが当たり前だろ。なんで日本だけ下がんだね。世界中（よりも日本の）内容が良いんだって。大蔵省がえらく危機感を煽ってみたり、ね。

新聞は訳のわからない政治部が経済がわかったようなつもりで書いてみたり、ね。それまたわかったつもりで読んでみたりする人がいて、話がどんどんどんどんエスカレートしてるけれども、現実問題、金利は下がっとる。上がる上がるって20年間ずーっと下がったよ。ほとんどずーっと一貫して下がったね金利は。それが日本という国の持ってる力ですよ。皆さんの力だよこれ。政治家の力でもなんでもない。

これは国債マーケットが決めてんだから。こんな景気が悪いのに円が上がるって、他の国の通貨のほうがもっと悪いから。他の国の経済のほうがもっと悪いからこうなってるだけで、是非その点を考えて、決して悪くない。

まずこれだけ頭に入れて、少なくとも家庭で考えたほうがわかりやすいよ。「父ちゃん会社困ってるんだ、ちょっと母ちゃん金貸してくれ」って言って母ちゃん金利取るか？なかなか父ちゃんに貸した金、お父さんって言って取り返しにもしにくいし、ね？なかなかそういうような具合に、だって同じ郵便局に預けてんだって、国債買ってんだって同じ国だったら、同じことでしょうよ。左のポケットから右のポケットに入れ替えたって、世界中はそれ知ってるから。「あいつら円だけでやってんだろ」と。皆んな思ってるんですよ、世界中でこういうことやってる人は。

だから、いくら「大変だ大変だ」って言ったって、世界中は日本の国債を買いたがるんですよ。金利がこんな安いのに、間違いなく。そして円は、ついこの間まで240円だったんだぜ。今、83円4円5円。えらいことですよ。そういうぐらいになってくりゃ、じーっと持ってたら、そりゃどんどんどん円で持ってりゃ円の値打ちが上がってきゃ、外国人はそれ持ってたほうがいいもん。高くなるんだから。そういうことを計算して世界中、お金持ってる人達はお金動かしてる。是非、そこのところだけ頭入れといてもらうと。

帳簿に例えるのと、お母ちゃんから金借りる話と、これぐらい因数分解して、こう分かりやするくすると、だいたい通じてもらえるんじゃないかと思ってるんですけども。