【ざっくりレビュー】2019 J1リーグ第15節 清水エスパルス戦

akira(@akiras21_)です。
中断期間も挟んだことですし、このざっくりレビューも少しずつスタイルを変えていこうと思います。

【前節までの振り返り】

・ここまで3連勝(vsヴィッセル神戸○4-1、vsジュビロ磐田○4-0、vs湘南ベルマーレ○2-1)
・勝てば単独2位、リーグ4連勝となれば約2年ぶり
・日本代表に選出された畠中槙之輔は親善試合2試合とも先発出場
(うち1試合は途中交代)からチームに復帰、三好康児はコパ・アメリカ出場のため離日

といった感じでサクサクッといきましょう。今節、清水エスパルス戦のメンバーは以下。

[4-2-1-3]
GK:朴一圭
DF:和田拓也、チアゴ・マルチンス、畠中槙之輔、ティーラトン
MF:喜田拓也、天野純、マルコス・ジュニオール
FW:仲川輝人、エジガル・ジュニオ、遠藤渓太

[SUB]
杉本大地、広瀬陸斗、大津祐樹、山田康太中川風希、李忠成、山谷侑士

扇原貴宏の負傷離脱こそあれど、先発メンバーの構成は中断期間以前と変わりませんでした。そこにU-20ワールドカップ帰りの山田、そしていよいよ中川風希がリーグ戦メンバー入り。ここまでルヴァンカップで少し出場しただけだったので、興味と期待が掻き立てられたサポーターも少なくなかったようです。

前置きはここまで。いざキックオフ!

試合序盤:突然のアクシデントとピッチ上に舞う背番号10

試合開始時、マリノスの4-2-1-3に対して清水の配置は4-4-2。マンマークというよりも縦方向へのコースやスペースを消しに行くディフェンスで、2トップがファーストディフェンスに走ってサイドに追い込む裏で最終ラインを上げ、ボールを奪ってからカウンターへと素早く移行。ハーフコートに押し込めたら人数を掛けて連続攻撃…と、我々マリサポとしてはまー見覚えのあるパターンでした。

と、試合開始から5分で早くもアクシデント発生。こぼれ球の対応に向かったチアゴが、同じくボールを奪おうとした金子翔太と交錯。チアゴは金子のヘディングをアッパーのような形で左側頭部に食らってしまいました。この場は大丈夫と復帰するも、後にゲームプランへ影響を与えることとなります。

一時的な中断を経て試合が落ち着き、マリノスが最終ラインからビルドアップを実行する場面へ。ここで注目したいのが、当時ピッチ中央部に立っていたAJ10こと天野純です。

フラフラと動いていたように見えますが、この動きで相手のプレスを惹きつけ、自分以外へのパスコースを引き出していました。そんな中でもスペースが見つかれば入りこみ、そうでなければボールホルダーや近くの味方に指示を出すなど、“ボールを握らぬ司令塔”とでも言うべき働きをしていたのです。

一方、パス交換を挟みながらゴール前まで走っていったかと思いきや、その場を離れて連続攻撃の後方支援に回ってたり、はたまたクロスボールに反応してボックス内に走り込んでたりもしましたね。走行距離の長さも十分にうなずけます。

予備動作の重要性と個の力:なぜAJ10はノールックで遠藤にボールを出せたのか

ここでひとつ、印象的な攻撃の形が。

15分15秒ごろ、チアゴが右サイドへとボールを持ち上がったところからスタートします。このときの右サイドにはマリノス4人に対して清水は6人と明らかに数的不利な状況。チアゴは前と横から緩やかにプレッシャーを受けながらもドリブルで進み、仲川が十分に近付いてきたところでパスを出します。

パスを受けた仲川ですが、背後はタッチライン、左右にはそれぞれ中村慶太と松原后、そして正面には竹内涼の3人がいて、三角形に敷かれた守備網に覆われていました。ここで仲川はパスを受けたと同時に竹内−中村ライン方向にドリブルを開始。中村がチアゴにプレスを掛けて、スペースがやや間延びしていたからです。

状況を汲み取った竹内が間を詰めつつ、チアゴにプレスを掛けていたドウグラスも加勢して仲川を挟み込む形に。ここで仲川のマーク担当はドウグラス1人に移ります。

仲川がしばらくドリブルした後にギリギリのところでAJ10にパスを通すと、AJ10はプレスに来ていたヘナト・アウグストと金子を惹きつけて、そのまま背後の遠藤へグラウンダーのパスを通しました。

ここからはカメラアングルの関係上推測になってしまいますが、AJ10は仲川がドリブルを仕掛けていた最中に、

①パスを受けるためのポジショニングを調整
②同時に遠藤の位置を確認

という2つの予備動作をしていたのではないでしょうか。仲川からのパスを受けてから遠藤にパスを出すまで1秒も掛かっておらず、かつ遠藤の方に視線を向けたのはパスを出す直前だったので、周到な下準備があったものと思われます。知らんけど。

この後は左サイドを起点に攻撃が進みますが、清水のサイドの守備は数的同数で、バイタルエリア付近は数的優位な陣形を敷いてきます。おそらくですが、この人数比はプラン通りだったのでしょう。片方サイドに人数を割いて奪いに行くプレスを仕掛ければ、

①密集地帯からボールを逃がすようにして進めていく
②ボールを後ろに下げて局面を落ち着かせ、ビルドアップを再開させる

このどちらかを迫ることになります。そして、相手の出方が①ならばボールサイドでディレイを掛けつつバイタルエリアに人数を割くやり方でシュートを警戒し、②ならば初期陣形に戻ればいいので、どちらに転んでも自分たちに有利な状況に持っていけるのです。

…と、ここまでダラダラと書いたんですが、ちょっと考えてみればやってることはマリノスと同じなんですね。それじゃ破り方は何なのかと言われれば選手のクオリティ、つまり「個の力」となるわけです。最終的には個なんですね。

この攻撃では裏に抜け出した遠藤が清水GK西部洋平の脇の下を狙うようにシュートを試みますが、惜しくもボール1個分外れてしまいます。実は遠藤がボールを持ったときに中央エリアで仲川がフリーになっていて、かつ清水の守備陣の視線は遠藤に釘付けだったんですが、ここは突破する選択をした遠藤の意思を汲みましょう。

次決めたらそれでエエんや!

(パス)コース作っちゃったんだ たぶん 気付いてないでしょう?

この後は互いにハーフラインを超えるようにボールを持ち上がり、そして裏のスペースを狙うような攻撃のやり合いへ。互いに直近の攻撃・守備の対角を狙うような展開が散見されました。

そんなこんなで30分35秒ごろから後方を起点としたビルドアップが始まります。このビルドアップの序盤で注目したいのは5月度月間MVPを受賞した巨匠・喜田拓也先生ちょいちょい視界に入っては消えていくという思わせぶりな恋愛マスターの如きポジショニングで中村の注意を惹き、パスコースを確実に開けていきます。この後も、

パスを出す

受け手は相手のプレスを惹きつけてから戻す

空いたコースに別の選手が走り込む

そこに出す

というYUIが誰かから聞いたという「返事はすぐにしちゃダメ」という恋愛の駆け引きの極意を実行するかのような連動性を見せます。

押尾コータローのギターに乗せたボサノバアレンジ…これいいっすね…はああ…好き……

1点目:出没(あらわれ)る

えー愛情重ためラブ微炭酸な恋愛体質ガールっぽさはこの辺にしておいて、試合に戻りましょう。前述のパス交換を経て、ボールが向かった先は何を隠そう巨匠・喜田でした。そして巨匠から出た縦パスの先には何故かワー坊がいて、絶妙な落としに反応したエジガルがシュートを叩き込み先制点を挙げる展開へとつながります。が…ちょっと気になりません?

\\\なぜそこにワー坊!!??///

では追ってみましょう。遡ること巨匠の思わせぶりポジショニングから。

30分43秒ごろにAJ10へとボールを出した後、ワー坊はお散歩しながらジリジリと前へ向かっています。ここでカメラから見切れます。

30分51秒ごろ、再び画面に登場。まだ歩いてます。しかし、どこからともなく聞こえてきた「渓太前に入れ!」という声と共にランニングを開始。徐々にポジションを内側に絞っていきます。

30分59秒ごろ、松原后と中村の間に居場所を見つけて辺りをキョロキョロ。エジガルから巨匠にパスが通ると、反転を挟んでゴール方向に走り出します(そしてこの裏でエジガルもワー坊に並行の関係でスプリントを始めているのも実は大きなポイントです)

31分2秒ごろ、「えっトラップしたの!?」って勢いでピッタリ足下に収めたワー坊は、ボールを持ったままボックス内に侵入。そして31分4秒ごろに反転すると、ボールがワー坊から離れてエジガルの前へとコロコロ。そして、31分4秒に後ろから走ってきたエジガルが強烈なグラウンダーのシュートを放ちます。

はい、ということで計算され尽くした動きだったわけですね!ダブル拓也のホットラインとて現象には必ず理由があるということです。知らんけど。

だんだん歳がバレそうだよ!

マリノスが1点奪った後の清水はミドルサードまではほぼ何もせず、アタッキングサードに差し掛かるあたりで寄せに行く形のプレスに移行。マリノスが手数を掛けると清水は全体を押し上げつつ陣形を4-1-4-1の形に整えて、CBにボールが渡ったところを狙いに行くというスタイルで、奪うことよりも破られないことを優先してた感じです。

そんな中マリノスは何度かチャンスを作るんですが、いずれも決められずに前半終了。マリノスはやりたいことができてたし、清水の守備もかなりグラついてた印象だったんですけどねぇ。

ささ、後半行きまっせ!

後半開始:押してダメなら押し切ってみる清水エスパルス

ハーフタイムでチアゴに代わって広瀬がin。広瀬が右サイドに入り、右サイドだったワー坊がCBにスライドするという配置変更がありました。何度か腰を気にしてたんで、代わるとしたらクリリンなのかな…とか思ってたらチアゴだったんでビックリしましたとも、ええ。開始5分のあのアクシデントが響いてたんかな…

そんな中、清水は後半からシステムを4-1-4-1に変更。ドウグラスが1トップに入る形です。守備はドウグラスや竹内が駆け出して前からプレスに行くわけですが、マリノスはこれに対して長めのパスを活用してボールを逃しつつ、スペースを広げるように仕掛けていました。やがて中央でクリリンがボールを持てるようになると決定機も生まれますが、惜しくもモノにはできず。

とかなんとかやってるうちに、清水のプレスの勢いは増していく一方。圧がすごすぎて「とにかく蹴り出さないと」って気持ちにさせるほどで、これがいわゆるひとつのゲーゲンプレスってやつなんでしょうね。返事がすぐに来ないもんだからグイグイ出ることにしたわけです。で、蹴り出させたところでボールを拾って素早くカウンターに移行すると。知らんけど。

さてコーナーキックからのゴール前混戦模様でドウグラスが放ったシュートをストップし、無事本日1パギ目を記録したあたりから雨脚は強めに。心なしかボールが伸びてたせいで、選手たちもビミョーーーに感覚がズレたのではないでしょうか。カンカン照りなのに水を撒かなかったせいでボールがまーーー走らなかった広島戦とは対象的なピッチコンディションでした。以降の試合展開はこの点もちょっぴり考慮すべきなのかも。

広瀬陸斗に森永のラムネをあげたい

と、ここで少し気になったのは広瀬のポジショニング。55分47秒ごろにAJ10が喜田とのワンツーパスで内に切れ込むランニングを見せると、竹内も西澤健太もAJ10に注意を惹かれて、右サイドがガラ空きになりました。

が、広瀬がこのスペースに走っていないのでパスが出せず、ティーラトンがしばらくドリブルした後で、前線から下りてきた仲川にパス。タイムロスもそうですが、マークの松原后も一緒に連れてくることになってしまいました。

このあと広瀬は前線にスペースを見つけてそのまま上がっていくんですが、清水の守備網がボールサイドに敷かれた状態だったので、結局はプレーエリアが狭まってしまう展開に。ううむもったいない。

で、思ったんですよ。「広瀬のポジショニングのこの感じ、なーんか見覚えがないかな…」と。で、いろいろ思い巡らせてみたところ、昨季の歯車が噛み合ってなかったあの頃っぽさだということに気付きました。

あの頃は「スペースを見つけたら走り込め、そして相手を動かせ」というポジショナルプレーの根幹ともいえる原則に忠実に動こうとするあまり、それぞれがそれぞれのイメージを共有できないまま、ただポジションが歪になってしまったり、そうして歯車が噛み合わないうちにピンチを招いてバーン…みたいな試合が多かったですよね。

で、広瀬の動き方からは、今でこそヒョイヒョイと動いてるAJ10や喜田、あるいは現在負傷離脱中の扇原などが当時抱えていた悩みのようなものを感じたんです。シーズン当初にうまくいってたからこそいろいろと対策され始めて、それを上回らなきゃというような焦りに駆られてしまっているのか、頭が疲れてる状態なんじゃないかと思うんです。

後半から入ってフレッシュなはずなのに、ポジショニングやプレーに今ひとつキレが足りなかったのは、そういうことだったのかなと思えばなんとなーくつながる気がするんです。知らんけど。

とはいえ、この後の展開でプレッシャーが減った状況だったときはいいポジショニングができてたりもしたので、完全にダメだったわけでもないんです。ほらさっきの遠藤と同じでトライ・アンド・エラーの精神ですよ!次ちゃんと出来たらそれでエエんや!

1失点目:外から中への出し入れ

さて失点シーンはセットプレーなんですが…実は、コーナーキックの直前から似たような形を狙われてたんです。

直前の攻撃は流れの中からなのですが、西澤がドリブルで持ち上がったのを広瀬が対応に行って、他の面々はバイタルエリアを埋めに行くという守備を展開。するとハーフスペースが空くので、松原后がそこにやってきます。で、西澤から松原后がパスを受けたのを合図に、ドウグラスは畠中の背後に向かってスプリント。タイミングが早かったのと松原后のクロスボールの弾道が低かったのもあって、畠中がヘディングで対応してコーナーキックとなりました。

ほんでコーナーキックに。この試合中猛威を振るっていたドウグラスがマリノス守備陣の注意を惹く裏で、松原后はまんまと守備陣の背後を取ることに成功。後はドウグラスからの折り返しを待つだけでした。見返してみても狙い通りの形だったのではないかと思います。ぐぬぬ。

2点目:いわゆるひとつのダイアゴナルラン

といった感じで同点になったところでお互いやり方が変わるわけでもなく、むしろエウシーニョからのぴったりクロスを受けた西澤がハーフスペースからフリーで放ったシュートをパギがバッチリ止めて本日2パギ目が記録されたりと、なかなかヒヤヒヤものな展開を迎えるマリノス。試合の流れで言ったら結構清水寄りだったと思うんです。そうだ、この頃には雨も止んでましたね。

で、清水にやられた「サイドからのクロス→ハーフスペースでアタッカーが受ける」という形を76分43秒ごろにAJ10→仲川でやり返した(オフサイドだったけどね)あたりから徐々に流れがマリノスの方へと向いていきます。

80分を過ぎた頃からじわじわとプレーエリアを上げたマリノスは、80分27秒ごろ、左サイドにいたAJ10がセンターサークル付近でノープレッシャーとなっていたクリリンにパスを通すと、クリリンは体を反転させるや否や浮き球をポーンと前線へ。これを仲川が清水の最終ライン裏に抜け出し、ボールをトラップしたら西部の股を抜く技ありシュート!よっしゃ勝ち越しや!!あんまり鮮やかだったんでDAZNも何故かボスではなくピーター・クラモフスキーヘッドコーチにズームイン!!!(80分45秒ごろ)

で、リプレイを見てみると仲川はクリリンが体を反転させたところでスプリントを始めてたんですね。体の向きからしてAJ10からボールが出たあたりでプレー選択は済ませてたんじゃないかと思います。そして何がうまかったって、仲川はまっすぐ裏に抜けようとはせずあえて斜めに走って、ダッシュではあるんだけど時間を稼ぎつつ前に行くやり方で抜け出していたんです。昨季まで所属してたウーゴ・ヴィエイラ大明神が得意としていた動きですね。

ともあれこれで2-1とリードを奪い、残り時間からしても締めに行く頃だったんで「よーし頼むぞみんな!!」と思ってたらリプレイの裏で場内がざわつく音声が…

2失点目・3失点目:数的不利で攻めるのか、守るのか

えっ、クリリン退場!?

DAZN中継では何があったかすらも分からないまま、マリノスは1人少ない状況で残り約10分を戦うこととなりました。

以降、中村太主審の判定に対する疑問の声が多く上がる展開となりましたが、そのあたりについては本レビューではひとまず置いといて、マリノスのゲーム運びがどうだったかを見ていきたいと思います。

こういう状況にもなると、例えばFWを下げてDFを投入するなどプレーの重心を守備に寄せていきそうな気がしないでもないですが、ボスはひとまず静観。チームもピンチをしのいだらまずは遠くに蹴り出してエジガルを走らせるという、ある種定石なやり方で進めようとしました。

とはいえ、エジガルもこの時点ですでにヘロヘロ。ファーストディフェンスにスピード感はなくなっていました。そして先に動いたのは清水の方で、DFのファン・ソッコに代えてFWの滝裕太を投入。篠田善之監督は勝負に出てきたのです。

これを受けてボスもいよいよ交代策に打って出てくるわけですが、選択したのはエジガル→チュンソンというプラン。「残り5分だったし、ハードワークするようにということだった」とボスは後に語っていますが、チュンソンのタイプ的にももう1点を狙いに行けというメッセージも少なからず込められていたのではないかと思われます。

が、これがあやふやな形でチームに伝わってしまったのか、インターセプトから広瀬の裏に駆け出した西澤にボールを通されてあわやピンチといった局面を招いてしまったにもかかわらず、チームは半ば不安定な状態のまま前のめりな姿勢を打ち出していきます。

それが空回りしてしまったシーンとして挙げられるのがまたもや広瀬のプレーで、87分56秒ごろにワー坊からパスを受けると、体を反転させた勢いで仲川が追いつけないスピードの縦パスを出してしまい、そのままゴールキックを与えてしまいました。西澤が広瀬に対して寄っていってたのは事実なんですが、安直なプレー選択になってしまい仲川も不満を露わにしていました。

そして、ティーラトンもまたプレー選択を誤ってしまいました。88分11秒ごろに西部のゴールキックでリスタートした場面、遠藤のプレスを受けていたヘナト・アウグストの前に1人フリーの選手を見つけたティーラトンはボールの出しどころを潰そうとスプリント。しかし、これによってマリノスの最終ラインが3枚に減ってしまい、対して清水は4人のアタッカーが一列に並んでいました。そう、数的不利になってしまったのです。

遠藤のプレスをかわしたヘナト・アウグストは落ち着いて前線にフィード。それを北川航也が足下に収めて持ち上がりますが、北川に畠中が付いていったため、ワー坊が滝とドウグラスの2人をケアする流れになってしまいました。そして北川は十分に引きつけた後でグラウンダーのクロスを選択し、滝が潰れ役になってドウグラスがダイレクトシュート。これで2-2の同点となります。

リスタート後にはドウグラスの疑惑のプレーがあったものの、時計はこの時点で89分台に突入していました。しかし、「1点取れば勝って終われる」という認識と「これ以上の失点は許されない」という意識が交錯してしまったのか、マリノスの陣形はどちらとも取れない歪な形に。

そして、89分45秒ごろに畠中が送った横パスを受けたティーラトンが、ダイレクトでAJ10への縦パスを敢行。しかしこれが僅かにズレてしまってインターセプトを許すと、逆サイドでは広瀬が内に絞るポジショニングを取っていたためにフリーになっていた西澤を使われ、どフリーで1対1の状況に。これを西澤は冷静にシュートを決めて勝負あり。

その後マリノスは5分のアディショナルタイムで反撃を見せるも健闘むなしく、日本平がオレンジ色の歓声に包まれた夜となりました。

おわりに:宇垣イズム

終盤の試合運びこそド派手にやらかしてしまいましたが、そこに印象のすべてを持ってかれては我々サポーターは仕方がないと思います。だって、できてたこともたくさんあったんですもん。そうじゃなきゃこのレビューはこんなに長くなりません。

できてたことを全部すっ飛ばして、できなかったことだけに目を向けるのは俺は納得できません。見事に俺が苦手なものだけで構成された日の給食の献立だったり、平気で酢豚にパイナップル入れちゃったり、3部作の2作目で突然登場して急にヒロイン面してきた『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のローズ・ティコぐらい納得できません

なので、代わりに自分は肯定ペンギン、人呼んで肯ペンちゃんなんだと思うことにします。宇垣イズムです。

もにゃもにゃいったところで最後にひとつだけ、気になった記事をご紹介したいと思います。

たとえ負け試合だったとしてもちゃんとできてた面に対してはサポーターとして目を向けていきたいし、できる限り発信していきたいなと思います。そして、もし万が一本当にどうしようもない試合に出会ってしまったとしたら、その時はこれでもかってぐらいひたすらネタに走ります。お願いだから俺にそんなことさせないでくれよな…!

はいそれじゃこのへんで切り替えて、山雅戦は勝ちに行くよ!とにかく次勝ちゃそれでエエんや!!

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