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ポケモンワールドチャンピオンシップス2018の記録【④ Day1編】

《① 初めてのWCSの舞台へ足を踏み入れる》

 大型公式大会が行われる朝は、自然といつもよりも体が早く目覚めてくれるのですが、それはWCSでも同じでした。

ホテルの窓がちょうど南向きだったので、東の空から朝日が昇る様子がよく見えました。前日の夜も月を見て思いましたが、こういった光景はどの土地で見ても本当に綺麗に見えるものなのですね。朝の6時半過ぎに起きてからは、日本から持ってきていたアルファ米のごはん、味噌汁、前日にコンビニで買ってみたヨーグルトを食べて、すぐさま身支度を整えます。


 会場に入ったのは8時15分だったかな。初めてのWCSの舞台へ足を踏み入れた時は、ずっと夢見続けて空間に辿り着くことができた感動で胸がいっぱいでした。開会式が行われるのは9時までの間、会場の中を一通り歩き回り色々な写真を撮っていたと思います。会場の中にはナッシュビルをモチーフとしたデザインのポケモンがいっぱいいたり、上から吊り下げられている旗のようなものにウルトラビーストを中心とする強力なポケモンが描かれていました。自分の目に映るもの全てが何もかも新鮮でした。

開会式が始まる15分ぐらい前になって、メインステージから下手側にある席に座りました。ちょうどこの席の目の前には↑の写真の3枚目にある配信卓があるところです。

配信卓のデザインがあまりにもかっこよすぎて衝撃を受けたので、目にした瞬間に「うおおお!!!この席で対戦してえ!!!」と声に出していたほどかなり興奮してしまいました(笑)

スクリーンには30分前ぐらいからずっとカウントダウンが表示されていて、それが残り3分になる頃には会場がとてつもない熱気に包まれていきます。

そして残り10秒になった時に、ステージの目の前にいる誰もが声と手を挙げて10,9,8,7,6,5,4,3,2,1…と共にカウントダウン!ついにその時を迎えます!

《② WCS2018開会式にてTAG TEAM GX世界初公開》

オープニングムービーが流れ、そこでは世界中の国旗の映像だけではなく、WCS2018のオリジナルテーマ「Saddle Up, Trainers!」が流れました。

私はこれが初めてのWCSなので詳しくは存じていないのですが、オリジナルテーマが流れたのはこれが初めてだったのではないかと思います(間違えていたらすいません)

今年はナッシュビル(音楽の街)での開催ということもあり、もしかするとそういった新たな試みも行われていたのかもしれませんね。

昨年のWCSでは開会式でポケモンカードの新情報としてウルトラビーストのカードが世界初公開されました。もしかすると今年もあるのかなとぼんやり考えていたのですが、石原さんが登場したタイミングで挨拶と共にこのムービーが流れました。

「ピカチュウ…とゼクロム…?これから何が起こるんだ…?」と考えているうちに、ピカチュウとゼクロムが出会い、共に戦うためにスタジアムへような場所へ向かう描写が流れます。そして、2匹が共に戦う姿が1つのカードになっていき、最後にはTAG TEAM GXのロゴが…!!

その映像を見ていた時は、正直もう何が何だかわかっていなかったのですが、気が付いたら「うおおお!!!すげえええ!!!」と声を出していました。同時に、日本で行われていたゼクロムGX争奪戦はもしかしてこのためでもあったのかなと考えていました…そんな推測もできてしまうほど演出がにくい。この発表の瞬間に目の前で立ち会えたことは本当に嬉しかったです。

その後は、来年5月に公開予定の実写映画「名探偵ピカチュウ」の監督などが出てきて会場を盛り上げました。司会のトークに合わせて、会場の上手側からはみんなでCharizardコール、下手側からはみんなでPikachuコールを行われ、メインステージ前は不思議な一体感に包まれていました。

様々な余韻に包まれながらも開会式はあっという間に終わり、いよいよWCS2018開幕です!

《③ WCS2018 Day1スタート 現地調査&トレード》

 私はDay2からの出場だったため、最初のうちはDay1時点での現地環境調査を始めていました。対戦テーブルを隅々までぐるっと回ってみると、やはりマッシブーンルガルガンとゾロアークコントロール系統がとにかく多い。ただ、ゾロアークダストダスはあまり見かけませんでした。その代わり、ゾロアークサーナイトが意外と多かったので驚きました。

2戦目が終わる頃にはある程度の全体的なデッキ分布を確認することができたので、直接的な現地環境調査はここで一旦終わりにしました。ちょうど会場を回っているうちに隅っこの方でトレードコーナーが展開されていることに気付き、昨日のトレードの続きがやりたいなと考えそこからはしばらくトレードをしていました。Day2以降はトレードに関してはあまり自由に動けるイメージができなかったので、ここで日本から持ってきたトレード用のサプライを全て会場に持ってくることに決めました。おそらく午前中からお昼過ぎまでずっとやっていたのかな。前日にトレードのやり方はある程度掴めていたので、持ってきたサプライはそこで全て捌くことができました。

(Day1でのトレードでゲットした成果はこちら)

 そういえばお昼を過ぎた辺りからお腹の調子が悪くなってしまって、一旦ホテルの部屋に戻って休んだことがありました。おそらく前日に食べたハードロックな夕ご飯が病弱な私のお腹の中で暴れていたのだと思います。あとお店で飲んだ水が美味しくなかったのも刺激になったのかもしれません。あるいはトレード等に精を出しすぎてこの時点でわりと疲れていたのかも?いずれにしてもトレードで手に入れた大量のサプライを一旦部屋に置きにもいきたかったので、休むにはちょうど良いタイミングだったかもしれません。

部屋に戻ってからはお味噌汁を飲みながら30分ぐらい座っていたら大分落ち着きました。調子を崩してしまったのがDay2の本戦中じゃなくて本当に良かったです。このタイミングでWCSを過ごす上での体調管理の大事さを強く感じさせられたのは、翌日のコンディションを整える上ではとても役に立ちました。

 再び会場へと戻ってきた頃にはDay1の進行が5戦目ぐらいになっていて、段々と上位層のデッキが固定されていきました。Day1では6勝または5勝3分(勝ち点18)の戦績を残した選手が突破となります。ちょうどよかったのでそこからはまた現地環境調査を再開しました。

その時に気になったことと言えば、マッシブーンルガルガンとゾロアークコントロールが上位層にはいたのだけれど、段々と数が減っていったような気がしていました。というか、ミラーマッチが多発していてそこで潰しあって次第に減っていったようです。また、最初にわりと多く見たサーナイトゾロアークは全然勝てていなかったようで、この頃には既にあまり見かけなくなっていきました。

あとは2戦目のタイミングではあまり意識していなかったのですが、戒めの祠マッシブーンダストダスやレックウザGX系統といったデッキタイプの存在が、次第と目立ち始めました。前者のデッキタイプに関しては日本にいる時には全く考えていなかったので、存在を知った瞬間、「翌日に当たったら面倒だな…」とか考えていました。また、レックウザGXの躍進も予想はしていたのですが、5戦目の時点では上位層にまだそこまでいなかったように思います。むしろ7~8戦目辺りに上位層で目立ち始めた印象でした。

そして、案の定ルガルガンゾロアークは全然いない…このデッキタイプはDay1時点での環境では立ち位置的に厳しすぎるだろうということは概ね想定していたので、その時の自分は「Day1からじゃなくて良かった…」と心底ホッとしていました。

《④ サイドイベントにて英語での対戦に初挑戦》

 Day1が後半戦を迎える頃には時間的に暇というか余裕ができたので、このタイミングでサイドイベントへ足を運ぶことにしてみました。私は元々、日本で開催されている大型公式大会でもサイドイベントに出ることが全くないタイプなのですが、WCSにおけるサイドイベントは遠目から見ていて雰囲気的に何だか面白そうだなと思ったんですよね。「そういえば、海外で知らない相手と対戦したことあったっけ…いや、ないや。というか、今すぐに外国人と英語で対戦してみろ!って言われたら自分はそれが本当にできるのか?」と考え始めたら、翌日に向けた慣らし(主に英語での対戦)のためにもサイドイベントへ出てみることが生産的であると考え、そのまま流れに任せて出ることにしました。

そこで私が使用したデッキはもちろんDay2で使用する予定であるルガルガンゾロアーク。このサイドイベントでやった内容は5ドルを支払い8人のトーナメントに出るというものでした。そのトーナメントで勝てば勝つほど景品として10ポイントのチケットをもらえます。参加するだけでも参加賞として10ポイント貰えるので、そこから勝ち数によって合計10~40ポイントをもらえます。景品の中にはサイドイベント限定のプレイマットなどもあったので、サイドイベントをガチで臨むというのも1つの楽しみ方なのかなと感じました。

早速、サイドイベントで対戦卓についてみると、私以外の参加者は全員外国人…気付いたら想像以上に緊張している自分がいました。そして、臨んだ1戦目…私は自分の目の前に座られたお相手に対し、拙い英語で「私は日本人で初めてWCSに来ました。よろしくお願いします」と伝えてみると、お相手は笑顔で「OK! Good Luck!」と爽やかに返してくれました。

実はこの時に初めて気が付いたのですが、海外では対戦前に「よろしくお願いします」的なニュアンスでお互いに「Good Luck!」といって対戦を始めるのですね。先攻後攻を決める時のダイスロールや、色々な動作の英語はちゃんと予習していたんですが、この作法(?)に関しては冗談抜きで知らなかったので、ある意味で一番重要なことをここで知れたのは大きかった。

ちなみにこのお相手のデッキはマッシブーンルガルガンでした。日本でも幾度となく対戦したデッキタイプです。プレイングなどやることは決まっていたのでその辺りはあまり気にしていなかったのですが、自分がこの対戦で特に気を付けてやっていたことと言えば、事前に英名で覚えてきたポケモン、サポート、グッズ、ワザ、特性などや、対戦中における相手への問いかけ(手札の枚数を聞くことなど)をちゃんと英語で宣言できるかどうかということでした。序盤は緊張していたので上手くできなかったかもしれませんが、相手の真似をすることを次第に覚えていって、後半には自分が思っていた以上のことができるようになっていました。対戦自体は難なく勝利。

その後も同じ要領でトーナメントでの対戦を進めていきます。次に対戦したのはレックウザGXデッキ。時のパズルを採用するという日本では見たことがない構築が新鮮でした。先ほどの対戦と同じく英語での宣言の練習に加え、日本で練習していたレックウザGXを相手にした時の対応方をちゃんとできるかを確認しながらを考えながら対戦していました。ここでも定石通りの動きをして勝利。気が付いたらトーナメント最終戦を迎えていました。お相手のデッキはマグカルゴとオクタンを採用していたマッシブーンデッキでした。全くやったことがないデッキタイプだったので上手く勝てるのか不安だったのですが、その頃には不思議と自分からお相手へとペース引っ張り出すような駆け引きが英語でもできるようになっていたので、ギリギリの攻防の末に勝利。そのトーナメントで優勝していました。

 何となくコツがつかめてきたので、もう一度このサイドイベントに出てみることにしました。というか、英語での対戦がちゃんとできることがわかったことにホッとし、これが想像以上に楽しくてもっとこのような経験を今のうちからしっかりと積み重ねておきたいと考えるようになっていました。

2回目のトーナメントで最初に対戦することになったのは外国のジュニアプレイヤーの子で、お話を聞いてみると私と同じくDay2からの出場者のようです。デッキはゾロアークコントロールだったので、こちらもいい模擬練習になるだろうと思いました。ここでは初めて海外で対戦したゾロアークデッキだったということもあり、何となく印象に残っているシーンがありました。それはお相手のゾロアークGXの特性:とりひきの宣言の仕方。

私はそれまでとりひきを使用する際に「Trade 1(1回目のとりひきを使います)、Trade 2(2回目のとりひきを使います)」みたいな感じでやっていたのですが、お相手はとりひきを使用する際に「Trade No.1、Trade No.2」と言っていたんです。本当にちょっとしたことなんですが、回数の前に「No」をつける宣言の仕方が、何となくそっちの方がかっこいいと思ってしまったので、その対戦以降の私はとりひきをする際に彼の宣言の真似をするようになりました。今思い返してみても、この短時間でこういったさり気ないところに自身で楽しみを見出すことができるようになっていたのは本当に驚きでした。また、対戦自体はこちらがプラン通りの動きがちゃんとできたので特に困ることなく勝利しました。

その後も同じくトーナメントでの対戦を続けていたのですが、この頃にはもう大した緊張もせずにWCSを過ごす上で自分のスタイルみたいなものがほぼ確立できていたような感覚があったので、不安になるようなこともありませんでした。そのままゾロアークダストダスデッキ、ゲッコウガスターミーデッキ相手に勝利し、こちらのトーナメントでも優勝することができました。その頃にはサイドイベントの受付も終了していたので、ここで調度よく切り上げることにします。

元々は大してやる気が無かったはずなのですが、サイドイベントで運よく80ポイントをゲットしてしまったので、とりあえず何かしら景品に代えようと景品コーナーへ向かいました。ブースターパックやプレイマットなどのカードサプライが中心でしたが、カード関連のサプライは午前中に十分すぎるほど手に入れることができたのであまり興味が持てず…(サイドイベント限定のプレイマットとの交換には120ポイントが必要でした)しかしながら、景品コーナーにはキャップやぬいぐるみなどの海外のポケモンセンターオリジナルグッズが展開されていました。その中にあった80ポイントで交換できる大きなピカチュウのブランケットがとても気になったので、それと交換することにしました。荷物としてはかさばってしまうかもしれないけど、持ってみるとわりと軽かったことも魅力でした。

《⑤ Day1は最終戦へ…そして、ポニータ石井登場》

 景品を交換した頃には予選の8戦目(最終戦)を迎えていました。対戦会場はこれまで以上に強い緊張感に包まれます。ギャラリーの中も次第に多くなっていき、固唾を飲んで見守っていた方々が沢山いました。誰かの勝ち抜けが決まるごとに、選手とギャラリーが共に喜び合うのは日本でも海外でも同じですね。その様を見ていて胸を打たれていました。

最終戦の全対戦が終了する頃にはDay1から出場していたマスターカテゴリの日本人プレイヤーの結果も全て出ます…そこには誰1人としてDay1の壁を突破できなかった厳しい現実が待っていました。

「Day1は修羅だからね」…日本を発つ前にWCS経験者から言われた言葉を思い出します。WCSのレギュレーションは日本人にとって毎年難しいとは聞いていましたが、今年は特に難しかったのだろうなと改めて感じさせられました。同時に翌日のDay2における自身の挑戦もどうなることか…正直、不安でなりませんでした。

ちょうどその頃は最終戦を戦っていたWAKAさんとお話していたのですが、このタイミングで再びポニータ石井さんが登場。流れで2人ともインタビューを受けることになりました。WAKAさんはDay1に出場してみての感想、私はDay1における環境を客観的に見た感想と翌日に向けての意気込みを答えました。詳しくは↓にある動画の前半(~2:27)をご覧下さい。この時に私が抱いていた気持ちはこの動画にしっかり残っています(笑)

「勝てるかどうかよりも相手と楽しく対戦できるようにやりたいです」
「明日はTOP8を目指して自分のデッキを信じて臨みます!」

もうこの時にはルガルガンゾロアークを使ってDay2へ戦うぞという気持ちでいっぱいでした。そして、サイドイベントを通じて知ることができた英語での対戦することの楽しみを、本戦中も思いっきり感じていこう…そんな感じのことがこのインタビューの言葉には表れていたと思います。

《⑥ Day2直前 最後の夜に私がやったこと》

 Day1が終わりホテルに戻ってからは外にご飯を食べにいくことはせず、日本から持ってきたご飯を食べて翌日のコンディションを整えることに専念していました。それと、一応最終調整みたいなこともしたいなと思っていたのですが、ルームメイトの2人はDay1を戦い抜いた疲れで気が付いたら力尽きて寝ていたのでそれはできませんでした。たしか、それは21時半を過ぎたころだったな。流石に無理やり彼らを起こす気もおきませんでしたし、そもそも私のような人はそんなことができるわけがありませんでした(笑)「それぐらい体力を使う場なんだなぁ、お疲れ様だー」みたいなことを考えながら、私は部屋にあるテーブルに向かい本戦用のデッキシートを書き、本番のためにルガルガンゾロアークを入れていたデッキのスリーブを新品へと入れ替えていました。

(字が汚いのは目をつむって下さい…私のルガルガンGXはSMHです!)

デッキケースとルガルガンゾロアークデッキとお守りのこだわりハチマキに「明日はよろしく頼んだよ」と声をかけてから床に入りました。その日も不思議と思ったより寝つきは良かったです。


次回の記事は私がWCS2018 Day2を戦ったレポートになります。このルガルガンゾロアークデッキの解説と共に本戦の様子を書いてみようと思います。

もしよかったら引き続きご覧下さい。

ポケモンワールドチャンピオンシップス2018の記録【⑤ Day2(本戦レポート)編】

https://note.mu/akira_log/n/n646d5fef13de

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