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ラインメタル-ボルジヒ VTOLⅠ計画機

これは有料ノートです。理由は、
・未発表ネタだが、現在の自分には他に発表出来る場所がない。
・ある特定のライターさんには、連載1回分のネタになる。
・もちろん、メカミリタリー系同人誌のネタにはなってしまう。
というわけで、機体の紹介部分は無料で読めるようにします。
この機体についての独自の考察部分は有料ということにさせていただきます。

【この機体について】
 あらためてカバーイラストと同じ画像を掲載しますが、機体の外観は上のようになります。
 第二次世界大戦末期にドイツで考案された単座迎撃機計画案の一つです。実はこれってかなり幻の計画案で、書いてる自分も30年ほど前に何かの雑誌に掲載されているのを見て、それっきりだったのですっかり忘れていたシロモノです。
 それじゃあ何で思い出したかというと、本機の1/72スケールのレジンキットが販売されていたからですね。世界は広い!
 おそらく画像だけでも本機の外観形状をつかみづらいと思いますので、説明を加えたいと思います。
・細身の胴体の下部に、形式不明のジェットエンジン1基を搭載したエンジンナセルが配置されている。エンジンはおそらく、メッサーシュミットMe262と同じ、BMW003かユモ004だと思われるが詳細不明。
・エンジンナセル下部から前後に2本の固定式主脚が配置されている。
・機体の左右に低翼配置で下反角の付けられた後退翼が配置され、機体上面中心位置にほぼ主翼と同じ大きさの後退翼となった垂直尾翼がある。
・機首左右に前縁後退角の付けられた先尾翼(カナード翼)が配置され、機首下部にそれとほぼ同じ大きさの安定翼が配置されている。
・大戦末期にラインメタルーボルジヒ社が計画した迎撃機案である。
・VTOL(垂直離着陸)迎撃機計画案である。

 ここまで読んでいただいて聡明な方なら理解したのではないかと思いますが、実はこの機体は単独で地上に立てる事が出来ません。なぜなら固定式の主脚がさながら自転車やバイクのように、二輪で前後に配置されているからです。
 掲載した画像も、機体が右に寝た状態でジオラマに配置されているため、奇妙な印象を増幅させています。
 しかも本機は、VTOL迎撃機計画案だという……。では本機はどうやって垂直離着陸するのか? その運用を考慮した上で撮影された画像を次に掲載します。

 いやあ、納得ですねえ。機体を立てた状態で垂直に噴射して飛んで行く。VTOL迎撃機とは書いていますが、こんな着陸脚じゃ着陸出来ないので、実際はVTO(垂直離陸)迎撃機なんでしょう……って、そんなわけあるかーい!!!

 はっきり言って、ユモやBMW単発で垂直発進なんて、推力が不足しすぎていて出来るわけないじゃないですか!!!
 じゃあ、この機体はどういう運用をしようとしていたのか? それが謎であったが故に、数十年前から今日に至るまで、どこの航空、ミリタリー雑誌も取り上げなかったのかもしれません。
 そして、この謎の部分にある結論を導き出す結果となったのが、次に紹介する機体になります。

【ラインメタルーボルジヒ VTOL迎撃機Ⅱ】

 はい、こちらは日本のミリタリー、航空雑誌でまったく取り上げられた事のないラインメタルーボルジヒ VTOL迎撃機Ⅱです。この機体も同じメーカーから、1/72のレジンキットがリリースされていました。
 計画案Ⅰよりも、だいぶ洗練されたデザインになっていますが、基本的なコンセプトは変わっていません。
・細身で単座の機体。
・機首部あるに前縁後退角の付いた補助翼が上下左右四枚にあらためられている。
・後退翼の主翼は中翼配置となり、機体上下に主翼とほぼ同じ垂直尾翼が上下に取り付けられている。
・エンジンは左右の主翼の中央位置に配置された二基のBMW003またはハインケルHeS011ジェットエンジン。

 いやあ。今度こそ、こうやって地上に垂直に立てて、直上に垂直発進するんですねえ(実際にはVTOLではなくVTO)……って、そんなアホなぁ!
 たとえBMW003が二基になっても、1基あたり800kgf、二基で1600kgf、HeS011だとしても1基1300kgf、二基で2600kgf程度の推力ですから、こんな配置で零距離発進はとてもムリだと思われます。

 それじゃあ、これを考えた技術者は、どうやってこれを飛ばそうとしていたのか?
 どういう運用をしようと考えて、こんな機体を構想したのか?
 これについては有料とさせていただきますので、気になる方はお代を払って続きを読んでやってくださいませ。

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