忘れられない味
清潔感は追求していない
でも界隈で一番美味しい焼き魚の店が閉店した
店主が高齢だったし
そろそろかな...という予感はあった
いつも賑わっていた
時には並ぶ人が出るくらい
”あの味”は男女問わず人を惹きつけるものだった
今日、お店のあった場所に行ってみた
もともと傾きかけてはいたが
更に廃墟のようになっていた
喪失感
「ありがとう」
ひとこと言えたらよかったのにな
店主にも”あの味”にも
まだ遅くはないか
うん
「ありがとうございました」
忘れられない味がある
それだけで
私はきっと幸せものである
日々の隙間をそっと埋められるような、詩を伝えていきたいと思います。その中に、ひとつでも皆さんの心に残る言葉があればうれしいです。