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'95 till Infinity 022

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【 第1章: 2nd Summer of Love of Our Own 014 】


 ビニール袋に入った持ち帰り中華が入ったタッパーを片手に友達がバイトをしているデリに寄って、そこでIDなしで買ったビールの大瓶を回し飲みしながら俺たちは歩く。もちろん、車が来たらビールが入った紙袋をさっと後ろ手に隠しながら。

 誰からともなく公園の方に向かった俺たちは広い公園の濡れた芝生の上を対角線上に横切って砂場のブランコを目指す。ブランコのシートはまだ水滴がついていたけど、手で水を拭って腰を下ろし、3人で2人前の中華を分け合いながら、半分ほどに減ってしまったビールをごくごくっと飲んでいく。

 吸い終わった煙草を砂に突っ込み、ゴミをゴミ箱に放り投げて俺たちは公園を去る。

 トーニの家に戻るとまだ9時過ぎだった。

 俺はふと思い、トーニに聞く。

 「なぁ、レイブってのは大体何時くらいに行くものなのかなぁ?」

 「そんなのわかんねぇよ。俺たちが行きたい時に行けばいいんじゃねぇの?」

 「けどさ、行って誰もいなかったらつまんないだろ?」

 「確かに」とトーニは言って考える。

 大体俺たちはレイブどころかそういったイベントものには全く行ったことがなかった。トーニの奴も、俺たちをどうやって丸め込もうかということに頭がいっぱいで実際に行った後のことは考えていなかったみたいだ。

noteも含めた"アウトプット"に生きる本や音楽、DVD等に使います。海外移住時に銀行とケンカして使える日本の口座がないんで、次回帰国時に口座開設 or 使ってない口座を復活するまで貯めに貯めてAmazonで買わせてもらいます。