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自分らしく生きる社会の実現へ/株式会社マイソル 代表取締役CEO 福澤 久

自分らしく生きる社会の実現に向けて、社会的マイノリティ(LGBT、障がい者、ひとり親、出所者)の就労に関する社会課題を人材サポート事業とコールセンター事業を通して活動している、株式会社マイソル代表取締役の福澤久さんにお話を伺いました。

プロフィール
出身地:福岡市
活動地域:福岡、東京
経歴:東京の大手コールセンター会社にて管理・運営業務を経験。その後、福岡地場の教育・人材派遣会社において、社内ベンチャーとしてアウトソーシングコールセンターの新規立ち上げを行う。セクシュアルマイノリティのカミングアウトを受けた経験から社会課題解決型の人材サービス会社「株式会社マイソル」を立ち上げ、現在に至る。
現在の活動:本当の意味で隣の人同士、偏見なく皆が肩を組み合える社会を実現したい。そんな思いから、社会的マイノリティとされる分野の就労問題を解決するために、株式会社マイソルを起業し、自分らしく生きる社会の実現に向けて活動している。
座右の銘:道を探すより、道を創る

「偏見なく皆が肩を組み合える社会を実現したい。」

Q.「ソーシャルビジネスに興味をもたれたきっかけは何ですか?」

福澤久さん(以下、福澤):元々、私はジャズミュージシャンをやっていたんです。エンターテインメントの世界は人の支えによって生きられる世界なんですよね。若いうちは、自分の音で人が感動してるぜ~イェイ!的な考えだったんですけど、大人になるにつれて、聴いて下さる皆様によって支えられているんだとわかってきたんです。それに気づいて、今度は自分が社会に対して何か還元していける仕事ができたらいいなって思ったんです。そんな時に、九州大学の岡田昌治先生と出会いました。そこで、社会課題を解決しながら持続性があってビジネスとして成り立つものがあると知りました。最初はこんなの絶対無理だと思ってましたが、実際に実現している例をみて少しずつ現実味が湧いてきたんです。その時、岡田先生が言われていたのが「無私」の気持ちベクトルを、極力自分ではなく社会課題など外側に向けた生き方をすること。そうすることで死ぬ1秒前まで生きてることに意味がもてる。社会がよくなることが欲になるんです。
記者:なるほど、まさに利他の心ですね。皆がそんな考え方になったら社会が変わりますよね。
福澤:社会起業家ってすごく大切だと思っています。社会起業家の数だけ社会は変わっていきますからね。

Q.LGBTや障がい者、ひとり親、出所者など、幅広い社会的マイノリティの人々へ目が向くようになったのはなぜですか?

福澤:ジャズの世界は男女関係無く、即興演奏など、出てきた音で会話をするんです。なので、音楽の世界ではLGBTとかも関係ない。そのため、セクシャリティな部分に何も抵抗がなかったんです。後に、コールセンターの仕事に就くようになって、300人程の規模のセンターをマネジメントするようになり、何千人と面接をする中で、LGBTに触れる機会がたくさんありました。その中でも、現弊社取締役の松本のカミングアウトを機に、より具体的に社会課題として認識するようになり独立を決意しました。現在ではLGBTだけでなく、多様性というところに焦点をあてています。生きづらさとか、働きづらさとか。社会的マイノリティ、そこに該当する事を解決していかなければならない。そう思っています。九州は東京に比べると情報格差や地域性も絡んであらゆる問題が見えづらく、まだまだ様々な弊害が残っていると思っています。草の根活動のように信念をもってやっていく必要があると思っています。

Q.これからの展開をどのように考えていますか?

福澤:現在、企業などでLGBT研修等を実施していますが、それは一過性のものでかたち(実績)だけで終わっているケースも多いんです。最初は研修で社会を変えようとしていたけど、コールセンターのほうがどんどん伸びていったんです。社会に何か自分の会社が関われないか?という気持ちで弊社事業に賛同してくれている企業が多く、委託することで参画することになりますよね。だいたい、アウトソーシングはある時点で内製化するので、そうすると自分たちのところでこのモデルを採用してみようってなる。結果、アウトソーシングをしてくれた会社の数だけ社会を変える会社に変わる。「アウトソーシングの逆アウトソーシング」これをどんどん増やしていきたいんです。
こういうのは東京から発信していくのが多いけど、九州から広げていくっていうのは、ちゃんと自分たちで意識をもって変えているっていう実例になりますよね。そうすると地方自治体が自分たちの力で変えていけるっていう実例をつくることができる。
それが九州でできれば、札幌や四国とか、地方もそのモデルでやっていけるかもしれないし、だから地方で広がっていくことに意義があるかなと考えています。

Q.どんな美しい時代をつくっていきたいですか?

福澤:シンプルに、皆が肩を自然に組める社会にしたいです。今は、肩が組めない社会だと思います。表面的には皆平等にっていってるけど、LGBTの事にしても、まだまだ認知がされていないと思います。20年後でも、30年後でもいいので、いつか日常でが肩を組んでいるような感覚」が当たり前に感じられる時代をつくっていきたいと思います。

Q.皆が肩を組める社会を実現するために、特に大切にされていることは何ですか?

福澤「無私」ですね。肩を組むといっても、自分だけが組んでいても無理だし、隣に来てくれる人も無私にならないと無理だと思っています。「無私が大事だ」と自分が思う事はいくらでもできるけど、大切なのは、「どうすれば周りにいる人たちに無私の考え方を伝えていけるか」って所だなと思います。
記者:無私になるには何が必要ですか?
福澤:そうですね。「生きるって事をどれだけ真剣に考えるか。何に幸せを感じて生きるか。」だと思います。自分にベクトルが向いて、限界があるものに幸せを感じると、それが満たされるとそれが終わったり、燃え尽き症候群になる。本当に自分と向き合って、「何が一番幸せなのか?」「死ぬ1秒前まで生きててよかったって思えるものは何か?」って本当に向き合ったら、それは必ず無私のはず。自分にベクトルがむいているんじゃない、外側に向いているものだと思ういます。皆、幸せだと思う事は違うかもしれないけど、ベクトルが外にむかっているものだから、平気で肩が組める世界になるのではないか。そういう意味では、生きる意味を真剣に考えるという事が大事だと思います。
記者:ぜひ一緒にそんな美しい時代を創造していきたいですね!
貴重なお話、本当にありがとうございました!

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福澤久さんの詳細情報についてはこちら↓↓
HP:http://misol-sb.co.jp/

【編集後記】
インタビューの記者を担当した荒牧・曽田・池田です。
セクシャルマイノリティ当事者として性差別を無くす活動をしてきましたが、実際に当事者じゃないと自分達の想いは伝わらない、結局人間が心から分かり合えることなんて無理なんだと諦めたことがありました。しかし、今回福澤さんの信念や活動、「無私」の精神を聞いて改めて人類が全員肩を組める時代に確信を持てました。
皆で肩を組める時代を創っていきましょう!

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36


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