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1年生向け専門科目「情報デザイン基礎II」で 「サービスデザイン」について話しました

情報デザインコース1年生向けに「情報デザイン基礎」という専門科目(講義)があります。前期が「情報デザイン基礎I」後期が「情報デザイン基礎II」です。これから情報デザインコースで学ぶ1年生に「情報デザインとはなにか?」ということを伝える「概論」的な位置付けの授業で、専任教員がそれぞれの専門分野について話すパートがあります。今週は、僕の担当で、「サービスデザイン」について話しました。
ここではその授業の一部を紹介します。前半は、最近の「サービスデザイン」や「医療とデザイン」「社会課題の解決」などの関連するトピックスについて、後半は、多摩美のサービスデザインの作品紹介です。すべてを再録することはできませんが、雰囲気は伝わるかなと思います。

おそらく入学前(高校生・受験生)にサービスデザインという分野を知っていた1年生はほとんどいないと思いますし、それ以前に、かたちのない「情報」を扱うということもまだピンと来ていない時期です。講義では、まず最近の「サービスデザイン」や「医療とデザインの関わり」「社会課題の解決」などのトピックスを話しました。デザイナーが社会に貢献できる新しい分野の兆しや将来の仕事の可能性として、ウェブサイトを見せながら事例を紹介しました。後半は、3年生の「サービスデザイン(ヘルスケア)」の課題作品や4年サービスデザインゼミ(吉橋ゼミ)の作品を見せながら「サービスをデザインする」ことについて解説しました。手元にあった「ペットボトルのブレンド茶」を引き合いに、パッケージやボトルのデザイン(見かけ)、広告などのデザインと、「サービス」と対比させて説明をしてみました。

●前半に紹介したサイトのリストです(全てを網羅しているわけではありません)
▼SDGs
国連(英文)
国連広報センター(日本語)
外務省

▼社会課題の解決、コミュニティデザイン
武蔵野美術大学造形構想学部クリエイティブイノベーション学科(2018.4開設)
東北芸術工科大学コミュニティデザイン学科
 東北工業大学コミュニティーデザイン学科(学科サイト)
青山学院大学 コミュニティ人間科学部(2018.4開設)

▼サービスデザイン
武蔵野美術大学×日立製作所のプロジェクト
日立×ムサビ共同アイデア創出ワークショップがスタートした!(PARTNER)
【その1】日立×ムサビ共同ワークショップ最終プレゼン@中央研究所に行ってきた!(PARTNER)
【その2】日立×ムサビ共同ワークショップ最終プレゼン@中央研究所に行ってきた!!(PARTNER)

金沢美術工芸大学「サービスデザイン」(2年生必修60名)
サービスデザインをデザインの基礎として捉え、実践的に学ぶ授業、金沢美大で今年も行います(グラグリッド編集部)(記事中に2017年度の作品リストあり)
未来を切り開く礎をつくる。 金沢美大サービスデザインプログラムレポート(グラグリッド編集部)
金沢美大のサービスデザイン発表会2018 始まっています(グラグリッド編集部)

▼多摩美術大学の取り組み事例:医療とデザイン、社会課題の解決
昭和大学×多摩美術大学 医療現場の課題をデザインで解決(プロダクト)
日本赤十字社との産学共同研究「赤十字子供の家プロジェクト」(デザイン3学科:グラフィック・テキスタイル・環境)
 保護された先にある場所。虐待された子どもたちが暮らす施設を訪ねた(BuzzFeedNews)
順天堂大学×多摩美術大学 「医療におけるサービスデザインの研究」(2106)(情報デザイン学科吉橋ゼミ)
順天堂大学×多摩美術大学「医療におけるサービスデザインの研究」 共同研究(2107)(情報デザイン学科吉橋ゼミ)

●後半に紹介したのは以下の学生作品(参考作品)です。
▼3年サービスデザイン(医療法人社団KNI, NECとの共同研究)から
「めでぃくま:薬を運んでくれるドローン」(2016)
「NURSE IDOL PROJECT:応援すると健康になれるアイドル」(2016)
「八王子健康ごはん:健康的でおいしい病院食レストランの提案」(2016)
▼4年卒業研究制作から
「たんじょうびまでにできるかな?:待つことのデザイン」(2014)
「おくすりラボ」(2016)
「女子高校生向けソーシャルネットワークサービス『VIBES』」(2016)
「観劇初心者がより演劇を楽しむためのサービス」(2017)
「ショップコネクト:車とお店が繋がる ショッピング体験サービスの提案(コネクテッドカーのUX)」(2017)[リンク先いちばん左の画像をクリック]


1年生が社会に出るのは4年後の2022年、就活は(まだそういう制度が残っていれば)2021年に始まります。いま目の前にあるデザインの仕事が彼らが社会に出る時にもまだ主流の仕事であるかはたぶん大人にもわからず、ひょっとするとAIが様々なデザインの仕事をこなし、スマホを持たない日常かもしれません。
いま目の前の課題にきちんと取り組む一方で、変化の激しい時代に先を見る眼、変化に対応するしなやかさも身に付けて欲しいなと思います。そのためにどんなデザイン教育をしたらいいのか?というのは、カリキュラムをデザインし授業を設計し、課題を設定する側に日々問われている難問です。

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