【ざっくりレビュー】2019 J1リーグ戦第10節 サンフレッチェ広島戦

akira(@akiras21_)です。
過ごしてみれば10日間なんてあっという間でしたね。

【前節までのあらすじ】

北海道コンサドーレ札幌戦の苦い思いを残す敗戦を払拭すべく、ホーム・日産スタジアムで鹿島アントラーズと剣を交えた一戦。マリノスは試合序盤に先制点を許すも、強かな試合運びと好機を逃さぬ姿勢が、仲川輝人の鮮やかな同点弾、そしてマルコス・ジュニオールのスーパーゴールを呼び込み、2-1で逆転勝利を収めた。

「平成最後のThe CLASSIC」で白星を挙げたトリコロールは、令和最初のリーグ戦でも歓喜の瞬間を迎えるべく一路広島へと向かう。横浜から大挙して押し寄せたサポーターたちの前で、マリノスは開幕以来となる連勝を飾ることができるか?サンフレッチェ広島のキックオフでいよいよ試合が始まる…

ということで、メンバーは以下。

[4-1-2-3]
GK:朴一圭
DF:広瀬陸斗、チアゴ・マルチンス、畠中槙之輔、ティーラトン
MF:喜田拓也、三好康児、天野純
FW:仲川輝人、マルコス・ジュニオール、遠藤渓太

[SUB]
飯倉大樹、ドゥシャン、松原健、扇原貴宏、大津祐樹、山田康太、李忠成

広島から期限付き移籍中の和田拓也が契約条項の関係で出場できなかったため、代わってスタメンに名を連ねたのはティーラトンでした。試合前から気合い十分なコメントを残しており、満を持して先発メンバー入りを果たした“悪魔の左足”に期待を寄せる声は少なくありませんでした。

そう、試合開始早々彼に驚かされることになろうとはつゆ知らず…それではさっそく参りましょう。

残念そこはAJ10

「よっしゃ今日も勝つで!試合前ピッチに水撒かなかったとか芝がちょっと長いとか完全にウチ対策かましてきよったな!」などと思いながら試合開始を見届けたわけでして、よしよしブンちゃんどこにおんねん?と左サイドバックの位置に目を向けてみたら…

あれ、ティーラトンちゃう!AJ10やんけ!!

ということで、まさかの左サイドバック天野純という展開に出会ってしまいました。ほんで当のティーラトンは例のごとく内に絞るようにして高いポジションを取り、なんならインサイドハーフの位置にいることすらありました。やや難のある守備が懸念されていたティーラトンですが、まさかそんな打開策が…とか思ってたんですけどこれ単純にAJ10がポジション埋めてただけですね。サンキューキャプテン。

まあそれはそれぞれの思いがあるからさておいて(©アントニオ猪木)、広島は鹿島同様ブロックを形成して引いてくる守備でマリノスに対抗。鹿島とちょっぴり違う点としてはプレスの開始位置がミドルサード付近だったことでしょうか。ブロックを乱さないためにもあくまで深追いはせず、球際にガツッと掛けて奪えたらそのままドーンでワンチャンみたいな。知らんけど。

そんなもんでなかなか均衡が崩れず、たとえば三好といった面々が質的優位性を瞬間的に見せて相手ディフェンダーを剥がし、ちょいっと前に運ぶような場面も見られたんですが、いかんせんブロックそのものは崩れてないので剥がしたその先でまた詰まっちゃったり。まーもどかしいこと。

なんて言ってたら、マリノスはカウンターからピンチを迎えます。

あわや失点シーン:意外にもあのお方が

12分17秒ごろ、左サイドバックAJ10からパスを受けた遠藤が、パスを出してそのまま走っていたAJ10にボールを出そうと試みるも、目前に立ちはだかった広島のサロモンソンに阻まれボールロスト。そのまま川辺駿→渡大生を経由して再びボールを受けたサロモンソンは反対サイドの野津田岳人にクロスを出すも、これは不発でした。

ただ、野津田は自身の後ろに逸れていくボールを追い、足下に収めたら柏好文の上がりを待って稲垣祥→川辺→渡→柴崎と素早いパスワーク。これと同時に稲垣が広瀬とチアゴの間に生まれていたスペースに走り込み、柴崎からボールを受けてフィニッシュを狙うもゴールを外れていきました。

一連の流れでミスがあったとすれば、野津田から稲垣へボールが渡ったときに、喜田が稲垣からボールを奪いきれなかったことでしょうか。これによってチアゴ〜畠中間のコースを埋めていた三好が引き寄せられてしまい、川辺→渡のパスを許してしまいます。

また、喜田は稲垣から奪いきれずそのまま川辺に向かいましたが、これによって今度は稲垣がフリーに。12分36秒ごろで一時停止すると、このあと稲垣にラストパスを出す柴崎は渡からのリターンパスを受けた後の動き方をすでにイメージしていたかのように、体の向きを稲垣に向けているのが分かります。広瀬がこれに感づいて稲垣に付こうとするも、距離がわずかに足りず突破を許す展開に。1点もののピンチでした。ひょえー。

ピッチコンディションなんて知らんけど

さあ、STS(んな勢でュート打つんか)渡大生がバイシクルシュートを披露したちょっと後の14分26秒ごろ、ハーフスペースで裏抜けいけるで!とアイコンタクトを飛ばしたクリリンに応えるようにAJ10が相手ラインを1本越える※浮き球のパスを出したりと、徐々に攻撃のバリエーションを増やし始めます。

相手ラインを1本越える
たとえば守備側が4-4-2でブロックを敷いていた場合、最終ラインの「4」、中盤の「4」、前線の「2」で3本のラインを引くことができます。

このラインは①ゴールとの距離、②ラインを構成する人数に比例して守備意識が高くなるため、最終ラインとゴールの間にスペースがあるうちにラインを越えてゴールに近付くことが試合運びのポイントのひとつになります。

ちなみに、この考え方を発展させたものとして「5レーン+4レイヤー理論」というものもあります。
(参考)https://sendaisiro.hatenablog.com/entry/2018/12/31/153727

一方で広島はサロモンソンか柏好文のどちらかに預けて中央のSTS渡大生に出して後はよろしくお願いします的な展開が多めでした。そんでもって柏が毎度高い位置まで上がってたもんで、柏からボールが出てくることが多々ありましたね。そんなもんでマリノスはこの両サイドにボールが渡るのはある程度許容して、代わりに中のSTSを防ごうという感じになってました。そらそうっすな効率もいいし。

さて試合は徐々にマリノスペースになっていくわけですが…ボールが本当に走らない。芝は長いし水も撒かなかったそうなのでまーーーボールが走らない。札幌ドームのピッチ鹿島戦やってるような感じ。しかしそこは我らがトリコロール、「ピッチコンディションがなんぼのもんじゃい」と言わんばかりにあくまでいつも通りのパスサッカーを展開しました。いいですねこの感じ、だんだんSっ気出てきましたよ。知らんけど。

で、いつも通りのサッカーということは当然最終ラインも上がっていきまして、それによって渡がオフサイドに引っかかる場面が散見されました。ていうか広島も広島で試合の大部分で「サイドを上がるサロモンソンor柏に出す→真ん中にいる渡に出す→渡あとはよろしく」みたいな攻め一辺倒だったんですよね。知らんけど。

#令和J1初ゴール

こんなふうに単調なリズムで進んだ試合でしたが、いよいよ令和初の展開がやってきます。

「最終ライン〜GK間でボール回しをすると全体的なプレスを掛けに付いてくる」という広島の守備パターンを利用して、広島の最終ラインを上げさせて裏のスペースを確保した後、32分49秒ごろにパギが右サイドに張っていた仲川へとロングパス。マリノスはこれを合図にパスワークで中央を経由したカウンターを始動させます。

33分1秒ごろにクリリンが左サイドへと流れ気味にボールを受けると、もともと左サイドにいた遠藤が中央へと流れて広島のCB吉野恭平とSB佐々木翔の間に入って注意を惹きつけます。そのスキに仲川は吉野の前に生まれたコースへと斜めに切り込むランニング(いわゆる「ダイアゴナルラン」)。敢えて太字で書いておきますが、この場面の遠藤の動きマジ大事

さて、仲川がボールを受けた頃には広島GK大迫敬介とほぼ1対1の状態。仲川はギリギリまで大迫を惹きつけ、かわしたところでニアポストの少し右→ファーサイドのサイドネットを狙うコースでシュートを放ち、佐々木にボールを当てつつも無事ネットイン。シュートコースから考えるに、佐々木が駆け込んでいなかったとしても決まっていたでしょう。

からの、こちら!

試合前日の報道で宣言していた通りゴールパフォーマンスを披露。でもビックリするほどグッダグダやん!!!

ロード・トゥ・左サイドバック 〜悪魔の帰還〜

さて、この後の試合展開についてはどうしましょうか…ぶっちゃけほぼ同じパターンなんですよね…マリノスとしては1点リードしたので無理してこじ開ける必要がなくなっちゃいましたし、広島としては「このままのやり方でいけばいつかマリノスが焦れるけん、ほならカウンターじゃ」的なノリなので当たり前といえば当たり前なんですが。

とかなんとか言ってたら㌧㌧ティーラトンがいつの間にか左サイドバックに戻ってきてる!37分32秒ごろなんですが、それまで左インサイドハーフっぽい位置にいたティーラトンが、マリノスがカウンターを喰らいかけた状況でスルスルと最終ラインの左側に。それを見たAJ10が逆に最終ラインから抜け出して、ボールホルダーだった稲垣に急襲プレス。その後、前線に残ってたクリリンがプレスバックしてきたりしてたので、なんなら1トップAJ10なんて状況も。

こんなふうに書くとネタっぽく聞こえるかもしれませんが、スペースやポジショニングを考えたら、「本来の適正ポジションにいない」状況はわりとザラに起こってたりします。開幕早々めちゃくちゃ楽しかったあのガンバ大阪戦などはその最たる例ですね。当時も書いたんですが、「自分の持ち場以外のスペースを埋めようとする動き」ってやつです。言い換えれば「システム・フォーメーション上の位置ではなく、ピッチ上のスペースを基準としたポジショニング」になるでしょうか。

ていうか開幕したてのころのレビューはめちゃくちゃあっさり書いてたんだなぁ…原点回帰ということで、まだ前半終わったとこだけどサクサクっとまとめに入っちゃいましょうか。

ざっくり後半お品書き

後半は後半でそれなりに見どころがありまして、

◎マルコス・ジュニオールさん、「オラお前ら上がってこいや!!!」と言わんばかりの腕ぐるぐる ※49分45秒ごろ
◎三好康児さん、死んだふりクイックリスタート ※50分5秒ごろ
◎天野純さん、やる気スイッチON ※53分30秒ごろ
◎喜田拓也さん、渡・柴崎・野津田・川辺の4人に囲まれたらさすがにキツかった案件 ※58分40秒ごろ
◎柏好文さん、パンツの左だけやたらハイライン ※62分2秒ごろ
◎裏のスペースへの入り方からボールの受け方からシュートに至る流れまですぐ近くから生霊乗り移ったのかと思えた遠藤渓太 featuring.三好康児さん ※62分18秒ごろ
◎道歩いてたら向かい側からも人が来たからぶつからないように避けたら同じほう避けちゃっておうおう、っていうアンガールズのネタみたいな動き方してた(しかもちゃんとボール奪った)広瀬陸斗さん ※62分50秒ごろ
◎ボールを奪おうとしたスライディングが中途半端になってカニ挟みになっちゃった仲川から「ごめんね(てへぺろ☆」が可愛くてついつい許しちゃったけど、ちょっと経ったらやっぱり痛かった佐々木翔さん ※63分28秒ごろ
◎雰囲気ちょっとずつ押されてるなと見るや否や高身長イケメンコンビの松原・扇原を次々投入して塀を建てるポステコグルー工務店 ※ちなみにお父さんは家具屋さんでした

他にもいろいろありましたがざっとこんな感じ。でもやっぱりこれだけは振り返っとかなきゃね!!!

#今日のおパギさん

さあ、今週も始まりました(CV:桑原学)

ほんと最後の最後だよ!!アディショナルタイム5分で94分58秒ごろの出来事だもん!!!

あのもういろんなところで言われてるんで今更説明するのもアレなんですが、簡単に言うと「川辺のヘディングシュートをパギが掻き出したシーンで実はボールがライン割ってたんじゃねーか」という説です。

試合の流れの中でそれっぽい瞬間はDAZN中継の2:05:38ごろです。でもこのアングルだとちょっと分かりづらいですね。ボールの先っちょだけ入っちゃってたかもしれない感ありますし。

とか言ってたら別アングルからのリプレイも来ました。2:05:59ごろです。あっ・・・いや先っちょだけ残ってるから。先っちょ。知らんけど。

続いてゴールネットに設置されたカメラから。2:06:09ごろです。モロですね。全部入っちゃってますね。でもジャッジはジャッジですから。うん。はい。

ね?

この日最後の最後で1パギ(※審議中)が飛び出したところで、ラストのセットプレーもなんとか終えて試合終了。お疲れした。

おわりに:こっそり本音を言わせてもらうと

勝てばよかろうなのだ!!!!!!

とまあ「原点回帰でサクッと」とか言っときながら結局ネタに溢れた試合だったんでここまででとっくに5000字を超えちゃってるわけですが、個人的には「ここまでしょっぱくしてでも勝ち切れる(※審議中)ようになってきたのかもしかして?」と思えた試合でした。うん。そういうことにしとこう。ね?

ということで、前節に次ぐ勝利で2連勝!マリサポにとっては楽しい元号またぎのゴールデンウィークとなったわけですが、最後にひとつ!

コイツこの後調子乗って「令」ポーズしたら脚攣ってんねんで!!!!
(DAZN中継2:13:40ごろ)

あとサロモンソンよりハイネルのが怖くなかった?

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