コロナ後遺症考察②(ウイルス力価)

AKIRAです。
以前の記事の続きを。


あくまでも自然はウイルス毒性を収束させる方向に淘汰する

自然は、特定の生命体による台頭を許しません。
ゆえに、絶対といえる現象はなく、ウイルスにおいては感染力と毒性の関係は反比例を示します。

その証拠にインフルエンザウイルスはその毒性に見合った、季節的な流行という限られた感染時期を呈するものです。
しかし、コロナの影響なのか、夏ごろにインフルがはやった時期がありました。
これこそがワクチンによるコロナ以外のウイルスに対する脆弱性を示唆しているのかもしれません。

ウイルス力価という概念

生命科学実験でない限り、「力価」という表現を使うことはあまりないかもしれません。ですので、一般の方にとっては聞きなじみのない言葉だろうと思います。

タカラバイオのホームページから、一つだけ図を拝借させていただきます。

図 実験で培地上清に遊離されるウイルス(出典:ウイルス力価測定の本質に迫る-科学的な裏付けから, URL:https://blog.takara-bio.co.jp/gene_delivery/viral_titration)

こちらの図は、そのホームページより引用させていただいた図になります。
確かに、ウイルスの濃度的にはqPCRやELISAといった方法もなくはないですが、このように放出されるすべてのウイルス粒子が感染性を持っているとは限らず、また、単純なウイルスの濃度で感染力を推定できない理由がここにあります。

PCRは、この非機能性ウイルス粒子由来のウイルスゲノムを拾ってしまっている可能性があり、もはやウイルス自体が光りでもしない限りは感染力を持ったウイルスの濃度測定など不可能なのです。

ゆえに、ウイルスを測る尺度は「濃度」ではなく「力価」という別の表現を使わなければなりません。この知識があるか無いかでウイルスの感染力の見方が大きく変わります。

免疫の安定性が力価に影響するのではないか?

私が考えているのはこの観点での話で、ウイルス力価が増加する原因は、何もウイルスそのものの性質だけではなく、宿主の免疫の状態もまた影響の範疇に入るのではないかと思うのです。

その根拠として、遺伝子導入法において、アデノウイルスベクターは細胞毒性と免疫原性が高いため、宿主細胞自身に拒絶されることから複数回の使用ができないという事情があります。
これこそ、まさしく回帰感染ができないウイルスの特徴であり、毒性と感染力がトレードオフになる主張の根拠です。

つまり、毒性を犠牲にし、免疫原性を弱めたウイルス種であれば、細胞自身が持つ免疫やその他の免疫機構をごまかすことで、見かけ上の感染力を増強できるというわけです。
この、「免疫機構をごまかす」の役割を果たしたものがワクチンであると考えています。

すると、ウイルスを増幅するだけであれば、宿主細胞内でゲノムの増幅を行えばよいので免疫原性の話は関係がなくなります。
その間にもウイルスの体となるタンパクの合成が始まるが、RNAワクチンの影響(IgG4)で液性免疫と細胞性免疫(主に細胞障害性T細胞)はスルー。
結果、ウイルスのパッケージングは進んで、実質的なウイルスのコピー数は増える。

合成されるウイルス粒子全体が増えるので、機能性ウイルス粒子も増える。
結果、力価は増加する、という予想です。

考察の穴

ただ、これもまたスキのない考察ではありません。
未接種者のウイルス力価の影響を考え切れてません。

未接種者であっても、状況次第で免疫力の一時的な減少や増加があるために、ウイルスのコピー数を増やしてしまう可能性はなくはないのですが、接種者・未接種者の免疫状態に対してウイルスがどれだけの力価を示すのかを定量できないため、ほとんど検討不可能な話になります。

しかし、人間はロボットではないため、どの人間がいつの時間、どういった環境にいるかはランダム性があり、ウイルスのコピー数を下方に制御できない環境下(密室で通気性が悪く、人が頻繁に長時間滞在する)だと、その環境におけるウイルス力価は急上昇することになります。

それが、クラスターと呼ばれる状況なのであればそうなのでしょう。
ともすれば、最大限できる対策は換気くらいでしょうか。
ウイルス力価が下がるかもしれませんので。


…しかし、新型コロナウイルスの性情を分析すればするほどドツボにはまっていくのは、非常に厄介なものです。


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