メジャー大会、女子も凄い!放送権の裏話!

今朝、嬉しいニュース…でもある意味複雑?なニュースが飛び込んできましたネ。それは「全米女子オープンの日本人同士のプレーオフ」笹生優花メジャー初優勝!というニュース。
昨日私もゴルフをしていて、笹生選手も畑岡選手も良い位置だったので、ゴルフ仲間と「2人とも頑張ってプレーオフになったらゴルフ界が更に盛り上がるのになぁ…でもそうなるとテレビ朝日は残念だよね…」なんて話していました。
それは昨年まで全米女子オープンを放送していたのがテレビ朝日であったからに他ならない事由だと思ってしまったからです。

確かにこのコロナ禍で経費節減はしょうがなく、特に放送権の見直しというのは経営者・経営陣にとっては当たり前の事だと思います。
実は放送権は色々な活用をするからこそ保有する意味を持つのであり、これは一種の言葉は悪いですが “博打” 的な要素が大きいビジネススキームなのです。

先ず費用面から見ていきましょう。
いわゆるコストとして大きいのは放送権料。次に制作費。これは番組にお金を掛けようとすればするほどドンドン膨らみます。
〔現地番組制作費〕
・共通フィードでなく独自のカメラを持ち込んだ際にかかる費用一式。※共通では日本人が映らない可能性もあるので
・現地取材費、雇用費
・衛星回線費用
〔現地プロモーション費用〕
・日本の番組スポンサーを現地で観戦してもらう費用一式
・現地接遇費
・プロアマ参加費

更に
・日本国内での制作費
・番組宣伝費
・その他
という感じでそれこそ、時差があるので残業代なども計上されるのです。

一概には言えませんがゴルフメジャートーナメントで放送権料は数千万円。しかも複数年契約。そして上に挙げた経費がかかる…本当に国際大会を放送するのはお金がかかるのです。
総経費は4日間放送するゴルフトーナメントと想定して考えると3億円以上かかってしまうのです。


では収入はどうでしょう?

放送は地上波権・衛星波権・インターネット権などに分かれ、更には番組ビデオ化権などもあります。
テレビ局は大抵地上波権を持ち広げてもビデオ化権位な感じです。
私が担当したWBCの2006年大会では、本当に急遽作ったDVD がで今では考えられない10万枚以上を売り上げてしまいました。DVD販売そのものが下火になってきた2009年でも4万枚以上売り上げました。これはひとえに日本が世界一になったことと野球が好きな国民性に他ならないことでしょう。
しかし近年ではネットやYouTubeでも映像が観れる様になり、DVDを販売してもナカナカ売れません。
ビデオ化権などを持たない場合は、放送局が得られるのは番組協賛の提供スポンサー収入だけになってしまいます。

番組は全放送時間に入CMの時間数から割り出して提供料金を決めなくてはならないので大体、3000万円スポンサーを20社集める目標を掲げます。
総経費に対して合いませんがその特別番組が入る枠には既存の番組が有り、その営業補償もしなくてはならないのです。

ですからメジャーゴルフトーナメントの放送は本当にお金がかかってしまうのです。企業体力が必要となるのです。
しかし、先に述べた“活用の仕方” によってはかなりの武器になる事があります。
その一番はマスターズだと思います。
TBS がマスターズを長期に渡り放送してきて今年日本人優勝で悲願を果たしましたが、
・あの会場のオーガスタナショナルに行きたい!
・プレイしてみたい!
・それなら番組提供しよう!
という三段論法的な発想でスポンサーになっている企業が実際に多数あります。

またテレビ朝日は全英オープンを長年続けていて、その延長線上で全英女子も扱い始めたら渋野日向子でハジケた…という実績があります。
そしてテレビ朝日はこの全米女子オープンも放送していました。でもこのコロナ禍でリリースしたのでしょう。
今回の全米女子の日本国内の放送はゴルフチャンネルのみでした。

だからというのもあるかもしれませんが、スポーツニュースにもあまり途中は取り上げてもらえなかった様な気がします。
更に笹生優花選手はフィリピン代表としてオリンピック出場を表明している点も報道が盛り上がらなくなった要因ではないかと考えます。

私的にはコロナの様なネガティブなニュースを取り上げるより、なんでもっとこのような明るい話題を取り上げないのか少々疑問の念に耐えなくなってしまいます。

とにかく今朝は嬉しい話題が飛び込んできて…
良かった良かった良かったデス!

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