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タカホとアキラの往復書簡 3往復目

前田さん、お元気ですか?
日々、FBで動向を推し量っております。
僕はもちろん元気です。
立派な中年なのに、思春期のように「僕はなぜ生まれてきたんだろう?」「生きていく意味ってなんだろう?」ということを悶々と考える日々です。
そんなことを考えてる暇がある、ってことは、それだけ余裕があるってことなので、歓迎すべきなのです。
うーん、僕ら、なぜ出会ったんだろう?

さて、1月にいただいた前田さんからの質問

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 今年最初の長尾さんへの質問ですが、今回のブログで言及した「共感度の高さ、感化されやすさ」から考えついたものにしたいと思います。
 近年、クラウドファンディングをはじめとして、様々なプロジェクトが起こっています。このプロジェクトを成立=目標とする寄付金額に到達するために、運営者からはなるだけ他者の共感を呼ぶようなストーリーづくり、写真や動画の制作などを求められているそうです。クラウドファンディングに限らず、オンラインサロンやオンラインコミュニティでも色々なプロジェクトが起こっていますが、ソーシャルメディアが普及したことで、多くの「いいね!」やシェアを集めることがプロジェクトのスタートダッシュや成否を左右します。
 この状況は、人々の共感のしやすさを助長しているように私には移るのですが、盲目的な共感だけでプロジェクトを進めて良いのかという疑問があります。
 もちろん、誰もが「このプロジェクト、うまくいくのかなぁ・・・?」と疑っているプロジェクトがうまくいく訳がありません。ただ、どこかに「この進め方で合っているだろうか?もっと良い方法があるんじゃないだろうか?」と考える人がいなければ、間違った問いに全社一丸となって全力で正しく答えた結果、プロジェクトが失敗に終わってしまいます。
これは一見矛盾したことを言っているように聞こえるかも知れないのですが、「組織・プロジェクトチームに、批判的思考を内包するにはどうすればよいか?」と問わせてください。
 どうぞよろしくお願い致します。
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年明けにこのお題をいただきまして、日々の忙しさに追われながらも脳の片隅で低く静かに考え続けておりまして、今日、「なーーんだ。」という解が出ましたので謹んでお答えいたします。

批判的思考、には2種類あると思っています。
1つ目は、敵対的な批判的思考。
「これ、だめじゃない?」「無理無理、ありえない。」「うまくいくわけないじゃん」と否定を前提にする思考。
荒唐無稽な理想を掲げた場合や、従来のやり方を根底から覆すようなプランを表明したときに現れることが多い思考なのではないでしょうか。
2つ目は、友好的な批判的思考。
「もっとこうしたらいいんじゃない?」「この条件が揃えばいけるかも?」「どうすれば実行・実現できるかなあ」と肯定を前提にする思考。
心理的な安全性が確保された関係性や、情報がオープンになっていて自身も参加する余地がある状態で現れることが多い思考だと思います。

敵対的な批判は、関係性を駆逐します。
友好的な批判は、成果の達成に寄与します。

友好的な批判的思考を内包するにはどうすればよいか?

2ヶ月近く考えて出た答えはこれ。
拍子抜けするほどシンプル。

「振り返りをする」です。

「今日話したこのプロジェクト、どんな条件が揃えばうまくいくと思う?
「足りないところはどんなところ?余っているところはどんなところ?」
「無駄を省くにはどうしたらいいと思う?」
「他所の人がこれを見たときに、どんなふうに思うかな?」

振り返りの本質は、「現状を多角的で複数の視点から確認すること」だと思っていまして、上記の問いはまさに「現状を確認する問い」です。
問題(課題)=理想ー現状、という式があるとして、プロジェクトを進めることは大小様々な問題を解決したり課題を達成したりする営みです。
理想がわかっていても現状がわかっていないと問題/課題が明確になりません。
やりたいこと(理想)がわかっていても、やりたくないこと(現状)がわかっていなければ、何に取り組んだらいいかわからないわけです。
現状がわからなければ、やりたいことがわからないのは当たり前。

というわけで、友好的な批判的思考は、対話的に振り返ることで集団の中に涵養されていくと思います。

僕はいつも、振り返りをする場合は、以下の3つの問いを原則としています。
①何が起きた?(事実を客観的に)
②どう思った?(感想を主観的に)
③次、どうする?(行動を間主観的に)
※間主観…複数の主観の間で共通する認識

「今日、何があった?」
「給食の時間に男子が言うこと聞かなかった。」
「どう思ったの?」
「頭きたよ。腹たった。男子のせいでみんな怒られた。」
「次、同じことが起きたらどうする?」
「注意する。」
「もっと他にできることがあるとしたら?」
「んー、無理に男子に言うこと聞かせない。ほっとく。」

こんな会話が我が家の次女と昨今繰り広げられるわけですが、これもひとつの「振り返り」の形態です。
このケースですと「もっと他にできることがあるとしたら?」が友好的な批判的思考にあたる感じ。

というわけで、僕からの質問です。
「やる気がない人をやる気にするにはどうしたらいいですか?」という質問です。

ちょうどさっき、こんな相談を受けました。
「やる気がない人をやる気にするにはどうしたらいいですか?一部のやる気のない人の影響力が強くて、やる気のある人のやる気がどんどんなくなっちゃうんです。」
それに対しての僕の持論を述べました。
「ほっとけばいいと思います。」
僕の持論に相手の方は納得がいかなかったようで、こうおっしゃってました。
「そんなの、やる気がない人が得をして、やる気がある人が損じゃないですか!」

ああ、確かにそうだよなあ。心情的には、わかる。
でも、やる気がない人に「おい!やる気出せ!」って言ったところでやる気は出ないだろうし。
やる気がない人と仕事しなきゃいけない状況もあるしなあ。

前田さんなら、どう答えますか?






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