角川映画
みをつくし料理帖
ネタバレ注意です

【のえちゃん殺し】

のえちゃん

みおちゃん

会うことが許されぬ幼なじみのふたり
それでも、心は料理でつながっている

角川春樹監督がこれが最後だ、と
メガフォンをふるった映画

みをつくし料理帖

時代劇ヒューマンドラマです
興業的には大コケだったようですが
歴代の角川ファミリー
浅野温子
薬師丸ひろ子らも出演してます

のえちゃん

みおちゃん

主題歌がユーミンの作詞作曲で
角川監督から
名曲、春よ、来いを
超える歌を書いてください
とオファーがあったそうです

散りてなお、という曲なんですが

せっかくユーミンが直々に作ったというのに
誰も、春よ、来い、を超えたと
言わないので、憤慨しているんですが

俺の中では、完ッぜんに超えました
イントロを聞くだけで、大号泣

嘘じゃないんですよ、ホントに大号泣
涙があふれて止まらない
周りにいる人たち、ドン引きです

とまぁ、その辺は自伝で話すとして

のえちゃん

みおちゃん

映画を見る前から
この主題歌を何度も聴いていたせいで

このふたりの幼なじみは
死別するんだな
と、勝手に思い込んでいたんです

だって、歌がそうだから
主題歌がそう歌ってるから
ユーミンがそう言うんだから

その切ない思いを胸に
みおちゃんは精進してゆくんだろうな
と、勝手に推測していたんです

そうしたら

映画の比較的早い段階で
案の定、のえちゃんが
お客様に刺されます

きた！きた！
ついにのえちゃん死ぬんか
悲し〜
ちょ〜悲し〜

思惑どおりの展開に
俺は号泣スタンバイです

と、思いきや

のえちゃん、みおちゃんのご飯で
元気になってゆくではありませんか

の、の、のえちゃん！

あんた、死なんのか！

のえちゃんは死ぬんやなかったのか？

俺の心が騒がしいったらありゃしない

俺の思惑と裏腹に
のえちゃんはキツネ踊りするまでに回復
みおちゃんと
わずかな再会を果たすのです

の、のえちゃん
元気になったのか
みおちゃん、ほんま良かったなぁ

勝手にスッポンポンにして
違う服着せた、みたいな

体裁を整える俺の理性がつぶやく
奇妙な、みおちゃんエール

ほんま、良かったなぁ

のえちゃん

みおちゃん

あれ？
ちと待てよ

ふと疑問に思い
主題歌の散りてなおの歌詞を
再度読んでみたんです

散りて、とあるもんだから
死体が出るもんだと
勝手に解釈してましたが

どこにも大切な人が死んだ、とは
描かれていないんです

大切な人と、会いたくても会えない

そう捉えると
物語ととてもマッチする

そうか、俺の大誤算

大司教さま、ごめんなさい
浅はかでした
これはファンとしてあるまじき解釈

大罪です

勝手に殺しちゃダメダメじゃないですか
俺は、のえちゃん殺害の容疑で

無期懲役、確定

永久に宇宙の藻屑として
アカシック刑務所に
連れて行かれることになりました

ね、のえちゃん

えぇ、みおちゃん