なぜ「でき太くん」は、算数(数学)1教科なのか?
でき太くんの算数クラブは、算数(数学)1教科しか扱っていません。高学年になれば、理科や社会の勉強も始まりますし、英語や国語などもあります。
なぜ、でき太くんでは、他教科の学習材を扱わないのでしょうか?
当算数クラブによく寄せられる質問が、まさにこの質問です。
小学校5・6年生や中学生のお子さんを持つお母さんから「でき太くんでは他の教科の勉強はないのですか?」という質問をたくさんいただきます。
そのたびに私は、「1教科、胸を張って自信が持てる教科ができると、他教科もグングン伸びていくので、大丈夫です」と答えています。
このように答えると、ほとんどの人が「本当にそうかな?」とスッキリしない様子で、疑問が残るようです。
しかし、質問をされるお母さんと私とでは、立っている立ち位置が全く違うのです。だから、お母さんの心に疑問が残るのだと思います。
では、お母さんと私とはどこが違うのでしょうか?
お母さんの頭の中には、理科や社会の教材を子どもに与えたり、勉強を教えてくれる塾などのイメージがあるのだと思います。
つまり、高学年になると勉強が難しくなってくるため、通信教材や塾などを活用して、子供に勉強をさせないと、不安だということだと思います。
このような言い方をすると失礼になるかもしれませんが、お母さんは不安を解消するための教材や塾を探して、子どもに勉強をさせたいのだと思います。
子どもが勉強でつまづいたり、取りこぼしたりして、手遅れにならないうちに、良い教材や塾を探して、勉強をさせたいとお母さんは思っているのだと思います。
このケースでは、お母さんも子どもも自分の能力に自信を持てず、不安な状態なのではないでしょうか?自分の能力に自信が持てず、不安だから塾の先生に勉強を教えてもらおうと考えたり、良い教材で勉強をさせようと考えているのだと思います。
親も子どもも「自分の能力に自信が持てない」状態で始める勉強は、他人に依存する傾向が強いので、ほとんど成功しません。
それに対して、私の立場は次のようなものです。
1教科でも、「自分の能力はまんざらではない!」という自信がつけば、他教科もグングン伸びていくという考え方です、
私は、たくさんの教科を勉強させることが目的ではないのです。
1教科で良いので「自分はできる!」「自分の力で問題解決ができた!」という体験を子どもにしてもらうことが目的です。
この体験こそ、すべてに通じる原動力になります。
これは「自己肯定感」という自信です。
自分の力で問題解決ができるようになると、自分なら算数(数学)だけでなく、どの教科でも「自分の力で問題解決できる」という自分の力を信じる生き方ができるようになります。
つまり、1教科でも「自分を信じる力」を体験できれば、そのエネルギーで、他の教科もどんどん消化していくことができるのです。
実際このやり方で、私は数多くのお子さんの学習指導をしてきました。
そして、自己に対する自己肯定感をしっかりと持つことができたお子さんは、他教科の成績もグングン伸長させていきました。
一方、私に質問をしてきたお母さんは、我が子の能力に不安を持っているのです。
もちろん子ども自身も、自分の能力に自信が持てないでいます。
自分に自信が持てないから、塾や教材などの外部の力をあてにしているのだと思います。
どんなことでもよいと思います。
自分に自信がある人は、そこを中心にして他のこともどんどん自分のものにしていくことができます。
しかし、この逆は成立しません。
我が子が「1教科、これが得意だと言って、胸を張れる教科を作ること」。すべてはここから始まります。
みなさんは、昔の水くみポンプをご存知ですか?
ポンプに「呼び水」という水を少し入れてやると、ポンプから水があふれるように出てきます。
1教科は、まさにこの「呼び水」です。
一つ自信がつけば、泉のごとく自己に対する肯定感という自信が湧いてくるのです。
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