ドルオタが考える、にじさんじ箱推しの限界

近況:10/16に発売されるCDを160枚予約しました。

あくまで「予約」に過ぎないため、実態のないもの160枚分のため、まだ実感がないのですが、今後段ボール数箱に分けて自宅に届くであろうCDたちの置き場を考え、前回のCD残り40枚分をどうするか考えあぐねています。

前述のように、男性アイドルとVtuber(にじさんじ・特に卯月コウ)が好きなオタクとしては欠かせないイベント『にじさんじ Music Festival』(10/02開催)に参加した。ドルオタらしくきちんとキンブレの電池も替え、S席のチケットを入手し、ウキウキで当日臨み、まず、何はさておき、とてもとても楽しかった。

前半のDJパートでは、咎ノワール「I'm gonna be OK」のフルが流れた瞬間、あ、これ死んじゃうな、と覚悟をし、案の定 NZMN「メラメラハート」のイントロが聞こえた時点で瞬間キンブレをイエローにセット。常に飛び跳ねながら、2番Aメロの「隣でくつろぐ君に」で始まるソロパートに卯月~!と腹から声出して叫んだ。基本ずっと飛んでたな。

後半の要であるライブパートは、pure♡palet お2人のなめらかなダンスにぎゃわいい!と野太い声を上げ、ChroNoiRの「俺たちのお姫様ー!」に、こ、こんなんリアルアイドルにも言われたことないよ!と「ハーイ!」と返事をし、チャイカさんの「銘柄は~?」コールに涙が出、それからJK組の圧倒的なオーラに胸が詰まった。キンブレを細かにカラーチェンジするのは初めてで、手と目を10個ずつくれよ!とずっと思っていたくらい、とにかく楽しかった。

つまり、ライブ自体はとても楽しかった、という大前提のうえで。

ライブ終演後、幕張メッセはどうしても舞浜から帰る人波とごちゃごちゃになり、呼吸困難になりがちだが、それすらも凌駕するほど幸せな余韻を引いていた。同行していた人と一緒にウキウキで、次回ライブのチケットも予約するよね!とバーミヤンでチャーハン定食を頼んでサイトを開いたところ、金額が目に飛び込んできた。S席16,500円、A席8,800円。謎のサービス料が770円別途掛かるため、実際はA席でも1万円に迫る。

高い。いや、チケット代、高いぽよ。

先日、ヒプノシスマイクの舞台が18,000円で高いぞ!と炎上していたが、オリジナルCDにバッグやTシャツなどのグッズが一通り付いた値段だ。両国国技館がとてつもなく高いのかと思い前後に開催されるアーティストのチケットをチェックしたが、1万円を超えるものは見当たらなかった。人気の歌い手ユニットのライブは5,000円だ。機材的な問題なのかと考えたが、初音ミクのライブ「マジカルミライ」はSS席で9,000円。先日のヒメヒナのワンマンライブは8,080円。そもそも超国民的アイドル嵐のライブでも1万円は超えない。た、高い。やっぱり高い。そもそもヒプノシスマイクの舞台と違って、何のお土産が付くのかも明かされていない。

ただ、私は金額が高いことを声高に責めたいわけではない。立体映像になるのでは?という推測もあるし、機材費や、大人数出演するとなると人件費もかかるだろうし、1ファンからすると、経費の内訳は解らない。では何が引っかかったかというと「私が高いと感じた」ことだ。

突然の自分語り(今更)だが、私は、どちらかと言えば、コンテンツにお金を落とすタイプだと自負している。何せ年間でCDだけでも300枚に迫ろうとしているのだ。増税によって値上げされたため、1枚1200円。しかも札幌や盛岡で買っている分もあり、遠征費は別である。Vtuber関連でもリアルイベントは昨年の町会議では秋田駅から車で1時間半かかる場所まで行ったし、コラボカフェもだいたい行っているし、遠征して『KANA-DERO』にも参加した。Mirrativやキャスでの投げ銭もしている。ただ、やっぱり今回と同じスタイルのライブだとしたら16,500円は厳しいぞ、と感じたのは、なぜか。ライブ自体はとても満足だったのに。

その理由が、にじさんじ Music Festivalがあくまで箱推しのライブだったから、だと結論づけている。

そもそも、彼・彼女らは歌手ではない。歌が上手いメンバーも多いけれど、歌手だという売り出し方をしているメンバーはいない。では、ファンは何に盛り上がっているのかというと、もちろん曲を含め、その裏にある物語に拳を突き上げてる部分もあるのではないか。「KANA-DERO」の、委員長と楓ちゃんが歌う「命に嫌われている。」に全員が涙したのは、これまでのふたりの軌跡を知っていたからではないのか。今回、単なるユニットとは別でペアになっていたコンビに沸けるのは、その2人の仲良しさを知っているからではないのか。そもそも曲自体も半分はコピー曲だったわけで。ということは、裏を返せば、本人たちのストーリーを知ることでライブが楽しめる、という事実がある。

アイドルはどうなのか。ちょうど、8月に推しユニットの所属する事務所ライブが開催された。場所も幕張メッセだ。アイドルオタクは、推しユニット以外に本気で興味がない人たちも多い。にじさんじではJK組に位置づけられるようなグループの時ですら、推しでなければインスタを見て私語しているオタクも少なくない。それ自体の善し悪しはともかく(いや絶対良くないけれど!)にじさんじ Music Festivalでは、全組にほとんどの参加者が一体となって盛り上がっていた。つまり、あくまで箱推しなのだ。JK組が好き!というだけでなく、にじさんじが好き!という気持ちが強い。

しかし、にじさんじのメンバーは着々と増えている。今や、全84名だ。人間の可処分時間には限界があり、推しの活動を追い、仕事や生活をしていると、84名全員のストーリーを知るのは難しい。私はハマったタイミングが2018年春頃だったため、今回出演のメンバーはおおよそ把握できるギリギリのラインだった。近頃では、正直、名前や顔が一致しないメンバーもちらほら出始めている。

全員は把握できないとなると、個人を推すことになる。あるいは、推しの周辺をまとめて好きになるというパターンになるだろうが、今回の「にじさんじ Music Festival」において、各人の出演時間は1曲+MC10分足らず。推し+周辺の2~3人を観に行くためだけにチケット代を支払うと考えると、あまりにもコストパフォーマンスが悪い。これが、倍になったチケット代を支払うのに躊躇する大きな理由になった。ちなみに、前述のアイドルの事務所ライブの場合、各ユニット2~5曲(人気によって差がある)+シャッフルユニット+オープニング・エンディングで、推しは結構な時間舞台に立っている。

それと同時に、84名を箱推しするのに難しいのがどうしても格差が出る、という点だ。ライブに出演するためには3Dの体を手に入れなければならないが、そのためには登録者が10万人必要である。めちゃくちゃ楽しみながらも、途中で何度か「私はNZMNをこの舞台で見たかった」と頭を過った。本人たちの努力不足とか、そういう問題ではない。10万人というのは多大なる労力が必要で、わたしがあと5万人になったら良いのにと思った。友人は、推しが両国国技館で歌えないという事実を受け止めれず泣いていた。自分の推しが出演できない、とはいえ所属している箱推しのライブに、どのくらいなら払えるのだろうか……。

正直私は、NZMNがライブをやってくれるなら、5万円くらいまでならハイ!と差し出せるし、場所が釧路でも何とかする。せめて推しの出演時間が20分以上あれば、もう少し出して良いと思ったかもしれない。今回のライブに推しが出てないからじゃんと言われてしまえば元も子もないのだが、推しが出ていた人もやっぱりもう1・2曲くらいは見たくなかっただろうか。出演時間が短いのも、出演メンバーが多ければ避けられないのもある意味解る。

アイドル界隈にいるのでつくづく感じるが、金を出すオタクはやっぱりガチ恋しかり、激しい同担拒否など、強い愛を持っている人間だ。CD3桁買ってゴチャゴチャ言っているが、先日横に並んだ人は1回のイベントで100枚買っていた。俳優の強いファンは全通が基本とも聞く。きつい言い方になるが、箱推しでないと楽しめず、推しが出る時間は10分前後であるイベントに最低1万円払えるか、というのはオタク試されているな、と感じてしまう。逆に言えば、箱推しの人間が1万人以上いれば問題はないのだろうが、どんどん人数が増えるなかで大手を振って「にじさんじ箱推しです!」と言える人はどうしても縮小してしまうのではないか。

話は変わるが、私はNZMNのメラメラハートが大好きだ。アイドルで例えるとDISH//の曲を思い出す。共有できる人がいないので、遠征先のホテルでドルオタの友達にメラメラハートを聴かせて、いいよね!?と揺さぶりをかけていた。男子目線の歌詞を、ノリノリな曲に乗せて、ライブで盛り上がらないわけがない。「JK//」NZMNで歌ってくれないですかね…。あのねー僕ねー大人になったらねーサドルになりたい!っていう卯月コウめちゃくちゃ解釈一致なんだけどな…。


私が石油王で16500円、ホホ、はした金ですよとほいと出せる人間ならよかったのだが、いかんせん一般会社員なので文句を言ってしまい、本当に申し訳ない気持ちはもちろんある。が、その一方で、やっぱり推しが出演しないイベントがどんどん打たれていくのに悲しい気持ちもある。私が分身することはできないから、推しに今すぐ3Dの体をプレゼントもできない。

解決方法は、個別でもっと小さい箱でライブやイベントをやる、というわけにはいかないのだろうか、と思っている。アイドルの事務所ライブも年に1回のお祭りなので、普段のライブと、年1のにじさんじ事務所ライブのように切り分けるとか。そしてNZMNのワンマンも観たい。これは完全に私利私欲です。豊洲pitとかZeppダイバーシティとか、いかがですか。

ちなみにこんなことを書いているが、普通にA席に申し込んだ。色々思うことはたくさんあるのだけれど、やっぱり楽しいライブでした。


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