【ざっくりレビュー】2019 J1リーグ第12節 ヴィッセル神戸戦

akira(@akiras21_)です。
いつだかの金Jに彼らが来てからというもの、ちょっとエモいです。

【前節までのあらすじ】

リーグ2連勝と勢いに乗ったまま大阪へと乗り込んだマリノスだったが、試合序盤に出鼻をくじかれ、セレッソ大阪の堅い守備を崩し切れないまま無念のホイッスル。0-3というスコアに失意を抱いたサポーターは少なくなかったが、選手たちは口々に自分たちの課題点が同じであること、そしてそれは改善できるものだと語っていた。

ホーム・日産スタジアムで迎えたヴィッセル神戸は世界的なビッグネームを擁していながら、相次ぐ負傷離脱や監督交代による不安定なチーム状況が影響して公式戦7連敗。この日もアンドレス・イニエスタ、ルーカス・ポドルスキ、古橋亨梧ら主力を複数欠いての来場だった。

開場が1時間早まるなど、4万4000人の大観衆が日産スタジアムに詰めかけたこの一戦。勝ち点3が欲しいのは両チームとも同じ。果たして最後に笑うのはどちらのチームか?試合は神戸ボールでキックオフを迎える…

ということで、メンバーは以下。

[4-2-1-3]
GK:朴一圭
DF:和田拓也、チアゴ・マルチンス、畠中槙之輔、ティーラトン
MF:喜田拓也、扇原貴宏マルコス・ジュニオール
FW:仲川輝人、エジガル・ジュニオ、遠藤渓太

[SUB]
飯倉大樹、ドゥシャン、広瀬陸斗、大津祐樹、天野純、三好康児、李忠成

不調と見られていた天野純と三好康児のサブメンバー入り、エジガル・ジュニオの先発復帰に加え、クリリンことマルコス・ジュニオールをトップ下に据えた4-2-1-3のシステムを今季初めて導入。ここ最近の中では目新しさの多いメンバー構成となりました。

DHを2枚並べる形はどんなふうに作用するのかな…などと考えながら試合を観ていましたが、いろいろあったんで今回はいつも通りパパっと…いや、今回はどうか最後までぐっと堪えて読み進んでください。それか目次でササッと飛ばしちゃってください。それではさっそく参りましょう。

マリー・アントワネットと1本多いラインの妙

はい、それじゃ本編に移ったところでさっそく白状しましょう。さきほど「DHを2枚並べる形」について気にしていたと書きましたが、それ以上に気になってたのがティーラトンの動き方です。

スタートの位置こそ左サイドバックですが、前節はいざ蓋を開けりゃ左サイドバックAJ10という状況でしたね。ポルディやイニエスタこそいなかったものの、それでもウェリントン、ビジャらタレントの揃う神戸アタッカー陣を迎えるにあたって、ちょっと怖いなぁと思ってたんです。

ただ、ティーラトンはティーラトンで精度の高いキックなど攻撃面にストロングポイントを持っているので、それはそれで活かしたい。そうなればティーラトンの攻め上がりに合わせてスライドする形でスペースを埋めればいいんじゃないの、つまり「パンがないなら菓子パンを食べればいいじゃない」というマリー・アントワネット的発想で2DHシステムを採用したようでした。いやほんとは違うんだけど。

マリノスがボールを持ったとき、ティーラトンは左サイドでほぼフリーロール。DHと並ぶ場面、トップ下のクリリンと並ぶ場面、時には左ウィングの遠藤を追い越す場面すらありました。浦和レッズに移籍した元24番すら越えるレベルのフリーダムさです。

ほいじゃネガティブトランジション※の時はどうすんのよ?はい、そのための2DHです。ティーラトンがどこにいるかにもよるんですが、扇原または喜田のどちらか、あるいは2人が最終ラインに入ることで人数を確保しつつ、ティーラトンの帰着を待ちます。そう、あくまでティーラトンの守備位置は最終ラインなんですね。

ネガティブトランジション
攻撃→守備に移り変わる場面を指す。ボールを奪われて守備に回り、体制が整うまでのこと。「ネガトラ」と多々略される。
ちなみに、守備→攻撃に移り変わる場面は「ポジティブトランジション」、略して「ポジトラ」と呼ばれる。言うまでもないが阪神タイガースはまったく関係ない。

神戸のプレス開始位置がおおむねミドルサード〜ディフェンシブサードだったのが事前のスカウティングで分かっていたからか、攻撃時の2DHコンビは2CBを残して1列前で待機。必要に応じてサイドにも流れ、攻めが手詰まりになったときのボールの捌け口にもなり、バックパス含めスムーズなパスワークの中継点となりました。システム表記するとすれば2-3-2-3や3-2-2-3のような形で、神戸の4-4-2に対してマリノスは4本のラインを引いていたことになります。

「アタッキングフットボール」と言われるとどうも「バックパスは逃げ」みたいなふうに見えてしまうかもしれませんが、むしろバックパスを有効に使ってこそ相手をぶん殴り続ける攻撃が実現できるのです。ボールを持って上がったところまではいいがその先の攻め手が見当たらなくなったとき、闇雲に突破を図ってボールを失ってしまったら意味がありません。なので、もう一度攻撃がしやすいようポジショニングを整えるための時間調整としてバックパスを用意しておくことも大切なわけでして。

あと、攻撃時に見せるフリーダムなポジショニングはワー坊(または石原直樹)こと和田拓也もだったりします。ただワー坊も守備時は右サイドバックに戻ろうとするので、ざっくり「攻撃は自由に、守備は規律に」というコンセプトが感じられました。今更でもなく、今季のサッカーのテーマなんですけどね。知らんけど。

パギはスリル、ショック、サスペンス

その他気になった点のひとつとして、パギが(おそらく意図的に)緩めのパスを出していたことが気になりました。スタジアムで観てたときはヒヤヒヤしてたものですが、落ち着いて観てみればその意図は実に単純なもので、DHにボールを渡しやすくするためでした。あえて緩いパスを出すことで相手のプレスを惹きつけるとその分スペースが生まれるわけで、そういったズレを利用して前に運びやすくしようよーということです。知らんけど。

あと神戸がゴールキックからビルドアップを始めるときは必ずと言っていいほど観音開きをしてたんですが、CBを開かせてマリノスのプレスを惹きつけときながら真ん中のスペースには誰も下りてこないとか、そんなもんだからキム・スンギュは蹴り出すしかないとか、そういう状況を良しとしていたんでしょうかね?

後者については前線にウェリントンやビジャがいるからまー理解できるとして、前者はどうなんだろう…とか思ってたら15分1秒ごろに本日1パギ目。とか言ってたらDAZNでリプレイ流してる間に2パギ目(これ、自作自演チックでちょっと危なかったんですよ)。とか言ってたら今度はウェリントンが畠中に謎のタックル。そして派手に倒れる。そして流される。んだからスクッと立ち上がる。なんなんすかこれ。

ノリと勢いとレイヤー飛ばしと

16分50秒ごろに3パギ目を記録しつつ、ライン低くしたと思ったら山口蛍が全力で走ってきたりしつつ、ノリと勢いで畳み掛けてくる神戸の攻撃に対して結構危なかったりするんですよねこの後は。一方で、前述の「パギの緩めのパス」で始まった22分54秒ごろからの一連の流れがひとつターニングポイントになった気がします。

パギからボールを受けた畠中はビジャにパスコースを塞がれるも、左サイドのタッチライン付近まで流れつつ様子を伺います。そして、遠くの方で駆け寄ってきていたクリリンを見つけるやいなやポヨーンと縦パス。勢いこそ力の抜けた感じでしたが、実はこれ、なにげにレイヤーを2層飛ばしてる※んです。さすがは世界のHATANAKAといったところでしょうか。

レイヤーを2層飛ばしてる
「相手の防衛エリアを2つ越える」と言い換えることもできるかも。「レイヤー」の詳細については、せんだいしろーさん(@sendaisiro_naka)の「5レーン+4レイヤー理論」をご覧ください。

で、その世界のHATANAKAからボールを受けにいったクリリンもさすがのプレーを披露します。畠中のパスが緩めだったのを見るや、神戸の山口と宮大樹がクリリンへとタックル気味にプレスをかけるわけですが、クリリンはそれをあざ笑うかのようにヒールパス。それをエジガルが拾って、大外からウチへと絞るように走ってきた仲川へとパス。この攻撃はその後未遂で終わってしまうんですが、見た目とは裏腹にかなりのプレッシャーを神戸へと与えたプレーでした。

この一連の流れ以降も、クリリンは後ろから数えて2〜3列目付近をフラフラと動き回っており、前述の2-3-2-3(3-2-2-3)も相まって流れるような攻撃にひとさじのスパイスを加えていきます。

27分1秒ごろにチアゴからの縦パスを受けたときも、後ろから三田啓貴と宮の2人が急襲プレスを掛けていたにもかかわらず、クリリン本人はどこ吹く風といった様子でティーラトンにヒョイッとパス。そのティーラトンは左サイド深くで張っていた遠藤にボールを渡して、遠藤は鋭いグラウンダーのクロス…と。すごくうまい(小並感)

1点目:遠藤渓太の予備動作とTH2

さあいよいよ歓喜の瞬間や!

神戸がボールを握って攻撃を仕掛けるも、ポジショニングや距離感の整備不足でどうもチグハグになってしまったため、いったん最終ラインの宮へと戻します。これに対してマリノスが最終ライン裏へのロングボールを警戒しながらラインを上げると、宮は案の定ロングボールを選択。しかし、その方向は最終ライン裏ではなく、逆サイドの大崎玲央を狙ったものでした。

が、宮のロングボールがズレたのか、あるいは大崎が落下地点予測をミスったのか、ピッチ中央を越える頃になって大崎が「やっべ」と言わんばかりにバタつきを見せます。これにティーラトンが反応して見事ボール奪取に成功。遠藤へと難なくヘディングパスを通します。

ここでちょいと挟みますと、実は遠藤も遠藤でティーラトンとほぼ同じタイミングで宮のロングボールに反応していて、その後ティーラトンが奪えると予測していました。ティーラトンがヘディングする2秒前、略してTH2の段階で体の向きとステップを神戸ゴール方面へと向けていたのがその証拠です。遠藤かっこいいよヒューヒューだよ!

さて遠藤はドリブルでボールを持ち上がるんですが、ここで強気に中央へと絞るコースを選択。同時にエジガルが左サイドへとダッシュのコースを変更。そして、ダンクレーと宮がエジガルに引っ張られるのを見たクリリンがその逆を突くコースにランニング。クリリンはそのまま遠藤からのキーパスを受け、ワンタッチでシュートを決めて先制点を挙げました。

これには遠藤も嬉しかったのか、DAZN中継44分34秒ごろに甲高い声を上げながらクリリンへと抱きつきに行きました。もっと喜んでもええんやで!おめっとさん!

経験不足ってどうしても表に出ちゃう

その後も遠藤がヘディングシュート打ったりとかまーなんやかんやあるんですが、ここは涙を飲みつつバッサリ割愛して後半に移りましょう。「いつも通りパパっと」どころか既に4000字を超えてるので、もう「いつも通りドシャっと」の誤りでした。どう見ても確信犯です本当にありがとうございました。

さあ気を取り直して後半行くよ!

ベンチに座った名将・吉田孝行が見せた恋ダンス(もう古いですね)もやむなく、なんとも微妙な距離感でプレスに行くのか行かないのか、または攻めるのか攻めないのか、どことなーく恋愛経験の乏しい大学1年生みたいな雰囲気の神戸をよそに、マリノスは徐々に攻勢に出ます。

神戸は神戸でギュッと絞っていくプレスを掛けてマリノスに応戦するんですが、むしろそういうのはマリノス得意の形でございまして、あっさり抜いたら中央でフリーのクリリンにポーン、みたいなシーンもあったりと。対戦相手が神戸なだけに、闘牛を相手取るマタドールの如く急襲プレスをかわすのはどちらかというと慣れっこなのです(言ってやった言ってやった)

青い(トリコロールな)風が今 胸のドアを叩いても

さて、ここまで節々で気の利くポジショニングを見せていたエジガルに代わってチュンソンが入ります。試合結果を知ってる皆さまならお察しいただけるかと思いますが、まずはチュンソンが入ってすぐ、63分50秒ごろのシーンに注目したいと思います。

ティーラトンがボールを拾い、喜田のスルーパスを経て、左サイドで遠藤がボールを収めます。それを見た反対サイドのチュンソンが手を挙げてアピールし、遠藤もそれを見ながらやや後方に視線を向けながらジリジリとボックス内へ。

これ、実は遠藤からのサインだったんです。誰か上がってこい、上がってこい、逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ、と。

残念ながらシンクロ率は上昇せずボックス中央に誰も走り込んで来なかったため、程なくして遠藤はコースを塞がれてしまい、この攻撃は不発に終わります。きっと遠藤は「(誰かボックス中央まで)動いてよおおぉーーー!!!」って気分だったでしょうね。知らんけど。

ただ、この少年の残酷なまでに悲痛な願いは後々叶うことになります。

2点目:少年よ神話になれ

ってことでさっそく叶ったよ少年の願い!

キム・スンギュのロングフィードを奪い、扇原がボールを足下に収めると、センターサークル付近にいたティーラトンを経てマリノスもすかさずロングフィード。ボールが弧を描いた先には…じゃなかった遠藤渓太が待ち構えており、トラップからすぐさまドリブル開始。

先程とほぼ同じ位置、右ハーフスペースで再び手を挙げてボールを要求するチュンソンに加え、このときは中央レーンをクリリンが猛然と駆け上がっていました。

ダンクレーがしびれを切らしてプレスに向かうも、遠藤はこれまたヒラリとかわしてボックス内へ侵入。それと同時にクリリンはダッシュを止めて、ぐっと踏ん張り後ろの方へ。それに宮と大崎が引っ張られたところで、遠藤はキム・スンギュの目前を高速で通過するグラウンダーのクロスを選択。チュンソンはもはや当てるだけという素晴らしい崩しを披露しました。

あと何気にティーラトン起点なんだよね、これ!

3点目:これはウチも気を付けなきゃいけないと思ってる

ここまで入った2点のいずれにも絡むなど、素晴らしい出来を見せるこの日のケイタ・エンドウ(こうやって書くとRBライプツィヒあたりにいそうな代表準レギュラー級のMFっぽくなる)。こりゃ後はゴールさえ決めれば文句なしのMOMだよな!と思っていたところに、交代出場でピッチに足を踏み入れたのが「マジでめっちゃいい」と新チームバスを絶賛する三好康児。こいつがまたいいとこ持ってっちゃうんですわ。

グラウンダーの速いパスを扇原がスライディングでカット、そのこぼれ球を受けた遠藤がサンペールと渡部博文の激しいチェックに対して体を張るなど肉肉弾弾肉弾弾な展開を経てティーラトンにボールが渡るわけですが、この時点で逆サイドの三好はほぼフリー。ティーラトンがボックス内に侵入しても状況が変わらんので、悪魔の左足は三好へのクロスを選択。これまた合わせるだけといった展開であっさりゲット(CV:倉敷保雄)

さて神戸は当時4-4-2をやめて、代わりに2-3-2-3のような感じでマリノスと似た陣形になってたんですが、

①3トップに対して2CBと、そもそも枚数が足りてない(宮は三好の位置を認識していた)
②後ろから2列目の「3」のうち、左サイドの西大伍が浮いている

という大きく2つのファクターから、三好がフリーのまま最後まで進めさせてしまったわけです。特に②については、2CBはティーラトンとチュンソンに対応するのが精一杯でしたし、西が三好に付くべきだったんじゃないかなと思います。何だったんすかね。知らんけど。

4点目:マン・オブ・ザ・マッチ あるいは(無垢がもたらす予期せぬほっこり)

さてなんやかんやで3点目を奪ったわけですが、ここで「よーしお父さん試合を締めに行っちゃうぞ」とならないのがアタッキングフットボールの心意気。マリノスはまだまだ点を取りに行こうと攻撃を続けます。とか書いてたらチラッと見えちゃった場面についてちょっと取り上げてみます。

最終ラインから数えて2列目、DHの喜田と扇原が同じライン上に同時に並び、かつ2人の前に神戸の4人で形成されたラインがあったんですが、ボールが畠中に戻ったところで神戸のラインを抜けるようにして上がっていったのは扇原だったんですね。そして扇原はそのままプレスの網から離れたところでフリーになる動きをしています。

ここまで来ればもう当たり前といいますか、どうやって扇原にボールを渡し、そしてボールを出させるかがこのシステムの肝だったわけですね。と思いきや、87分15秒ごろには扇原が自分からボールを受けに下りていきます。まああのスペースガラ空きだったしね。なんにせよ扇原が肝であることに変わりはない。うん。

扇原は体の向きを駆使して相手のプレスをいなしつつ、匠・喜田(家具メーカーではない)にパス。喜田はさらに左ハーフスペースを走っていたAJ10にスルーパス。AJ10は左サイドレーンを走っていた遠藤にパス。流れるようなパスワークを経て、ボックス付近には中央レーンを走るチュンソンと、反対側のハーフスペースを走る三好の姿。おおっとこれは2点目と同じ形!しかし遠藤はここでシュート!!ちょいと逸れたがギラついてていいぞ!!!

とか思ってたらなんやかんやで三好がこの日2ゴールとなる4点目をゲットー(CV:倉敷保雄)。遠藤も4点目が決まって嬉しそうでなによりだったけど、Youあと一歩でヒーローだったんだぞ!!!!

あと一瞬の出来事だったんで簡単に書いて終わらせちゃいますが、失点はスペースに入り込まれました。畠中がチアゴやワー坊よりもちょっとだけ先を走ってたためにラインが崩れてて、そのくぼみにスペースができちゃってました。そこをウェリントンが見逃さず、斜めに走り込んだらそのままダイレクトボレー、と。スペースにピッタリ合わせた小川慶治朗のクロスもあっぱれでした。

おわりに:サポーター同士をつなぐもの

といったところで試合はお開き。また来週のお楽しみ…と歌丸師匠っぽく締めるのは一旦置いといて。

このレビューを書いてる時点ではルヴァンカップのグループリーグ最終節(V・ファーレン長崎戦、●1-3)が既に終わっておりまして、その悔しさを噛み締めながら、それでいてファン・サポーター、そして選手たちが喜ぶ姿を見ながら書いているわけですが…やっぱり勝つっていいですよね。我々はこの瞬間のために応援をしてるんだと思います。

先般、こんな記事が出てちょっぴり話題にもなりました。でもここで注目したいのは「スタジアムで現地観戦したサポーターは試合前の高揚感が大きい」ということ。僕自身ここ数年ホームゲームはほぼ皆勤、時期によってはアウェー遠征もほとんど行ったりしてましたが、そうなんですよ、スタジアムでキックオフを迎える瞬間が一番ワクワクするんですよ。だからスタジアムに行くし、チャントも歌うんです。

でも、試合を観るスタイルというのは決して画一的なものではなくて。チャントを歌い、飛び跳ねるのが楽しい人もいれば、推しの選手がプレーする姿を観るのに喜びを覚える人もいるし、そうした様子を写真に収めることが好きな人もいます。チームがどういう動き方をしていて、それがどのようにハマっていくかを考えながら観ることに快感を覚える人もいます。もちろん、おしゃべりしながら観るのが好きな人だっています。中にはマスコットが好きな人もいますよね。

試合に負けて本気で悔しがり、なんなら数日間引きずってしまう人もいれば、「残念だったね」「仕方ないね」と折り合いをつけて切り替えようとする人もいます。ものは感じよう、受け止め方。でも、スタジアムに通うような人たちは、たとえ結果がどうであれ次の試合にはまた現れるんです。

だって、ワクワクしたいから。

気合いを入れて応援するもよし、飲んだり食べたりしながら騒いで楽しむもよし。でも、みんなその根底には「ワクワクを求めている」ということがあるのを忘れちゃいけないなと思うんです。自分もそうだし、他の人もそう。みんなワクワクしたいからスタジアムに来てるんです。

ボスが来てから、そのワクワクに訴えかけるような魅力あるサッカーが観られるようになりました。感情をどストレートに掻き立てるサッカーです。やろうとしていることが明確だからこそ、うまくいったときは爆発的に喜び、そうでなかったときはものすごい言われ方をされることすらあります。サッカーを知ってるとか知らないとかそういうことではなく、単純にひとりひとりが大きな期待感、ワクワクを抱いているからです。

そんな我々がスタンドから感情を表現する「応援」という手段は、ひとつにまとめようとするとなかなか難しいと思います。いろんな意見やぶつかりがあって当たり前でしょう。俺はこうしたい、私はああすればいいと思う、とかいろいろな考えが想像以上にほんっとうにたくさんある。そしてそういうものにいろんなところで触れるたびに「正解なんてないんじゃないか」と思えることすらある。

正解なんて無え。正しさなんて無え。でも共通点はあるんだ。絶対にあるんだ。みんなをまとめるたったひとつの感情があるんじゃねえか。

合ってるも間違ってるも無え。正義も悪も無え。でも試合を観りゃ手を叩きたくなるならば、ついつい声を出したくなるならば、そして心にしっかりとワクワクがあるならば、湧き上がる感情が胸の中にあるならば、それが愛なんじゃねえかと俺は思う。そしてその愛はみんなが持ってるんじゃねえかと俺は思う。

だから、そこでみんな繋がれりゃそれでいいんじゃねえかと思うんだ俺は。そこで繋がってりゃもっとおっきいことが出来るんじゃねえかと思うんだ俺は!そしてそれこそが何よりも大事なんじゃねえかと思うんですよ俺は!!

最後思いっきり脱線したけどみんな磐田戦は勝ちに行こうな!!超えていこうな!!!

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