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デザイン教育(基礎)についてのメモ

Mediumからの転載です。)

少し前(昨年の冬)に、IT・スタートアップ界隈での「デザイン教育」や「デザイナー教育」について考える機会があり、その時に検討用に書いたメモです。(その後、諸事情で具体的な検討はストップしています。)
不完全なメモで抜け漏れありますが、何かお役に立つかもしれないと思い公開してみる次第です。(当時のメモを調えて、少し加筆してます)
単発のワークショップならやればできるのですが、ある程度体系立てて教えないと効果が出ませんし、教育プログラムを動かそうと思うとかなりのリソースが必要なのでいますぐ何か提供する状況にはありません。(ぜんぶはできませんし。)


以下は、学ぶべき項目についてどんなものがあるかリストアップしたものです。BootCampのように短期で教育することになると思うので、ここからさらに選ぶ必要があります。(基礎を本気でやると、美大みたいに丸々2年間かかるので)
注:このメモを書いた時は「短期で」と思っていましたが、最近は基礎の重要性を再認識するようになり、時間をかけた方がいいのでは?とも思います。

▼基礎編(応用編は未検討):
1.カリキュラムの考え方:
・スキル獲得というよりもリテラシーを身に付けるのが主な目的。この後、自分で学べるように「ひき出し」をつくる。
・インターン~新人~実務経験3年~くらいまでを想定。
・OJTで学ぶほうが良いもの(プロトタイピングツールなど)は除外。
・新技術にキャッチアップする項目は除外。(それは業務で)
・すでに講座や学習リソースがたくさんあるウェブ系は除外。(別カリキュラムで)

2.目標到達レベル:
 1)→3)へむけて向上させる
1)言葉を知っている・やったことがある
2)できる。自分や他者のデザインのレベル感が把握できる。
3)概念や用語の意味がわかり議論できる。このあと自学自習できる。

3.表現技法(実技・演習):
[つくりながら学ぶ。必要に応じて理論で補足]
・鉛筆デッサン
・色彩:色面構成ほか+色彩学(理論)
・文字:タイポグラフィー
・ロゴ
・インフォグラフィックス
・イラストレーション
・写真
・映像
・音,サウンド、音声
・動き(アニメーション)
・インタラクション
・エディトリアル/レイアウト
・ストーリーテリング

4.発想のトレーニング:
・フィールドワーク
・ブレインストーミング
・アイデアスケッチ、アイデア展開
・ビジュアルシンキング

5.コミュニケーションのスキル:
・インプロビゼーション(即興演劇)(発想法としても)
・ファシリテーション
・グラフィックファシリテーション
・プレゼンテーション
・ディスカッション(デザイン批評 ←OJTかも)

6.リサーチ:(基礎よりもOJT向きかも)
・リサーチ手法いろいろ
・評価手法(ユーザーテストなど)

7.マーケティング(これもOJTかも?)
・マーケティングの主要な理論・手法を概観

8.知識・教養:
1)デザインに厚みや深みを出すための知識
・美術鑑賞(美的センス、経験値を上げる)
・デザイン史、美術史
2)異分野と接続するための一般教養(この部分追加)
・政治(ソーシャル系含む)
・経済(金融、社会システム)
・経営(マネジメント,組織)
・哲学(AIに関連して)
・倫理
・医療・福祉(ヘルスケア分野)など。(必要に応じて)

9.追加(必要なら)
・プログラミング(ビジュアル表現含む)
・立体の基礎
・空間の基礎

2018年8月時点のコメント:
・あらためて眺めてみると、基礎にしては項目が多すぎますね…。
・これをぜんぶやっていたら終らないので、カリキュラム設計(項目の選択と組み合わせ、習得する順序)は超重要。
・あと、ひょっとしたら、こういうこれまでのデザイン基礎の流れとは全然違う、異なる次元の「新しいデザイン基礎」(のカリキュラム)があるんじゃないか、という思いも少し。
ひとまず、このへんで。(2018.8.4)

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