ライブ配信

このnoteを書こうと思った理由を備忘録的に書いています。

ライブ配信の仕事をしています。スポーツや音楽の配信では、
1)映像制作の業務は必須ですね。放送クラスの中継・制作をしようとすると数百万は簡単に掛かってしまいます。
2)配信をする為には、映像のデジタル化の業務があるのですが、これが意外と理解している業界の方が少なかったですね。この業務は、、
2−1)映像のデジタル化、と
2−2)伝送用のネットワークの要素があるのですが、これを両方理解出来て業務を行なっている方は基本あまり見たことがありません。殆どの方はネットワークはお任せ=isp(他社)に頼っていると言う形ですね。
デジタル化はエンコーダーなどの操作には慣れた方が多くなってきました。
3)最後は配信プラットフォームです。コロナの前はVimeoさんが一択と言う印象でしたが、コロナになって、e-plusさんやtwitcasが俄然注目されるようになったと言う印象です。(多分もっと前からやられているので、印象だけの問題です。)

以前メディアの仕事をしていたのですが、コンテンツを集めて作るメディアはもう古いと言う印象から抜け出れず、またメガメディアと言うようなNetflixさんやamazon prime videoさんが出てくる時代にもう、コンテンツを集める時代ではないな、、youtubeもあるし、、、と言うことで、、、もっと簡単にライブ配信をアマチュアバンド向けにライブハウスから発信できる仕組みを作ろうと言うことで2年半前2019年冬にシステムの開発をすることを決意。

が、大変でした。
最初はSRTベースの開発をするつもりでした。と言っても、簡単に既存のシステムを提供してもらうと言う形でスタートできないか?と考えていました。同時にライブの現場の設定や操作を簡単にするために、カメラは固定、カメラ映像はネットワークでクラウドまで伝送、クラウドにスイッチを置いて、それをリモートで操作と言う理想ばかりを追いかけていました。その際の仕組みは以下のようなものでした。
① ライブの現場
・現場には固定のカメラを2台常設、(追加カメラやカメラマンなどはケースバイケース)
・音声はPAさんからの音声にairマイクを入れたミキサーを用意して、それをカメラに入力して、映像と同期を取る。
・その映像はカメラからSRTでクラウドまで伝送。
・送り返しの映像は提供する形でした。
・インカムは用意(と言ってもLine Groupなどですが)
② 映像のデジタル化
現場でのデジタル化はカメラにSRT伝送エンコーダーが内蔵されていたので、そのカメラの機能を利用。
③ 伝送ネットワーク
ネットワークはフレッツのバックボーンを直接繋ぐ、NGN(Next Generation Network, Flets網のバックボーンですね)折り返しという技術でライブ現場と渋谷区にあるオフィスのセンターまで伝送し、それをawsまで専用線(的なもの)で伝送。帯域的にはSRT伝送には十分であった事、遅延はフレッツで5-8msec、AWSまでの回線で 3-5msecであったことより、運用に耐えられると判断していました。
『この技術は私が某国策キャリアさんの仕事をしていた際にIPv6ベースのマルチキャスト技術とNGNネットワークのサービスを担当させて貰った際に理解したものですが、実際にこのNGN折返やDynamicDNSという名前解決方法などを理解しているネットワーク技術者はほぼ市中にはおらずで、前職では某西日本キャリアさんにサポートしてもらいサービス開発をした経緯があります。が、餅は餅屋で元モバイルコンテンツ会社の際に一緒だったHさん(ホワイトハッカーとでも言っておきましょう)に声掛けしたら、本プロジェクトにJOINしてもらえ、この開発が無事できたのです。。ネットワーク・セキュリティーは重要ですね!』
④ クラウドでの映像スイッチイング
これには参りました。クラウドで既存のスイッチングソフト(windowsベースです)を動かすことは技術的には大きな問題はありませんが、処理の能力とスピードなどでは大きなインスタンスを使う必要がありました。
我々の利用したソフトウエアを4−6chの映像スイッチングをするためには4xlargeとか12xlargeのインスタンスにdedicated/metalと言った占有型を使う必要がありました。コストもそうなのですが、途中で不具合を起こらないように、
・windowsのアップデートを必ず使う前に行っておくとか、
・各種ドラーバーもこちらの指定のversionをインストオールしておくとか、、(最新ではバグがあったりしたのです。)
コストに加えて、設定が意外と手間暇が掛かることがわかりました。
(ここはGさんが相当苦労してノウハウを貯めたところです)

結果として、このシステムは上手く動きませんでした。一番の理由はsrtで同期を取ることと、映像品質を安定させることが難しく、この2つの課題よりこのシステムはギブアップしました。
・同期の問題はエンコーダーがカメラ内蔵のものを使ったことにより、タイムコードの付け方などがコントロールできなかったことで、スイッチャーソフトとの連携が上手く機能しませんでした。
・映像品質も同じで、SRTの場合は遅延バッファーなどの調整が必要ですし、また使っているエンコーダー(H.264など)のソフトによって、癖があるようです。ライブでの照明・スモークなどで対応できないケースがありました。
どちらの問題も結果、メーカーさん(カメラ内蔵でしたので)任せでしたので、自社で解決できないというジレンマに陥っていました。

続く。
#SRT
#NGN
#NDI
#NDI -HX
#H .264
#AWS

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