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入試に出題される本の秘密BEST10前編

来年以降受験される皆さんへ国語の出典に関するアドバイスです。
新6年生の皆さんは夏休みくらいまでは息抜きで読書の時間を作りましょう! 長くなってしまったので今回は①~⑤までです。


①新作からの出題(2023年8月~2024年7月)

こちらは秋以降のテストなどの出典をチェックすればOKです。
特に12月のテストからの出題が例年高いです。2024年入試で注目された作品を紹介していきます。

「この夏の星を見る」

今は胸がいっぱいで話せないけど、家に帰ったら、母に今日見た星の話をしよう。きっと家の近くでも星は見える。大曲線と大三角形の見つけ方が、今の円華にはもうわかる。

この夏の星を見る

気になる本があれば手に取って読んでみるのもOKです。その時には読んでみたいという自分の感覚を大切しましょう。今年の入試でも12月のアテンションを見て冬休みに読んでくれた子もいました。
実際に自分で考えて行動することが大切です。
(品川女子、神奈川学園、学習院女子で出題)

出題校数、圧倒的1位は

「きみの話を聞かせてくれよ」

強くなりたい。ゆれないように。自分が自分であるために、闘えるように。

きみの話を聞かせてくれよ

なんと執筆時点(2/4)で9校で出題されています。ここまでかぶることは今まで見たことがありません。1章の「シロクマを描いて」から4校(栄東、専松、横浜雙葉、大妻)2章の「タルトタタンの作り方」から5校(土浦日大、駒場東邦、海城、立教女学院、昭和女子)

その他物語文だと何度もおすすめした

「給食アンサンブル1と2」

すこしずつ、変えていこうよ。すぐには無理だと思うけど、これからはぼくもちゃんと協力するから

給食アンサンブル2

合計5校で出題されています。「給食アンサンブル1」は吉祥女子、青山学院で出題、「給食アンサンブル2」は栄東、本郷、高輪で出題されています。こちらの本は読みやすいので低学年や読書初心者の方にもおすすめです。

論説文は

「増えるものたちの進化生物学」

しかしそれは誤解だと私は思います。むしろ社会の歯車になることでほとんどの人は個性を発揮して、みんなの役に立てるのだと思います。

増えるものたちの進化生物学

圧倒的で7校(青山学院、青山学院横浜英和、学習院、カリタス女子、栄東、筑波大附属、山脇)の出題でした。論説文のわりには非常に読みやすいていねいな文です。論説文の場合はちくまプリマ―新書からの出題が圧倒的なので注意しておきたいです。

②数年前流行った作品から出題

多くの学校の先生が選んだ文章ということで出題したい理由があります。また塾で取り扱われた文章を一生懸命勉強してきたかを見るためでもあるでしょう。こちらは6年生の皆さんは日特テキスト(2年前の文章)、銀本(1年前の文章)で授業で扱ったものを読めばOKです。昨年豊島岡で出題された「勉強する気はなぜ起こらないのか」は、今年は光英VERITAS、横浜女学院で出題されています。2年前に大ブレイクした「教室に並んだ背表紙」が今年は芝浦工大で出題されています。

③入試頻出作者から出題

本の読み方の基本として作者指名買いというのがあります。司馬遼太郎作品を次々読むというような感じです。入試頻出作者の新作、数年前の作品は要注意です。青山美智子さんの作品が入試でも複数出題。中でも「月の立つ林で」(洗足、明中八王子、江戸取で出題)はおすすめです。主人公は大人で仕事や家族関係に悩みながら成長していく物語なので難易度は高くなります。青山さんの作品で2025年入試に出題されそうなのが

「リカバリー・カバヒコ」

ちょっと違うかな。人間の体はね、回復したあと、前とまったく同じ状態に戻るというわけじゃないんだ。

リカバリー・カバヒコ

2023/9/21発売で2024年入試にはほとんどの学校が間に合わずということで来年も出題が濃厚です。(2/4の芝2で出題)今後模試でも出題の可能性があります。
 
もう一つ2025年出題が予想されるのが入試頻出作家のいとうみくさん(数年前の「朔と新」、今年の「夜空にひらく」)の新作「真実の口」(4月発刊予定)も注目しておきたいです。親による子への虐待がテーマなので、まずは親御さんが目を通したほうがよいでしょう。読む際は覚悟が必要です。(まだ買えません)雪丸 風人@ZidousyoYomiさん提供情報

④過去の名作から出題

こちらは複数回入試をやる学校で見かけます。今年の栄東のようにすべての回最新作で出題するのはかなりたいへんです。複数回入試をやる学校では事前に準備しやすいようにまたは子ども達が塾でしっかり勉強してきて準備しているかをみるために名作から出題します。こちらの対策は塾のテキストに載っている作品をしっかり読んでおけばOKです。その中で気になった本を図書館で借りるなりして読んでみましょう。こちらは低学年のうちからできる対策です。昨年大ブレイクした「夏の体温」の作者、瀬尾まいこさんの「あと少し、もう少し」が3校(埼玉栄、攻玉社、湘南学園)で出題されています。

⑤受賞作品からの出題

毎年必ず出題されるのが「ちゅうでん児童文学賞」こちらは学校の先生も必ずチェックしています。今年の場合だと「雪の日にライオンを見に行く」です。(桐朋、横浜共立で出題)来年入試に出そうなのが直近の受賞作「ブルーラインから、はるか」に注目です。(5月刊行)「星屑すぴりっと」の林けんじろうさんの作品です。雪丸 風人@ZidousyoYomiさん提供情報

メジャーすぎて私は予想から外してしまいましたが

「成瀬は天下を取りにいく」

たくさん種をまいて、ひとつでも花が咲けばいい。花が咲かなかったとしても、挑戦した経験はすべて肥やしになる。

成瀬は天下を取りにいく

本屋大賞ノミネート作品も侮れません。続編も先日発売されました。成瀬シリーズが今年の新作では一番のおすすめです。池袋西武百貨店が舞台に登場してくるとあって池袋西武では特設コーナーも作られていました。それだけ学校の先生の目に留まるというものなのでしょう。豊島岡の先生であれば西武の三省堂やジュンク堂は帰り道によるかもしれません。この二店舗もときどき覗くようにしたいです。amazonだけで本を買わずたまにはリアルな書店で本を買おうと思います。(栄東東大、豊島岡で出題)

また、先日直木賞を受賞したプリンセス・トヨトミなどで有名な万城目学さんの

「八月の御所グラウンド」

そうだ、私も楽しまないとーー。こんな大舞台、二度と経験できないかもしれない。

八月の御所グラウンド

めちゃくちゃ売れています。直木賞作品も出題されることもあります。(筑波大附属、田園調布学園で出題)

後編に続きます。


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