なるべく教えない

できるだけ「教えない」。

子どもの能力伸長には、「経験」が必要です。

子どもが日々どのような「経験」をするか。
この経験の差によって、子どもの能力は飛躍的に成長することもあれば、かえって能力的には後退してしまうことがあります。

私たちは、でき太のプリントをお子さんが進めていくときには、問題の内容を解説したり、説明をしたりといった「教え込み」をできるだけしないようにアドバイスさせていただいております。

とくに文章題の学習では、安易に図を描いて説明をしたり、教えたりしないようにお願いしております。


なぜ、そのようなアドバイスをさせていただくのかといえば、問題の解き方を教えるということは、子どもが問題を解くことで得られる貴重な「経験」の場を奪うことになるからです。


もしお子さんが、すぐにわからない文章問題を、自分で図を描いたり、絵を描いたり、何度も問題を読み返すなどして、自分の力でようやくできたとします。

この「経験」は、お子さんが「自分の力でできた!」という成功体験を経験できたという意味で、自分という人間の“価値”を高めることになります。
このような成功体験をたくさん経験することで、子どもははじめて『自分の能力』に自信が持てるようになってきます。

子どもの能力伸長には、この自信という原動力が欠かせないのです。


逆に、すぐにわからないような文章題を、すべて教わってできるようになったケースでは、子どもは前述したお子さんのような本物の自信は持てません。

「教わってようやく理解できた」
「教わらなければ、きっとわからなかっただろう」
「むずかしい問題は教わらなければできないんだ」

というような負の経験が子どもの中に残ってしまい、なかなか自分という人間の価値を高めることはできません。
教わる経験が多く、本物の自信が持てないお子さんは、たいてい伸び悩みます。


子どもがわからない問題を考えている姿や、何度も何度も問題を読み返して頭を抱えている姿を目の当たりにするのは、私たち大人にとっては辛く感じることもありますが、そこはグッと我慢して見守ってあげる必要があります。

なぜなら、それはお子さんにとってすべて能力伸長に必要な「経験」だからです。

私たちは、子育て、教育という名のもとに、子どもが本来「経験」しなければいけないことを先回りして教え込み、かえって子どもの能力伸長の場を奪っていることがあります。

ここは多くの人が陥る落とし穴です。

できるだけ教えずに、最小限のヒントにとどめて、できるだけ子ども自身の力で問題解決させてあげてください。

「あなたの中にはすばらしい能力があるね!」ということを経験させてあげることが、とても大切なことなのです。


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