見出し画像

ニホンゴムズカシイ

僕は小さい頃から読書が好きで、若い頃は年間100冊以上は本を読んでいました。大学も文学部を卒業し、主に日本文学を学んでいました。
仕事が多忙となり、さらに老眼も日に日に悪化していることもあって最近では読書も億劫となり、極端に読書量が減ってしまったのですが、今でも旅先などで時間があると老眼鏡をかけながら読書をしています。

そんな僕から見て、おかしな日本語だなと思う言葉が増えています。

昨今流行りの言い回しに「◯◯しかない」という言葉があります。
スポーツ選手などが優勝した時のスピーチで「ファンの皆様には感謝しかないです!」とか言うシーン、見たことありますよね。

その「◯◯しかない」という表現、違和感しかないです。

あ、使っちゃった!
いや、違和感はおおいにあるんですよ。でも違和感のみではなく、確かに何かの物事を大袈裟に表現する際には使いやすいとも思うんです。
と、このような部分が少しでも含まれたら「◯◯しかない」という表現は間違いだと考えてしまいます。

他にもあります。
「最高の景色を見せたい!」という表現です。
これもスポーツ選手が使ったことによって広まった印象がありますが、景色というのは本来大自然に対して使う言葉であり、超満員の観衆や、勝利によって大きく盛り上がった状況に対しては、光景という言葉を使うのが正しいはず。

スポーツ選手が言葉を誤用するのはいたしかたないと思います。選手はスポーツを極めていることが重要なのであって言葉に対して無知だとしてもそれは大きな問題ではない。
しかし言葉を扱うメディアがその言葉を大々的に使用することによって、言葉に対して無知な人達がそれを使い、常用化されつつあるのはどうなのだろうと。

昨今の若者は読解力に乏しいと言われます。文字数制限のあるSNSに慣れすぎていて長文を読んでいられないことが大きな原因でしょう。
実際僕も様々なSNSでカレーの情報を発信しているのですが、毎回写真と共に「最寄り駅名、店名、商品名、短く感想と説明」を書いているのですが、そんな投稿に「美味しそうですね! どこのお店ですか?」とか「これは何のカレーですか?」とかいう類の質問がよく来ます。

読めよ!

と思いながらスルーすることにしています。

まだあります。
敬語について。

「◯◯させていただく」という言葉。
これは本来は謙譲語なのですが謙譲語としてではなくおかしな丁寧語として使われているシーンを最近よく見ます。

「この商品を買わさせていただいて」
とか
「入籍させていただきました」
とか
「卒業させていただく」
とか、それはもうたくさん。

商品買うことを禁止されているわけでもないのに、入籍するのはいけないことではないのに、卒業できたのはお前が頑張ったからなのに、させていただくってのはねぇ。

仕事においても同じ日本人のはずなのに言葉がうまく通じずにコミュニケーションを取りにくいと感じることが増えてきました。
SNSばかり見ていては正しい日本語は身につきません。

このような状況を危惧し、こちらのnoteにまとめさせていただきました。

あ、使っちゃった!
と、これも使いやすいんですよね。だからこそ気をつけないといけないという話です。
かく言う僕も無意識に使ってしまっていることがあるかもしれないので、自戒の念も込めて。

最後に、僕のnoteを愛読してくれているアイドル達へ。(先生のnoteいつも読んでます!とよく言われるので)
ここまで読んでくれた読解力あるあなたならわかってくれると思いますが、アイドルは表現者です。素敵な表現者となる為にも、先に挙げたような使い古された表現ではなく、あなた独自の表現で様々な物事を語ってください。
それができている人を見ると、僕は素敵だなと思います。拙い言葉でも良いのです。誰かの真似ではなく、あなたの心の中から生まれた言葉で表現してください。


最後の最後に蛇足。
写真は日本語を話せるには話せるのですがスピードや発音が独特なので周囲に理解されにくいインド人シェフと、そのシェフの言葉を聞き取れる二人と、まるで聞き取れなかった三人。
僕は聞き取れる方の一人なのですが、久しぶりに会ったせいか聞き取り能力が衰えていたのでまた遠くないうちにシェフの話を聞きに行かねばと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?