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部署横断で関わるエンジニアリングメンターをはじめました

社内の部署を横断して関わる「エンジニアリングメンター」というものをはじめました。あえて、普段の業務で関わっている先輩や上司ではない関係をメインにしています。兄弟(姉妹)や親ではなく、従兄弟(従姉妹)や親戚のおじさんのような位置づけです。

新しい取り組みをはじめたばかりなので、まだまだどうなるかわかりませんが、経緯や構想をご紹介します。

■ エンジニアリングメンターって?

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エンジニアリングメンターは、一歩踏み出そうとしているエンジニアの成長をサポートする相談役です(と決めました)。技術との向き合い方、勉強会への参加、アウトプット、エンジニア向けの職種の理解など、エンジニアライフにまつわるテーマを扱います。

名前は単にメンターでも良かったのですが、社内には新卒向けのメンター制度があるため区別しました。世に無かったか、あまりメジャーでない言葉のようです。省略するとEMなので、エンジニアリングマネージャーとかぶってしまうところとがちょっとした悩みです。

取り扱うテーマ

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主に扱うテーマは以下のとおりです。

技術との向き合い方
    - 学習方法: 自分にあった学習方法を見つけたい
    - アウトプット: ブログ投稿や登壇をしてみたいのでフォローしてほしい
    - 職種紹介: より技術重視の職種のことを知りたい
社外との向き合い方
    - コミュニティ/勉強会: 参加してみたいけどどう探せばよいか
    - 業界貢献: 貢献してみたいけど何かはじめたらよいか
その他
    - エンジニアに聞いてほしいこと、話したいこと
    - 「向き合うエンジニア」に書かれていること

エンジニアリングメンターで扱いきれないテーマに関しては、キャリア相談室や人事などと連携することにしています。

特徴

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メンターの考え方は色々あると思いますが、ここでは以下の特徴を付けました。

利害関係がないこと
    - メンターに評価権限はありません。
自律を重視すること
    - テーマも期間もメンティ自身に決めてもらいます。
エンジニア目線であること
    - 組織の中より、一人のエンジニアとしてのあり方にフォーカスします。

(はてなさんのエンジニアメンター場合はこちら

なぜやるか?

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意志があるけどどうしたらよいか迷っている人を、ほんのちょっとだけフォローしたいと思ったからです。誰かに言われたわけではなく、自分でそうしたいと思ってはじめました。

いろいろな人、情報に触れて勝手に育っていき、どこでもやっていけるエンジニアになってくれたらいいなと思っています。

どこでもやっていけるエンジニアに育てつつ、組織としては「それでも自組織でやっていきたいと思える環境を作る」という動機を引き出す狙いもあります。(トヨタ自動車株式会社 豊田章男社長の2019年年頭挨拶にインスパイアされています)

メンターのあり方

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自分の中で心がけていることがいくつかあります。

まず、あまり自分自身が教育しようとは思っていません。より多くの情報、人に触れてもらうためのサポートがメインです。そのあとは、本来メンティ自身が持つ能力や資質、外部環境のちからによって成長してもらおうという考え方です。メンター自身の考えだけが染み付いて、視野が狭くなってはいけません。

それから、メンターに依存させないことです。あくまで自律や主体性を重視します。終了のタイミングも原則メンティ自身に決めてもらいます。(kakakakakkuさんブログメンタリングを参考にさせていただきました)

なお、書籍「メンタリング・マネジメント」には

メンターとは、役職や資格、職業とかではなく、相手から与えられるいわば称号であるということです。自分がメンターであるかとうかは、相手が決めるもの

とあります。心がけとしてはそうするのですが、便宜上、メンターという言葉を使うことにしています。

社内的な位置づけ

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今回は、エンジニアリングメンター専門の部署を立ち上げて兼任することにしました。エンジニア兼メンターです。当初は一人で勝手にやろうと考えていたのですが、以下の3つの理由で組織の力を借りることにしました。

1つめの理由は、組織としての持続性、拡張性を確保するためです。メンターは私一人ではじめます。そのため続くかどうかも危ういですし、取り扱うテーマが偏ったままになります。部署としてしっかり構えて、メンターの増員も進め、発展させていくことを狙っています。

2つめの理由は、認知度の向上です。実は、似たようなことを去年くらいから個人の取り組みとしてやっていました。ですが「なぜ私がやるのか」を説明しにくく、周知しにくかったです。あくまで個人と個人のつながりだったため、認知度もかなり低かったと思います。組織としての取り組みにすることで、これらの課題の解決を狙っています。

3つめの理由は、正しく評価してもらうためです。個人で勝手にやれば身軽ですが、その分、私自身の評価に反映されにくくなることを懸念しました。組織の取り組みにして、自分がやりたいことを組織目標に変換して自分に落とし込む(逆輸入する)ことによって、正しく評価してもらうように試みています。

組織としての取り組みにする以上、どうしてもオーバーヘッドがかかったり、身構えられたりすることもあるのですが、それでも上記3つの理由を優先させました。

これから

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実際の需要もなかなか読めない中でメンター一人ではじめました。状況を見ながらメンターの増員を視野に入れながら活動していきたいと思います。

メンティから教わることもたくさんあると思いますので、これからが楽しみです。

[2020/07/25 追記]

July Tech Festa 2020 でふりかえりを発表させていただきました。




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