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クレジットカードが嫌いな理由

僕はクレジットカードが大嫌いです。憎しみすら持っています。
なぜかと言うと、僕はクレジットカードを作れたことがないからです。
と言うと借金があったり踏み倒したことがあったり収入が少ないと思われがちですが、そうではありません。
借金はゼロですし何かの支払いを踏み倒したことなど一度もありませんし収入は平均以上にあります。
なのに作れないのです。

このような話をすると、同世代のフリーランサーからは共感を得られるのですが、フリーランサー以外からは共感されませんし、フリーランサーでも同世代じゃないと共感されないのは何故なのだろう?と考えていました。

最近仕事の関係でクレジットカードが必要となったのですが、クレジットカードを持っていない為、結局その仕事を受けることができないという事態に陥りました。
これでまたクレジットカードに対する憎しみがさらに募ったわけです。
デビットカードは持っているので支払い等でどうしてもカードが必要な場合はいたしかたなくデビットカードを使います。本当は使いたくないのですが、昨今現金精算ができない飲食店もあり、そうなると本当にいたしかたなくカードを使います。本来現金精算できない飲食店は利用する気も失せるレベルなのですが、そこに美味しいカレーや美味しいチーケーがあるならそれはもう文字通りいたしかたなく、ということになるわけです。

今回の場合はデビットカード不可でクレジットカードを持っていないとその案件を受けられないというものでした。
「カードをお作りになる予定はありませんか?」と聞かれて、作りたくても作れないっていう人間がいることを知れ! と思い、これを書いている次第です。

カードを作れない理由の主たるものは上記に挙げたように、借金が多い、過去に踏み倒したことがある、収入が少ない、等、返済能力が無いと判断されるケースがほとんどなのですが、それとは別にカードを作れない理由に「スーパーホワイト」であるということがどうやらあるのだそうです。

スーパーホワイトとは何かというと、過去にローンを組んだことが一度も無い状態で、ある程度の年数が経っている人のことです。
これで最初に書いた同世代のフリーランサーがなかなかカードを作れないということが理解できるでしょうか。

僕が若い頃はカードはまだそれほど普及していませんでした。もちろん存在していましたし、半分くらいの人は持っていて利用していたことかと思うのですが、まだまだカードが使えるお店は少ないという状況でしたから、カードを作ろうなどと考えたことはありませんでした。
そんな僕がカードが必要になったのは30代に入ってから仕事で海外へ定期的に行くようになった時です。
海外はカード払いが主流な国も多く、カードが無いと困るということで作りに行ったのですが、全く作れませんでした。借金も無ければ踏み倒した事もないのに。当時は平均以上の収入とは言えませんでしたが、それでも少なすぎるという事もなく、納税もちゃんとしている状態だったのにできなかったのです。
学生でも作れるよと言われて作りに行った所で審査が通らず、にこやかだった担当者の顔が一気に怪訝な表情に変わったことは忘れません。
その際に理由を聞いてもわからないとのことで、聞けば聞くほどこいつは怪しいという表情に変わっていきました。
他の場所でも同様でした。
カードを作れない理由の一つに、短期間で複数のカード会社に作りに行くというものもあるようです。
この時は恐らくこれにも引っかかったのでしょうが、とにかくどこでも最初はにこやかだった担当者が、審査が通らないことがわかった瞬間、犯罪者を見るような目で僕を見たことは本当に忘れられない屈辱なのです。
ちなみに言っておくと逮捕歴も犯罪歴もありませんし、もっと言うとバレていない犯罪の経験も無いですからね。こう見えて真っ当に生きているのです。

当時はインターネットも今ほど普及していませんからネットで調べればすぐに色々なことがわかる状態ではなかったので、何故カードが作れないのかわからず、時代を経て後からわかったのが上記の理由でした。
学生など若い人ならローンを組んだ事も無い人も多いので審査が通るのが、30代や40代で一度もローンを組んだ事もカードを作った事もないとなると、過去に何か問題を起こしてカードを作れない状況になっていると勝手に判断されることがあるのだそうです。
それがスーパーホワイトだというのです。
全くもっておかしな話です。

40代に入り、もう一度カードを作りに行ったことがあります。その時もやはり作れませんでした。仕事もうまくいって平均以上の収入となり、借金もせずにコツコツと貯金を増やしている状態で、納税額も人並み以上となっても、やはり作れなかったのです。
これはスーパーホワイトだからという理由以外に原因が見当たりません。
同じように過去にカードを使わずにずっと今までフリーで仕事をしている人にしか僕と似た状態の人がいないからこそ、同世代のフリーランサーにしか共感されないというわけです。
携帯電話も実質無料のローンで買わないのですか? と聞かれる事もあるのですが、僕はいつだって現金一括購入です。
ローンとはつまり借金であり、僕は借金をすることが嫌なのです。
そもそも今までに色々と嫌な思いをさせられているカードを作る為に、ローンを組むというさらなる嫌な思いを重ねることは絶対に嫌なのです。

レアケースなのでしょう。
僕はいつだってマイノリティなのです。だからイレギュラーが常に起こりうるのです。

そんなこんなでこちらに落ち度は無いのに作りたくても作れないという怨みや憎しみをもっているので、現金精算できないお店を好まないですし、このようにカードが必要な仕事なんて受けなくても良いと考えています。幸い仕事は十分にあり、その仕事を失った所で困りもしませんから。

とは言えコロナ禍によってカード払いが普及し、現金精算できないお店も増えてきました。今後上記のような仕事も増えていくのかもしれません。
そうなったら時代に取り残された老人となっていく他無いのですが、昨今よく言われる多様性とはそのような人とも分かり合える社会のことでは無いのかとも思います。
どうも多様性という言葉は偽善者の武器として使用される事が多くて胡散臭いなと感じているのですが、本当の意味でマイノリティにも優しい社会であってほしいものです。
借金もなく、踏み倒した事もなく、収入も平均以上にあるのにカードを作れないスーパーホワイトというマイノリティに対しても。

というわけで、これを最後まで読んでくれた心優しいあなたは少なくとも、このような人間が一定数いるんだということを理解した上で、仕事をしてくれたらと思います。
例えばカード精算しかできないということを辞めてみるとか、クレジットカードOKでもデビットカードNGということにはしないとか、そういう風に。
我々は団塊ジュニア世代(正確に言うと僕は1年だけ遅い)であり、人口でいうと結構な割合をしめます。その中のマイノリティは、実は相当な数になる可能性があるので、そこを救う何かを生み出す事ができれば、それなりに仕事としても可能性が生まれるのでは無いかとも思うのです。

そして今若い方々は、早めにカードを作っておいた方が良いですよ。カードを持っていないのは現代社会においてはとても不利なことですから。

僕はもう作る気はありません。精一杯抗って生きていきます。

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