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【実写レビュー】初めてのMFレンズはフォクトレンダー40mm F1.2がおすすめ!情緒感を切り出す描写が撮影体験を豊かにする

カメラのレンズにはAF(オートフォーカス)とMF(マニュアルフォーカス)があります。SONYユーザーの私はもっぱら純正レンズしか使っていなかったため、基本はAFでした。自動でピントが合うAFと比べ、手動でピントを合わせなければいけないMFは、それだけ撮影が大変です。また、防塵防滴機能を備えていないため、使うのが怖い気持ちもありました。

Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical(VMマウント) シングルコーティング

しかし、昨年末にVoigtlander(フォクトレンダー)というレンズメーカー縛りの写真展を訪れたことをきっかけに、Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Asphericalを購入に至りました。そして、このレンズをきっかけにすっかりMFレンズの魅力にのめり込みました。今では作品撮りはほぼMFレンズしか使っていません。それほど写りに感動した同レンズを紹介します。

別売りの純正レンズフードは約1.5万円もした。ただ、かなり光を取り込む明るいレンズなので、昼間に開放で撮るなら可変式NDフィルター必須だと感じた。なので、買わなくて良かった気がする。NDフィルター優先で全然使っていない。

<レビューをご覧の上での注意点>
ボディ:SONY α7RⅤ(電子接点がないので、F値やシャッタースピードはうろ覚えです)

・ソニーEマウント用ではなく、ライカのVMマウント用のため、光学性能の最適化を考えると写りの差があるかもしれない。また、電子接点がないためF値がうろ覚え

・本レビューはSONYの純正レンズと比較して、ここが違うなと感じた点をまとめたものにすぎない


現代レンズはクリアでシャープな写りを追求した結果、レンズの個性が弱まった気がする

私はSONYの純正レンズに絶大な信頼を寄せていますし、特にGMレンズは解像度が高くて写りは大変綺麗です。しかし、現代のAFレンズは、クリアでシャープなデジタルらしい写りを求めた結果、個性が弱まったと感じています。次第に、他のカメラマンと差別化したい、デジタルっぽい写りが物足りないと感じるようになりました。

そこで変化を求めて、ライカやハッセルブラッドなど別格に高額なレンズや、写りが個性的で価格も安めなフィルムカメラ時代のオールドレンズを物色したわけです。結局、オールドレンズな写りをする現代レンズと言われるVoigtlanderを選びました。

NOKTON 40mm F1.2は光を柔らかく捉え、しっとりした描写

Voigtlanderは、1959年に設立された日本の光学機器メーカー「コシナ」が発売する、カメラ・レンズのブランドです。プロ・アマ問わず多くのカメラマンが魅了されるその写りはどこが違うのでしょうか。数あるレンズの中でも、購入したお店のスタッフが丁寧に教えてくれて、絶賛したVoigtlander NOKTON 40mm F1.2 Asphericalを最初に選びました。

同レンズは、手持ちのSONY 35mm F1.4 GMレンズと比べて価格が半分以下だったので、やはり写りに大きな差があるのでは?と思っていました。しかし、当然ながらそんなことは決してありません。AFレンズがMFレンズより高額になりがちな理由として、オートフォーカスや防塵防滴機能を備えていること、レンズ構成枚数が多いことが挙げられます。しかし、オートフォーカスや防塵防滴機能は写りと基本的に関係ないですし、設計次第なのでレンズ構成枚数が多い=性能が良いとも限りません。逆に重さの面ではMFレンズは必然的にAFレンズよりも小型軽量化されるのが魅力です。

4ヶ月間くらい使った感想

2023年11月にNOKTON 40mm F1.2を購入してから、ポートレート、コスプレイベントと、仕事にプライベート問わず色んなシーンで使ってきました。

SONY 35mm F1.4 GMレンズと比べて感じた写りの違いをまとめると、

(1)レンズを構成する枚数が少ないから?か、同じF値でも、NOKTON 40mm F1.2の方が光を取り込む量、光の捉え方が柔らかい。

(2)シャープでクリアなデジタル調の写りにはならない。しっとりした、空気感を切り取ったような絵になる。

(3)開放時のボケが不自然じゃない。いい意味で形が崩れるほどボケない。

(2)、(3)は好みが分かれるので良し悪しではないです。NOKTONはNokt(夜)に由来していて、夜でも撮影が可能なレンズという意味なので、先立って、2月に長崎で開催された「ランタンフェスティバル2024」で撮ってきました。祭りの情緒感をしっかり切り取ってくれています。少し暗かったので手持ちの小型LED「ZHIYUN M40」を使っています。


モデル:ひよっこ(X:@nakukotogadekin)、ブランド:不軌不軌/Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical F1.2
Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical F1.2
Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical F1.2

レンズと被写体との距離感で背景のボケ具合も変わります。全身、上半身、顔と寄って撮りましたがフル開放でも背景ボケが景観を崩壊させていません。それでいて、モデルさんの艶っぽさをみずみずしく描いています。このしっとり感はSONY 35mm GMと大きな違いです。

フル開放でもピントが合わせやすい

被写体から距離を取ってもピントは合いやすく、像崩壊もしない/Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical F1.2

NOKTON 40mm F1.2は、どちらかといえばシャープな写りなので、フル開放時でもピントが非常に合いやすいです。モデルさんがシャッター切るまで動かないという被写体力の高さもあって、夜景ポトレでこれだけピント精度が高い結果(しかも、ほぼ片手持ち)には感動しました。通常、F1.2をマニュアルでピント合わせるとなると、かなりシビアなんですが、同レンズはスムーズでした。

Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical F1.2

また、購入時に逆光に強いレンズのマルチコーティングではなく、逆光でフレアが出やすくなるシングルコーティングを選んだのもあって、街灯でも程よいフレアが出るところがオールドレンズテイストを感じさせますね。

Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical F1.2
Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical F1.2

あと、やっぱり40mmという画角が絶妙でした。35mmほど歪まないけれど、50mmよりも角度がつけられるという良いところ取りです。

まとめ


まさに、その場の空気感を含めて、自由な角度で写しとってくれるレンズだと思いました。体験を思い出に残す意味でも、もってこいのレンズではないでしょうか。

「長崎ランタンフェスティバル2024」撮影の様子は動画にも公開しているので、そちらのチェックもよろしくお願いします。こちらの動画もNOKTON 40mm F1.2で撮っています。


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