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やっぱり来年も使います

昨日、近所の神社の境内で「どんと焼き」という正月の飾り類を燃やす行事があったので、うっかり2、3年ため込んでいた正月のしめ飾りとしめ縄を持ち込んで、燃やしてもらいました。
火を見ていると落ち着くので、しばらく見ていました。
女性が来て袋から何か出して受付台に置きました。鏡餅でした。
紺のはっぴを着た初老の係員が、これは受け付けませんと断ったので、女性は袋に戻しました。
彼女は次に小さいしめ飾りを出しました。
「これ、何年も使っているんですけど、燃やして買い直したほうがいいんですか?」と聞きました。
すると係員が「毎年買い直すものです」と答え、しめ飾りを取ろうとしました。
すると女性は「ああ、やっぱり来年も使います」と言ってしめ飾りに手を置きました。
係員は「お好きにどうぞ」と言って微笑み、女性はしめ飾りを袋にしまいました。
危ういところで命拾いしたしめ飾りの運命やいかに。

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